会長の”三行日記”
2012.04.26
むしばむ汚染大地 No.2202
日本より20年も30年も遅れていると言われていた中国ですが、最近のめざましい進歩には目を見張るものがあります。でもやっぱり遅れているんだなという事実が、新聞に載っていました。
「むしばむ汚染大地」という記事です。中国の湖南、雲南、貴州、広東各省などを中心に、クロム、鉛、水銀、ヒ素、カドミウムなどのよる川や土壌、空気の汚染が広がっているとのことです。
金属、化学、鉱山などの産地がその汚染源です。この環境被害が続出しているため、住民の抗議活動が頻発しているというのです。
その1つは鉛や亜鉛を精錬する工場です。今年2月、近くに住む子供たち160人の血液から、基準をはるかに超える鉛の量が検出されたそうです。
これまでここに住む人々は、工場の加工時に使われる薬品の、鼻をつく刺激臭とともに暮らしてきました。鉛汚染が発覚したきっかけは、ある6歳の男の子の髪の毛がばらばらと抜け始めたことからでした。
同じ症状の子供3人と病院へ駆け込んだところ、基準値の2倍もの鉛の血中濃度が判明されたのです。こうした情報が広がり、村に動揺が走りました。
また重金属やレアアースの鉱山が集中する、広東省から湖南省の地域は、化学工場が原因とみられる様々な公害病が広がっているそうです。
それは日本でかつて起きたイタイイタイ病によく似た、めまいや頭痛、関節痛が激しくなり、息苦しくなって死んでいく症状です。
死後、体内からは基準値を大幅に超えたカドミウムが検出されました。住民によれば、2009年には3人、10年に8人、そして11年は6人が同じ症状で亡くなったと言われています。
そしてこれらのことに共通しているのが、地域住民のこうした抗議や訴えに対し、地元政府や警察が積極的な解決な動きをしてくれないどころか、逮捕される人まで出る始末です。これが中国の現状なのです。
これではいくらGNPが日本を抜いたと言っても、払うツケと犠牲が大き過ぎるというものです。水俣病やイタイイタイ病など、日本が通ってきた、過去の大きな過失の教訓を生かさなければいけません。
明日27日は納品のため早朝より一日出張します。また翌日の28日から来月5日までは、数ヶ所の出張工事が重なっており、会社を留守します。従ってカキコミは6日までお休みとさせて下さい。