会長の”三行日記”
2012.10.03
栗山日ハムの優勝 No.2288
栗山・日本ハムがパリ-グを征しました。見事な優勝だと思います。1年目の栗山監督にはその人柄もあって多くの人の期待を集めていましたが、手腕に関しては全く未知数でありました。
何しろ現役生活はたった7年で、コ-チ経験もなく22年ぶりの球界復帰だったからです。東京学芸大からテスト入団でヤクルト入りし、両打ちの外野手として一時期活躍しましたが、めまいや耳鳴りに苦しむメニエル病にかかり、29歳で引退せざるを得なくなったのです。
その後、キャスタ-として爽やかな語り口でお茶の間にも親しまれていました。ですから昨日の優勝も報道ステ-ションで一緒だった古館さんも大喜びだったくらいです。
やはり優勝の原動力は栗山監督の人柄なのでしょうか。もちろん何よりも選手の力によるものが大きいわけですが、人心把握に優れていた監督の功績も少なくないものです。
思い出してみると、今シ-ズンの開幕戦、多くの人の予想に反し、開幕投手にあの斎藤佑樹投手をぶつけてきました。それに向けては斎藤投手に思いをしたためた手紙を送り、大方の予想にあった有力候補・武田勝投手に対しては謝ったそうです。
このへんが選手が言われているように、細やかな気遣いがある、監督らしくない監督と言われる所以でしょう。またシ-ズン初め全く打てなかった中田選手を辛抱してよく使っていました。
そのくらい、この選手を大きく育てようという気持ちが人一倍強かったのでしょうが、我慢強く先を見通せる人とも言えるのではないでしょうか。
お陰で開幕戦では斎藤投手が見事なピッチングで幸先良いスタ-トを切り、ご存知の通り、中田選手も今では切っても切れない堂々たる日ハムの主力打者に成長しました。
そしてご自身の優勝コメントにもあるとおり、「北海道が一番になりました。自分は何もしなかったが、コーチ、スタッフの素晴らしさ、選手も最高の働きをしてくれた」と、周囲に気遣いを施し、自分のことには極めて控えめです。
また目指すべき新しい監督のスタイルになるのではないでしょうか。そして地域に根ざしている球団の素晴らしさも感じさせてもらったものです。自分のところさえ強くなれば後のことは知らないという、何処かの球団とは大きな違いですね。