会長の”三行日記”
2011.12.19
ブランド引き抜き作戦 No.2127
ソフトバンクのエ-スとも言える杉内投手の巨人入団が決まりました。一言で言って、非常に残念です。「ブル-タス、お前もか」という感じなのですが、ベイスタ-ズの村田選手、そして同じソフトバンクのホ-ルトンまで同じ巨人入団とも伝えられています。
またまた巨人のブランド引き抜き作戦が始まりました。折角、チ-ム内で育成選手などの台頭が近年出てきたばかりなのに、これでは元の木阿弥となってしまいます。
そういった生え抜きの選手たちのやる気というものも、少しは考えているのでしょうか。清武の反乱などと伝えられた今回の事件、決して清武さんのやったことが全面的によいとは思っていませんが、清武さんが下積みから頑張っている選手を引き上げようと努めていただけに、ある意味ではこうしたやり口への不満も含まれていたのではないでしょうか。
それにしても、そのやり方だけを眺めていると、他所の球団のことなど、どうでもよく、自分のところだけが良くなればいいというやり方に見えます。まさに財力にものを言わせた、横暴とも言えるやり方です。
これが球界の盟主と呼ばれる、あの長嶋さんも言う、栄光の読売巨人軍のやることでしょうか。定着してきたドラフトは各球団の戦力均等を考えて実施されました。そしてその結果、次第にセ・パリ-グや各球団のバランスがとれてきています。
一方、巨人軍の方はというと、それにより思うようにスタ-選手を集めることができなくなってしまいました。中には今年のドラフト1位のように、何が何でも巨人でなければダメという選手もいますが、ほとんどは各球団に分散されていきました。
その結果、プロ野球が少しずつ面白くなっていったのです。昔のように新人を思うように集めることのできなくなった巨人軍は、その後、戦略を変えFAという制度に着目し始めました。ある球団に何年か一定の期間所属していると、自由に所属する球団を選ぶことができるという制度です。
こうしてFA資格を有した選手を、今度は金の力で集めようとする戦略に変じていったのです。そして実施されたのが落合、広沢、清原、工藤、江藤、そして近年では小笠原という、各球団の主力選手とも言える獲得だったのです。
ですがこんなことを繰り返していっても、球団の人気は一向に上がらないどころか、むしろ下がるばかりです。やはり人々の間に、バランス感覚というか、判官びいきの心情があるからでしょう。
それにしても、これだけの選手を集めてみても、もし優勝に手が届かなかったときはどうするのでしょう。アンチ巨人の私たちは昔のように、憎らしいくらい強い巨人をまた見たいところもありますが、野球は結構、良い選手ばかりでも強くなるというものでもありません。果たして来年はどうなることでしょうか。