会長の”三行日記”
2012.08.01
BCPセミナ-よりその2 No.2257
先日のBCPセミナ-の続きです。昨年の3.11大震災は事前に誰もが予想できなかったことです。しかしながら地震の兆候は観測デ-タから、ある程度は予想できたみたいです。
気象庁は毎日、日本全国で起こっている震度1以上の地震を、デ-タとしてまとめて発表しているそうです。その細かなデ-タによると、3日前ぐらいから周辺には比較的大きな地震が群発していたみたいです。
ですから事前にある地域に地震が繰り返し起こっていたとすると、大きな地震が来る前触れとも言えるわけです。こうした情報に基づくリスク管理もBCP(事業継続計画)には求められているのです。
BCPは災害や事故等の発生に伴い、通常の事業活動が中断した場合、事業活動上、最も重要な機能を可能な限り短い期間で再開できるように、事前に計画・準備するものとのことです。
こんな話を聞きました。東京の会社に勤める、ある方がたまたまこの震災時、ニュ-ヨ-クに出張していたそうです。何も知らないで起きたホテルのレストランでは、この日本で起こった大震災の話で人々は持ち切りでした。
まるで日本が立ち直れないくらいの被害だと言っているのです。この話を聞いて慌てて部屋に戻り、自宅に電話したのですが通じません。すぐに日本に帰らなければと思い、ホテルの部屋で旅立ちの準備を始めたのです。
そうしているうちに、1つの電話が入ってきました。それは勤める会社からだったのです。電話の向こうからは「安心して下さい、自宅は何も被害なく家族は皆、元気です。会社も異常ないので、慌てて帰って来なくてもよいから」との声が聞こえました。
その声を聞きながら「ああ、安心した。ここまで気を遣ってくれる会社にも有難い。ほんとにこの会社にいてよかった」と、つくづく思ったそうです。
これがこうした緊急時のBCPとして、会社の採るべき行動の1つになっていたのでしょう。BCPの有無で社員のモチベ-ションまで変わってくるというお話なのです。
でも危機管理といっても、緊急時、人がやれるのはせいぜい3つぐらいと言われています。そのくらい計画と実行とはかけ離れているのです。その実行にいかに移せるかは、やはり日頃の訓練が何よりだと言っていました。
3.11時、大きな混乱もなくお客を誘導できたのは、あの東京ディズニ-ランド(TDL)です。接待しているほとんどが正社員ではなく、アルバイトの人間にもかかわらず、そつなく実行に移せていました。
これには大きな秘密があり、何と年間179回もの訓練を行っているとのことです。やはり「備えあれば憂いなし」ですね。私たちもいつどんなことが起こるか判りません。それだけに、日頃からBCP同様、必要最低限の準備と計画をしっかりと立てて置かなければいけないものです。