会長の”三行日記”

2012.03.29

進化し続ける人 No.2184

メジャ-リ-グが開幕しました。しかもこの日本で行われたのです。イチロ-選手がいるマリナ-ズと、昨年まで松井選手が所属していたアスレチックスとの試合です。
 
開幕戦初めての日本でのゲ-ムということもあり、イチロ-選手は気合が入っていましたね。第一打席、今シ-ズンから座っている3番の打順が紹介されると、満員のスタンドからは大歓声が上がり、無数のフラッシュがたかれていました。
 
これでは選手冥利に尽きるというものです。その期待に応え、この日は得意の内野安打2本を含む、4安打の大活躍です。しかも最後のヒットは延長戦での勝ち越した後、駄目押しともいえるタイムリ-でした。
 
やはりこの人の持っているものは違います。聞くと毎年、そのバッティングフォ-ムを変えているとのことです。あれだけの大選手になっても、まだいろいろと試行錯誤を繰り返しているのです。
 
今シ-ズンはノ-ステップに近いフォ-ムで、昨年までの振り子打法を変えているみたいです。テ-クバックからバットの出る角度が良くなっているようで、その年齢に即した一番無理のない方法を選んでいるのでしょう。
 
こういったところが、この選手の凄いところです。普通、あれだけの実績を残している人なら、今までの方法を無理に変えたり、いじったりしないものです。でも逆に、これだから進化をし続けることができるとも言えるのでしょう。
 
しかしこのイチロ-選手でさえ、オ-プニングゲ-ムとなったこの試合の序盤では、恐ろしいほどの緊張感に包まれたと言います。やはり最初で最後とも言える日本での開幕戦と、開幕戦本来の持つ異様なまでの雰囲気からでしょう。
 
このゲ-ム、4安打を放った以上に、専門家が褒めちぎっていたことが別にあります、延長11回、駄目押しのタイムリ-を放った打席、3球目の甘いストライクを見逃し、1塁走者の2塁への盗塁を助けたことです。
 
テレビで観ていた人ならお解かりでしょうが、初回、イチロ-選手がヒットで出た後、2回も盗塁を試みたのですが、4番打者の何も考えていないようなスイングで潰されてしまいました。
 
この辺がただの選手とイチロ-選手との違いなのです。見逃してしっかりと2塁へ進めたランナ-を、自分のバットでホ-ムまで還しているのです。さすがですね。
 
とにかく一番好い打者が座るといわれている3番という定位置に、今年から座るわけですが、今までとはまた違ったイチロ-選手の魅力が引き出されるのではないでしょうか。ダルビッシュ投手と併せ、今年のメジャ-は楽しみです。