会長の”三行日記”

2011.10.03

頑張るシニアエイジその2 No.2084

定年を機に夢を実現したいとか、自由に仕事がしたいと言って、熟年世代でビジネスを立ち上げるシニア起業が増えていることを先日、紹介しましたが、成功している、また別のケ-スです。
 
耕作放棄地に目をつけた方です。永堀さんは66歳、8年前に(株)ナガホリを設立しました。従業員のほとんどは60歳以上、全員が朝早く5時ぐらいに出社し、都心からバスで畑に繰り出していきます。
 
新鮮な小松菜畑の栽培と収穫です。埼玉県上尾市を中心に、桶川市やさいたま市にまたがる、小松菜生産圃場の総面積は35ha、年間100haを作付けし、この面積は東京ディズニ-ランドとディズニ-シ-を合わせた広さと同じだと言います。
 
化学肥料・化学合成農薬の使用量を極力抑え、新鮮な小松菜を出荷し、年間3億円もの売上げがあると言います。永堀さんは元々農業に従事していましたが、収入を安定化し、老後を穏やかに過ごしたいというささやかな夢で、起業に踏み切ったのです。
 
でも当初、畑は確保できても人が集まりません。頼んだハロ-ワ-クの求人募集で入ってきた若者は、仕事がきついからと長続きせず、すぐ辞めていってしまいます。
 
そこでその募集に「年齢も関係なく働けます」と触れ込んだところ、定年後時間を持て余していた熟年世代に大きな反響があったのです。
 
そうした中には肥満や高血圧に悩んでいる方もいます。しかしこうした畑仕事に出るようになって、体重が10㎏近く減る人も出てきて、悩みが改善される効果も出てきました。何しろ朝早い作業とあって、体を動かすし何よりも健康的だからです。
 
こうしたことから、社長の永堀さんはこれからもどんどん人も増やし、遊んでいる畑を探しながら増やしていきたいと、益々意気軒昂で、その夢は大きく広がっているものです。
 
このようにリタイヤしている世代の活用は着目したいところです。能力はあるのに、時間を持て余している人は少なくありません。やはり人という要素がここでもその成功の鍵を握っているようです。生きがいや働きがいを見つける工夫は、企業にとっては大きな欠かせないポイントですね。