会長の”三行日記”
2012.05.07
プロ意識の欠如 No.2203
ゴ-ルデンウィ-クの長い休みが終わりました。と言っても、こちらは切替工事が重なり、休めたのは5,6日の2日間だけでした。それでもお陰さまで、順調に工事も進み、大きな問題もなく無事完了することができました。
やはりこの時期、私たち業界にとっては、仕事が何もなく、皆と一緒にゴ-ルデンウィ-クを楽しんでいるより、ずっと安心できるものです。まずは一安心、ほっと息をついているところです。
さて連休中、痛ましい交通事故が相次ぎました。中でも関越自動車道で7人もの方が亡くなった事故はとにかく悲惨です。事故が起こったのが、連休の初めでもある29日だっただけに、被害に巻き込まれた方々は最悪の連休となってしまったのです。
この事故、当初は原因が居眠りでしたので、運転手の過労によるものと思われていました。ところが調べが進むにつれ、どうも原因は別のところにあったようです。
1つには運行管理するバス会社・陸援隊のあまりにもずさんな体制です。事故を起こした運転手もいわゆる日雇いで、正式にこの会社に所属する運転手でもなく、月の勤務時間は100時間程度の軽微なものだったようです。
しかしながら、その雇用形態が違法とも言える名義貸しと言われるもので、大型2台、中型1台、小型1台の計4台のバスを所有するこの運転手が持ち込み、白バスのような営業を行っていたのです。
ですからバスの車検証には、使用者・陸援隊、所有者・運転手となっていたみたいです。また河野化山という、この運転手は実態のない会社「河野交通」という名前で、独自の営業を行っていたとのことです。
元々は中国出身の人間で、日本に帰化し日本国籍を取得しましたが、大型バスの運転免許を取ってからまだ3~4年とも言われている運転手です。従って接しやすい中国人観光客相手にバス会社の名義を借り、自らツア-の手配もしていたようです。
ですから事故を起こした路線の運転も初めてだったようで、アルバイトのようなものだったのです。これでは40人を超える乗客の被害者の方々は、本当にお気の毒とも言えるものです。
このような運転手に大事な吾が身を預けなければならなかったというのも、何とも悔やみきれないのではないでしょうか。とにかくプロ意識に欠けるこの運転手と、このような運転手を雇って運行を繰り返していたバス会社の責任は重大で、お話になりません。
とにかく昔と違って、大切な人命を預かる仕事に就いている方の中にも、そうした意識に欠けている人が少なくないとも言えるのではないでしょうか。一人のちょっとした不注意では済まされない、取り返しのつかない大事故です。