会長の”三行日記”

2011.12.01

60歳のラストラン No.2119

先日朝のテレビで放映していた、「60歳のラストラン」という番組を眺め、爽やかな感動を覚えました。競輪暦41年、1950年12月生まれというから私より学年は1つ下ですが、60歳11ヶ月になる西村康博さんという競輪選手の最後の花道です。
 
もちろん現役3300人余りの選手の中で最年長になるわけですが、これまで通算614勝を挙げ、地元の佐賀県武雄競輪場で最後のレ-スに挑もうとしていたのです。
 
語呂の良い日を選んだのかもしれませんが、2011年11月11日のこの日、第7レ-スに出場した西村さんは惜しくも9人中4着に終わりましたが、追い込みが得意で鉄人レ-サ-と呼ばれるだけあって、最後のゴ-ルは横一線、ほとんど差のない勝負だったのです。
 
まずは60歳のこの年で、若い人に混じってこれだけやれることに驚いたものです。もちろん、ここまで走れるのには並大抵の努力ではないでしょう。日頃の練習や、生来の頑丈な体とその節制の賜物ではないでしょうか。
 
ラストランを終えた西村選手には、スタンドの観客から惜しみない拍手と賞賛の声が送られていました。まさに選手冥利に尽きるものでしょう。この日のレ-スが3801回目となり、614勝も挙げているのですからファンの期待にも応えているわけです。
 
その通算の3連対率は39.5%と言われますから見事なものです。レ-ス後、可愛い孫娘から花束を受け取る姿は、大きな役目を果たし終えた解放感からか、もう勝負師の顔からはすっかり離れ、素敵な笑顔のおじいちゃんそのものでした。
 
それから西村さんのコメントがまた良いものでした。「昨夜はあまり眠れなかったが、無事に終わってほっとした。両親が丈夫な体に生んでくれたこと、妻の内助の功のおかげで長く選手生活を続けることができました
 
やはり一人だけではなく、家族の大きな支えがあったからここまで続けられたのでしょう。支えてきた奥さんもこの日を迎え、本当に嬉しそうでした。
 
41年もの長い間、1つのことをやり通した人の顔は何とも言えない、素晴らしいものです。とてもこの西村さんの足もとには及びませんが、片鱗でもいいから、少しでもこの世を生き抜いてきたという証しを作り上げなければと感じさせられたものです。