会長の”三行日記”

2012.04.10

企業は人なり No.2192

昨日の墨田区・(株)浜田製作所の話の通り、「企業は人なり」と本当に教えられます。社長は万策尽きてほぼあきらめかけていたのが、信頼する片腕からの頼もしい一言で、また息を吹き返すことができたのです。
 
あのとき、そのままあきらめていては、とても今日の姿がありません。そう考えると、「日本で一番大切にしたい会社」の著者である、坂本先生がよく話されているように、会社経営の使命と責任とはお客様や株主より何よりも、社員とその家族を幸せにすることにあると理解できます。
 
雑誌「致知」にも以下のようなことが書かれていました。孟子に次のような言葉があります。「人恒の言あり。みな曰く、天下国家と。天下の本は国にあり。国の本は家にあり。家の本は身にあり」

人々は口を開けば「天下国家」と言う。だが、天下の本は国にあり、国の本は家にあり、家の本は自分自身にあるのだ。天下国家を真に思うなら、最も身近な吾が身を修めよ、ということである。

 
まさに人物を創ることの大事さを説いています。現在の混迷極まる、日本の政治世界にいる人間は皆、耳の痛い話ではないでしょうか。こうした、あらゆる仕事や事業は人物に尽きるというものです。
 
担当する人間の人物いかんが仕事・事業の盛衰を決めるわけで、こうした人物を創らなければいけない必要も、先の会社経営の目的に基づいているわけです。
 
そして同欄にこんな記載もありました。セブン&アイ・フ-ドシステムズ前社長の塙昭彦氏の話を聞いて、大きな感銘を受けた。塙氏が小学生の時、借金取りから逃げるように父親が家出。中学・高校と寝たきりの母親と二人だけの生活が続いた。

その暮らしの中で塙氏は一つの言葉を胸に刻みつけた。
「人生すべて当たりくじ」。これは塙氏を貫く覚悟となった。営業本部長時代、塙氏は二万五千人の人事異動に関わった。

人事異動があると、ほとんどの人が外れくじだと思っているが、自分はすべて当たりくじと思ってやってきた。平成8年、塙氏は初の中国室長の辞令を受けた。誰もが皆外れくじと言ったが、塙氏は当たりくじと信じた。

自分で集めた9人の部下と中国に赴任、13年の在任で中国イト-ヨ-カ堂は11店舗売上高1千億円弱の事業となった。当たりくじと信じることで自分の場を当たりくじにしていく。人物を創る要諦だろう。

 
まさに同誌にも書かれているとおり、他人のせいにしている限り、新しい知恵は湧いてこないし、人物は磨かれないというものです。「他責ではなく、自責の人たれ」と説かれています。やはり自分の道は自分が責任を持って切り開くことです。そしてあくまでも前向きにということではないでしょうか。