会長の”三行日記”
2012.02.22
山口・光市母子殺害事件 No.2162
山口県光市で1999年に起きた母子殺害事件で、当時18歳だった少年に死刑判決が確定しました。あれから13年になろうとしている今日、被害者の夫で、父親でもある本村洋さんはずっと被告にこの極刑を求め続けていました。
この結果を受けての本村さんはこう答えています。「遺族としては大変満足しています。ただ決して嬉しさや喜びの感情はありません。厳粛に受け止めなければならない」
記者会見での本村さんは、この言葉に表されているように、至って冷静沈着でしっかりとしたコメントを話されていました。頭の良い人なのでしょう。
事件後、被害者の権利や地位向上を訴え、全国各地での講演活動などを通して、妻と娘の死を無駄にしないよう活動を続けてきました。それが実り、刑事訴訟法などの改正により、被害者・遺族などが法廷で意見を述べたり、裁判記録を閲覧できるようになったと言います。
ずいぶんとここまではその道のりが長かったことでしょう。事件は被告が本村さん宅に排水検査を装って侵入し、抵抗する妻の弥生さんの首を絞めて殺害し、強姦したというものです。
そして更に犯行の発覚を恐れて、泣き続けていた当時11ヶ月の長女を床にたたきつけ、首を絞めて殺害したのです。どうでしょうか、もし自分がその被害者遺族の立場だとすれば、きっと同じ気持ちを抱き続けるのではないでしょうか。
幸か不幸か、少年は当時18歳1ケ月の年齢でした。もしこれが1ヶ月以上前で、年齢が18歳未満でしたら、死刑適用を禁じている少年法の適用で、この判決はなかったのです。
今回の裁判は、改めて少年による凶悪犯罪を世に問うものになったのです。確かに少年の育った環境には問題がありました。幼少期から母親や自分に暴力を振るう父親や、中1のとき母親が自宅で首を吊って自殺したこと、さらに若い外国人女性と父親が再婚など、孤立感を強めていった家庭環境がそこにはありました。
でもだからといって、何の罪も無い本村さん親子をそこまで陥れることはないものです。もう一つ、裁判開始後、少年が知人に当てた手紙にこう書かれていたと言うのです。
「被害者さん、ありゃ-ちょ-しづいてる。犬がある日かわいい犬と出会った。...そのまま『やっちゃった』...これは罪でしょうか?」冗談では全く済まされない、その神経を疑ってしまいます。
厳しいかもしれませんが、自分の犯した大きな罪は、やはり自分の死を持って償うしかないものと、本村さんが言われるように、厳粛にその刑を受け入れてほしいと考えています。
明日は早朝より、見積引き合い分の現場調査で出張するため、カキコミは休ませていただきます。