会長の”三行日記”

2011.08.30

どじょうの勝利 No.2063

決選投票の行方は野田さんに軍配が上がりました。215対177の票差です。やはり1回目では決着がつかず、予想通りの1位だった海江田さんは票を伸ばせず、珍しいケ-スとなりましたが、2位の野田さんが大逆転勝利で手中にしたのです。
 
この結果を見て、正直、意外と民主党も、まともだなと思ったものです。もし海江田さんだったら、どうだったでしょう。大派閥の小沢さんが後押ししていたのですから、その後は目に見えるようです。
 
海江田さんは操り人形のごとく、裏で糸を引かれていたのではないでしょうか。口の悪い人はそれを海江田政権ではなく、かいらい政権と呼んでいたくらいです。それともう一つ、海江田さんの選挙用の政策パンフレットが小沢さんのときと、瓜二つだと言われているのです。
 
私たちには約束がある。国民の生活が第一。海江田万里」が、昨年9月の代表選で作った小沢さんの「僕には夢がある。国民の生活が第一。小沢一郎」というパンフレットにそっくりだというのです。
 
これを民主党員の多くの人たちが嫌った結果だったのではないでしょうか。こうして今日にも代表となった野田さんが、第95代総理大臣として首班指名を受けるわけです。
 
この野田さん、代表になってから俄かにクロ-ズアップされるほど、どちらかと言うと地味な方なのですが、ご自身をよくわきまえている人との印象を持ちました。知らなかっただけに、以前のパフォ-マンスを繰り返す人たちと違って、少しやってくれるのではないかと期待を持てたものです。
 
代表選の演説でも、自分をどじょうに喩え、「どじょうがさ 金魚のまねすることねんだよなあ」という、あいだみつをさんの詩を引合いに出し、金魚が前原さんのことを指すかどうかは分かりませんが、とても金魚にはなれない自分は泥臭く汗をかいていくしかないと述べています。
 
こうした己を知り抜いている人だからこそ、また落選や、鳩山内閣のときの不遇とも思える副大臣などの経験を経て、今に生かされているのではないかと思われます。
 
とにかく、かつての数や力による政治の選択ではなかったことに、少し明るい兆しを覚えたものです。そして願わくば経済状況をよく見極めた上での、財務官僚主導ではない増税論議を図ってもらいたいと思います。またその慕われている人間性から、いかに脱とか反ではない党内融和を図れるかがポイントでしょうね。