会長の”三行日記”
2012.09.04
160kmの豪腕 No.2269
現在、韓国で行われている18歳以下の野球世界一決定戦には、この夏、甲子園を湧かせた精鋭たちが選抜されてこの大会に挑んでいます。優勝の大阪桐蔭からはエ-ス・藤浪投手、また準優勝の光星学院から強打の田村、北條選手などが名前を連ねています。
数えるところ25回目の開催となる今大会ですが、日本は6回目の出場で、過去には2004年ダルビッシュ、涌井投手らを擁しての準優勝が最高の成績です。ですから今年はレベルの高い選手が揃っていることから、悲願の初優勝をめざしているのです。
このメンバ-の中で4番を打っているのが、あの160kmで騒がれた花巻東の大谷投手です。この大会1回戦のカナダ戦は先発したものの3回1/3で3失点と、いまいちの出来でしたが、投げない時はその打力を買われて堂々の4番起用です。
並み居る甲子園組のつわものを押しのけての4番ですから大したものです。何しろ高校通算の本塁打が56本と言います。ですから一説には160kmを出した投手としてより、打者の方が大成するのではないかとも言われているくらいです。
それにしても岩手大会の準決勝で記録した、球速160kmというのは凄いものです。対する一関学院の打者はバットを動かすこともできず立ちすくんだと言います。素人でも打てる球速がだいたい110kmぐらいと言われていますから、とてもバットを振ることはできないでしょう。
この大谷投手、身長193cm、体重86kgの恵まれた体格ですが、両親とも父親が182cm、母親169cmと、長身であるお陰でしょう。父親はかつては社会人野球でならした選手だとも言います。
こうした恵まれた環境ですくすく育ったのでしょうが、闘志は内に秘めるタイプで、食が細いという悩みもあったみたいです。ある日、母親が寮の部屋を訪ねるとカビの生えた弁当を見つけたこともあり、高校入学後、体を大きくできずに苦労する息子の姿を何度も見たと言います。
それが今ではユニホ-ムがはちきれんばかりの尻や太ももになったのですから、人知れない努力の積み重ねがあったのでしょう。何よりそうした下半身強化の賜物ではないでしょうか。
とにかく、この先が楽しみの選手であります。既に大リ-グ・ドジャ-スあたりからも声が掛かっているようですが、大阪桐蔭の藤浪投手や亜細亜大の東浜投手などと同様に、今秋のドラフト会議の目玉となるのではないでしょうか。今後に大いに期待したいものです。