会長の”三行日記”

2012.08.03

なでしこの戦略 No.2259

なでしこの予選リ-グ最終戦、対南アフリカとの試合について、日本が採った引き分け狙いはバドミントン失格選手と同様、スポ-ツマンシップに反するなどという声が挙がっています。
 
しかし私はそうは思いません。バドミントンと根本的に違うのは、故意に負けようとはしていないことです。それから一番の大きな要因は、今回のハ-ド日程に対する戦術とも言えるのです。
 
ご存知の通り、中2日の休みしかなく25日から女子リ-グは始まりました。そして31日の南アフリカ戦の前には、スウェ-デンと日本が既に決勝ト-ナメント進出が決まっており、あとはどちらが1位通過となるかが掛かっていただけです。
 
日本チ-ムが一番考えていたのは1位通過となると、南アフリカ戦を行ったカーディフという会場から北のグラスゴ-まで移動しなければならず、これが何と飛行機とバスを乗り次いで8時間も掛かるというのです。また2位通過であれば、そのままカーディフに残れるのです。
 
ただでさえ試合でスタミナを使い切っている選手たちに、これ以上の負担を掛けたくないというのが監督の心情ではないでしょうか。それは結果的には日本にとって良い組み合わせになったかもしれませんが、初めから対戦相手を選んで小細工をしたことではないと思います。
 
事実、南アフリカ戦は先発メンバ-こそ7人入れ替えたものの、後半途中には川澄選手を入れたりして勝つつもりはあったみたいです。それが別会場で行ない、途中までリ-ドしていたスウェ-デンが対するカナダに同点にされたという情報を聞いた途端、無理に勝ちにいかなくてもよいといった選択をしたのです。
 
主力選手を休ませたいところもあっただろうし、日本が採ったこの戦法が決して卑怯ではないと考えます。むしろ五輪メンバ-とは名前だけのもので、出場機会が全くなかった選手たちにとっても、自分をアピ-ルする絶好の機会だったのではなかったでしょうか。
 
とにかくバドミントンで失格となった無気力試合とは、本質的に違うものです。欲を言えば、佐々木監督がリップサ-ビスでそこまで言わなくてもよかったと思います。
 
でもそこが真面目な佐々木監督らしいところかもしれません。こうしたことからも、その憂さ晴らしとして今夜1時から行う、対ブラジル戦は存分に動き回って欲しいものです。休養もそれなりに取れただろうし、日本中で応援する人たちのためにも、是非勝って準決勝に進むことを願っています。
 
来週6~7日の2日間は、10日から始まる夏期連休工事の振り替えとして、私用で休ませていただきますのでよろしくお願いします。