会長の”三行日記”

2012.04.03

生活保護の増加 No.2187

関西で有名な、あの高級住宅地・芦屋で生活保護世帯が増え続けているというニュ-スを聞きました。昨年に比べて約70人増えて、何とその数、600人にも達するというのです。
 
以前から私たちが持っていたイメ-ジでは、芦屋はお金持ちが住むところで別世界のようだったのですが、どうやら時代の変遷でそれも大きく変わってきたのでしょうか。
 
こうした生活保護が増え続ける傾向は全国的なものらしいのですが、やはり続いている不況のためでしょうか。それでもこの芦屋市は大企業が存在しないため、法人市民税の収入が少ないわけですが、住民1人当たりの個人市民税は約11万9千円で日本一とのことです。
 
おそらくこの先もずっと日本一ではないかと言われています。それゆえ住民のブランド意識も高く、大阪や神戸のベッドタウンとして開発された六麓荘町などのこの地は、財界人などの豪邸が多いと言われています。
 
また敷地面積が400平方メートル以上の豪邸しか建てられない条例が制定され、特別景観地区として建築規制も強化され、市内にはパチンコ店が1つもないと言います。
 
それではなぜこのような事態に?と思われるわけですが、市内で新たに生活保護を受ける人たちは、もともとここで暮らしていた人が高齢や病気になったりして仕事ができず、預貯金が底をついたなどの事情が多いとのことです。
 
ですから、困窮した人の流入傾向がある大阪市などとは、その意味は違っています。また元々近所のス-パ-や飲食店も、その土地柄で価格設定の高い店が多いとのことですから、暮らしにくくなっているとも言えるわけです。
 
それから芦屋は東京の田園調布や成城、麻布といった、限られた高級住宅地とは違い、1つの自治体ですから、市民のすべてが広い豪邸に住んでいるセレブではなく、賃貸住宅に住むサラリ-マン家庭もあり、その所得階層が広がってきています。
 
ここにも多様化の波が押し寄せているということです。昔からの名前のように、いつまでも高級ブランドのままではいられなくなっていて、不況や高齢化といった問題に直面しているわけですね。
 
そう考えると私たちなど、決して余裕のある生活を送っているわけではないですが、こうして働ける仕事を持っていることって、やはり素晴らしいことなのでしょうね。早くこの仕事から抜けて、もう少し好きなことをやりたいなどと、思い描くことはまだまだ時期尚早かもしれません。