会長の”三行日記”

2011.10.28

ドラフトの明暗 No.2099

とても不思議なことなのですが、1つ弔事が出だすと何件か続くものです。一昨日の通夜に始まり、昨日、そして今日が2つと、4件も続いています。
 
高齢の方はともかくとして、58歳の誕生日の1日前に亡くなってしまった、同友会の友人・稲垣氏はさぞ無念の思いのことと思われます。
 
お互い会うとすぐ冗談を言い合う間柄だったのですが、月曜日にお悔やみに伺ったときには、今にも飛び起きて何か言われるのではないかと思うくらい、生前そのままの姿でした。残念です。心よりご冥福をお祈り申し上げます。
 
さて昨日、ドラフト会議が行われ、今年も悲喜こもごも、いろいろなドラマがあったようです。今年の目玉のビッグ3と言われた、東洋大の藤岡、明大の野村両投手はそれぞれ1位指名でロッテ、広島に決まり、問題がないようですが、もう一人の東海大・菅野投手には波乱がありました。
 
当初、昨年12月から巨人が早々と1位指名を表明し、しかも原監督の甥という関係から、巨人の1本釣りではないかと思われていたからです。
 
しかし日本ハムが果敢にその戦いに名乗り出て、しかもくじでその交渉権まで引き当てたのです。この結果、本人の意中の球団・巨人には入れなくなったのです。
 
原監督以下、巨人関係者の落胆ぶりはとても隠しようのないほど、大きなものですが、アンチ巨人のこちらにとっては、本来のドラフト制度の意義から考えても、むしろ好ましい結果ではなかったかと思っています。
 
それというのも、2009年の長野選手、昨年の沢村投手と、2年続けて巨人はこうした他を寄せ付けないような状況にして、1本釣りを果たしているのです。
 
それが本来のドラフト制度の目的である、各球団の戦力均等ということからしても、3年続けて意中の選手を思うように手に入れるやり方に、面白く思っていなかった人も少なくなかったはずです。
 
そうした意味からも、日ハムの指名は勇気ある行動だったと言えるのではないでしょうか。また伯父-甥という関係が、必ずしも勝負の世界で本人を大きく伸ばせるかも疑問です。
 
むしろ菅野投手が今まで原の甥だからと周囲から見られ、評価されるのを嫌って、一生懸命自分自身の実力を磨いてきたように、これからのプロ野球界に欠かせない逸材を活かすのには、他所で揉まれる方がいいようにも思えます。
 
それからもう1つ今年のドラフトで、早大ソフトボール部の捕手・大嶋くんが日ハムに7位で指名されるという、サプライズがありました。ソフトでのずば抜けた打撃と才能を買われたのでしょう。これからその行方が気になる存在です。
 
とにかく総体的には毎年のことながら、パリ-グに良い投手が集まる傾向があるようで、その活性化と日本プロ野球全体としては、とても好ましいことではないでしょうか。