会長の”三行日記”
2012.05.15
妬まないこと No.2208
自分が大した努力もしていないのに、他人の成功を妬むようなことがよくあります。「あいつはたまたま条件が良かった」とか、「置かれている周囲の環境に恵まれた」というような話です。
桁外れの差があるときには、階級や身分が違うから仕方がないと言って、あきらめたりするものですが、同級生や同程度の相手の場合ですと、自分の劣りや非のほこ先を自分に向けるのではなく、他人に向けてしまうことが少なくありません。
また隣の芝生は青く見えるとも言うことがあります。本質はよく見えていないのに、うわべだけでそのように判断してしまうことです。また極端に「幸せは他人の不幸が見えたとき」などと、自分のことは棚に上げ、他人より劣っていると、その人に好意を持てなかったり、相手の失敗にほくそえんだりする人までいます。
よく言われる島国根性というものです。ある書に書かれていましたが、こうした日本人社会のことを樽蛇社会と呼んでいるみたいです。
大きな樽の中に蛇をたくさん入れて板で蓋をします。そして板の中央に蛇の出れるだけの穴をあけておきます。1匹の蛇がその穴から外へ出ようと首をもたげ、穴のところまで近づくと、他の蛇がからみついて、元のところへ引きづり下ろしてしまう現象をそう呼んでいるのです。
別に日本人に限ってのことではないでしょうが、狭い国土がこのような性格を生み出したのかもしれません。また縦割りの社会が横の絆を弱めたのかもしれません。
だからこそ、日本人特有の、また日本人だからこそ受け継がれている、思いやりの心や情深き心を大切にしなければいけません。またそれなくしては日本人と果たして言えるでしょうか。
とにかく人の成功は素直に喜んであげ、自分の至らなさや足りないところに早く気づき、追いつけ追い越そうという、前向きな気持ちに駆り立てなければなりません。それが自分への成功の近道ではないでしょうか。