会長の”三行日記”
2012.03.26
ちょっと良い話part89 No.2181
またまた石巻工に関係する新聞記事に、ちょっと胸が熱くなりました。残念ながら試合は鹿児島の神村学園に、善戦したのですが敗れてしまいました。でも終わった後にこんな、ちょっと良い話があったのです。
心を打たれた光景だった。22日にあった第2日の第3試合。試合後の整列で、神村学園(鹿児島)の選手が帽子とグラブを地面において石巻工(宮城)の選手に歩み寄り、両手で握手をした。
「選手が、片手でなく両手で握手したいと。我々は不自由なく野球できる。震災で苦労しながら、ここまで来た相手への敬意です」。山本監督が説明した。
やりにくさはあったと思う。球場の雰囲気は「頑張れ、石巻工」。報道陣の質問も、被災地のチ-ムと対戦することについてばかり。弥栄(みえ)主将が「なぜ自分たちのことを聞いてもらえないのか」と漏らしたこともあったという。
それでも、相手を敬うことは忘れなかった。石巻工の阿部翔人(しょうと)主将は「神村学園の主将からありがとうと声をかけられ、本当にうれしかった」。
開会式で阿部主将の宣誓を胸に刻んだ神村の選手たち。野球を通じて、心の輪が広がっていく。
何とも爽やかで良い話ではないでしょうか。石巻工も序盤、4点差をひっくり返し、絶対あきらめないという言葉どおりの試合展開を見せてくれました。
やりにくかったのはこの神村学園です。何しろこれでスタンドも大いに盛り上がり、ほんどのお客が石巻工側についていたからです。
でもさすがは九州一と言われている神村学園です。4-5と逆転された直後に、相手のエラ-を絡めて9-5と再逆転したのです。でも試合中は相手を気遣い、ガッツポ-ズは控えていたと言います。
こうした心配りが本当に嬉しいものです。一方の石巻工にしても、21世紀枠での出場を果たしたのですが、一部では震災枠などと陰口をたたかれていたそうです。
だがそんな陰口も吹き飛ばすことのできる、強豪を向こうにまわしての、少しも恥ずかしくない試合だったのではないでしょうか。再度の挑戦を期待したいものです。