会長の”三行日記”

2012.02.01

動の中にも静を No.2148

早いもので今日から、もう2月です。日本海側は大変な大雪とのことで、一番寒いと言われる今月はまだ始まったばかりで、いったいどうなるのでしょうか。まだまだ先でしょうが、暖かな春が待ち遠しいものです。
 
先週の土曜日は高校の同期会がありました。60数名の参加でしたが、恩師と見間違えるような輩も少なくなかったようです。こう言う私も、他人のことをとても言えたものではありませんが、やはりこの歳になると、それなりに歳相応に老けてくるものです。
 
この同期会に先駆け、午前中から親しい同級生の仲間が集まり、三島のお蕎麦屋さんで昼食をとりながら禅寺で知られる龍澤寺を訪れました。
 
お蕎麦屋さんはフォルクロ-ロというお店でしたが、とてもおいしいお蕎麦をいただきました。ここのご主人、少しこだわりのある方で、定年を迎えてからこのお店を開業したとのことです。
 
またフォルクロ-ロという名前も、自身があの民話の里・岩手県遠野出身ということから、故郷が生んだ偉大な詩人、作家の宮沢賢治の作品「銀河鉄道の夜」に出てくる、愛称の駅名・フォルクロ-ロ(民話)から名づけたと言われます。
 
またログハウスの綺麗な建物も1年がかりで作ったとも言われています。同級生の友人からこのお店を紹介していただいたのですが、また是非のんびりと行ってみたいと思った、素敵なお店でした。
 
こうしてお腹が満足してから向かったのは龍澤寺です。友人から何回か機会あるごとに誘われていたのですが、訪れたのは初めてでした。友人に車を任せ、山門から歩いて向かう辺りの雰囲気は、静寂の中、やはり禅寺の甘えを許さない厳しさが漂っているように感じました。
 
生憎、この寒さのためか、梅の蕾はまだ固く閉ざされたままでしたが、寺の建物と手入れの行き届いた庭との全体的な調和はさすがです。
 
そして本堂に上がり、後藤栄山老師のお話を聴くことができました。老師は地元・沼津のお寺で、毎月開かれている禅話会でもお会いしている方ですが、いつもよりずっと砕けた、人間的な部分を見つけ、より身近に感じたものです。
 
老師のお話から1つ、フランスに出掛けたときの神父の話を紹介します。「1日の幸福を得るにはワインを飲め、3日の幸福を得るには結婚をしろ、1ヶ月の幸福を得るには豚を殺せ、そして一生の幸福を得るには神父になれ
 
でも全ての人が神父になってしまったら、献金をしてくれる人もいなくなるわけで、神父廃業になってしまうとジョ-クで結ばれていました。それにしても、1時間半以上にも及んだ老師のお話の最中、何とかきちんと正座してお聴きしようと心がけたのですが、正直、とてもしんどいものでした。
 
しかし、いろいろと所用に追われる毎日、意識してでも、こうした静寂の時間を持つ必要性をつくづく感じ、とても有意義なひとときでした。友に恵まれ、感謝しています。