会長の”三行日記”
2011.10.18
人間技とは思えない No.2093
東京で行われていた体操・世界選手権で、日本のエース内村航平選手が見事、個人総合で3連覇を飾りました。2位の選手に3.1以上の大差をつけた、この3連覇は男女を通じて史上初の偉業とも言われています。
今回の選手権はテレビでの中継もあったことから、現在の体操の魅力を私たちにも存分に味わせてもらいました。まずびっくりしたのが、その技術レベルの高さです。
古いと言われるかもしれませんが、かつては小野喬選手に始まって遠藤幸雄選手、そして森末慎二選手ぐらいまでの時代しか、じっくりとその技を見ることがなかったので、現在の選手から繰り出される、その技の難度にただただ驚いたものです。
特に優勝した内村選手など、最初の床で見せた、後方2回宙返り3回ひねりと言うのでしょうか、とてつもない技を見せてくれました。そしてこの6種目のうち、跳馬と鉄棒を除く、何と4種目に全体1位という、堂々たる貫禄の演技でした。
この鉄棒にしたって、団体総合で惜しくも落下したコバチというのでしょうか、この技を見事に決め、ハラハラ、ドキドキさせられる技の連続で、寸分の狂いもない着地で締めくくりました。本当に見事なものです。
そして今の体操では、各種目別に特化し、6種目の全部をこなせる選手や国が少なくなっている中、内村選手の独壇場でライバル不在とも言われていますが、それぞれの種目においても、決めるべきところはピシャリと決め、完璧とも言える演技ではなかったでしょうか。
また本人が言われるとおり、やはり6種目全てをこなせるのがこの体操ともいえ、そうした意味からも真の王者です。ですから最も美しい演技をした人に贈られる、「エレガンス賞」なるものをもらいましたが、至極当然の結果とも言えるものです。
こうなれば、気が早いかもしれませんが、来年のロンドン五輪での金メダルはほぼ間違いないですね。そして今回逃した団体での金メダルも、中国を破り是非手にしてもらいたいものです。とにかく、人間技とはとても思えない演技の数々にただただ圧倒され、久しぶりに体操の魅力を堪能させてもらいました。