会長の”三行日記”
2012.02.20
乗客と鉄道側との攻防 No.2160
「所変われば品変わる」という言葉が昔からありますが、新聞にインドネシアの鉄道列車についての記事がありました。何と列車の屋根に上る乗客が絶えないとのことです。
私はこのことは全く知らなかったのですが、数百人が屋根に座って走る、この光景は名物にもなっているそうです。でも鉄道会社としては至って危険極まりない迷惑な話で、その対策に追われているようです。
乗客と言うのかどうかは分かりませんが、屋根の上に乗る人々は無賃乗車やスリルを求めてなど、その理由はさまざまみたいです。
そこで会社側がとった珍作戦が紹介されていましたが、様々などうしても上りたい人たち(とりあえず乗客と呼ばせて頂きましょう)との攻防は面白く読ませていただきました。
1つめに試みた作戦は乗客に向かっての放水です。でもレインコ-トを着た乗客が続出して失敗に終わったようです。
次には滑って上れないように油を塗ったところ、鉄道側の車両管理部から、電気系統がショ-トして火事になるといって怒られたそうです。
そこで今度取った作戦は、線路にサッカ-ゴ-ルのような枠を設け、屋根ぎりぎりの高さに1ケ5㎏もあるコンクリ-ト球を吊り下げたのです。
こうしたところ、頭に当たったら死んでしまうとの苦情が相次ぎ、上がる乗客は激減しましたが、ヘルメットをかぶる強者も出てきたとのことです。
また現在、実験中なのが、「擬似トンネル作戦」といって、列車通過の際、屋根すれすれの位置に鉄板をつけた枠を設置する方法です。またそれでも駄目なら、汚水を浸したモップをつける悪臭作戦を考えているとのことです。
何かイタチごっこみたいで面白い話のようですが、2010年には43人、また11年は37人が屋根から落ち、併せて15人が死亡しているとのことですから、満更、笑ってもいられないことなのでしょう。
でも日本では考えられない話で、のどかで暖かな、南の国ならではのことではないでしょうか。