会長の”三行日記”

2011.11.01

嬉しくなる不正経理 No.2101

CS第1ステ-ジではヤクルトが巨人を下しました。第2戦の様子ではヤクルト不利かなと思ったのですが、今年のペナントレ-スを象徴しているような、全体的に不甲斐ない巨人が浮き彫りとなったゲ-ムでした。でもヤクルト、1勝のアドバンテ-ジのある中日にはどうでしょうか。優勝を逃した終盤の雪辱を果たしてもらいたいのですが...
 
さて、新聞に国民宿舎で不正会計処理との見出しを見つけ、「ああ、また不祥事なのか」と思い、読んでいったら、ちょっとその内容が着服などとは全く違う、どちらかと言うと嬉しくなるようなことで安心しました。
 
茨城県日立市にある国民宿舎「鵜の岬」は、全国122ある国民宿舎の中で、22年連続の宿泊利用率1番の人気ある宿泊施設です。この人気が高いというのは、やはり料理の質の高さにあったのでしょう。
 
しかし、この宿舎を運営する公社は県からの収支改善要求を受け、食事の売上高に占める食材費の割合を2008年度から引き下げる目標を立てていました。
 
これにより人気の食事メニュ-を少し落とさなければいけなくなったのです。でも来場してくれるお客さんのことを考えると、 現場の料理人らは「質を落としたくない」と反対しました。
 
こうしてその板挟みになった経理担当者が、実際に使った食材よりも少なめに帳簿に記入したのです。調べによると、台帳上は900キロあるはずの冷凍肉が実際には60キロほどだったり、2000キロあるはずの魚が100キロしかなかった事例が見つかったというのです。
 
2008年度からの架空計上分は今年の8月末時点で7088万円にものぼったそうです。 この結果、不正に会計処理した担当者である、管理課の課長と職員が停職や減給などの処分を受けることになったのです。
 
でもこの事件、考えてみると、水増しして個人が着服したわけではなく、私たちお客にとっても、本来減らされるはずの食材がそのまま提供し続けてもらっていたのです。
 
そうしたお客の期待を裏切りたくなく、少しでもその喜ぶ顔が見たいがための処置だったのです。ですから処分を受けた職員は少し可哀想な気もしますが、不正経理と言われれば仕方のないところかもしれません。
 
しかしながら、お客の喜ぶ顔を描きながら仕事ができるということは、働く生きがいでもあり、やりがいにも大きく繋がるものです。そうしたスタッフがいる限り、今回の不正事件は鵜の岬にとって、今後を大きく左右されるものではないと思っています。むしろ、この「鵜の岬」にちょっと行きたくなったものです。