会長の”三行日記”

2011.08.01

被災地・石巻を訪ねて No.2050

しばらくお休みしていたカキコミをどうぞご容赦下さい。先週月曜日から東北被災地の1つである仙台と石巻に行ってまいりました。
 
3.11の大震災以来、できれば早く行きたいと願っていたのですが、なかなか1週間近く会社を空けることが適わず、4ヶ月以上経ってからようやく実現したのです。
 
現地にはたった一人で乗り込みました。と言っても、ボランティアに関するいろいろな準備については、既に5~6回以上その支援で出掛けている先輩から、貴重な情報を教えていただいてはいました。
 
そして事前に調べた限りでは、どちらのVC(ボランティアセンタ-)も個人では受け付けず、団体のみと知ったことから、現地にいる中小企業家同友会の仲間の方のお世話で、石巻にある水産飼料会社を紹介していただきました。
 
この会社で生産される銀鮭の飼料などは、日本で25%ものシェアを持つと聞きました。しかし写真でも紹介するとおり、石巻の沿岸部に位置するため、6mを超す津波の被害で工場の生産設備は壊滅状態となってしまいました。

    

震災以後、向かいの缶詰工場などとは違って、ボランティアなどの応援が一切なく、自社の作業員のみの力によることから、一面覆い尽くされたヘドロや瓦礫の掻き出しの整理に、2ヶ月近く掛かったと言われます。
 
そしてようやく復旧に向け、現在は工場内にある生産設備の修復や掃除が始まったところのようでした。そんな中、私に依頼を受けたのは、元々この飼料の加工運搬に使われている、コンベヤに付属の半円筒形状の容器の清掃です。
 
この容器が写真のように、いっぱいあるわけで、元々魚の飼料の生産設備ですから、その油かすなどが容器の周辺にこびりついているのですが、それに津波によるヘドロが加わっているわけです。

     

その関係からか、薬品を入れた槽にこの容器を漬けてあるとはいえ、なかなか汚れが取れにくくなっているのです。そして魚関係ですから当然それなりの臭いもするし、それに誘われてかハエも纏わり付いてきます。
 
でも不思議ですね、そうした単純作業で、お世辞にも良い環境とは言えない作業でしたが、一度も嫌でたまらないと思うことはありませんでした。
 
それはまた後でも紹介したいと思っている、あまりにも壮絶な被災地の状況をこの目にしたことや、被災者の方々がそれでもあきらめず、何とか頑張っている前向きの姿を眺めたからではないかと思います。
 
それに会社で一緒に働いている方々からも「秋山さん、休み休みやって下さい」などと、始終気遣って言葉を掛けていただきました。そうしたことが気持ちよくやれたことに繋がっています。
 
聞くと社員の方々の中には、犠牲になった人はいないということでしたが、その家族や親戚となると、そうばかりとは言えない、酷い状況とのことです。
 
それにもかかわらず、単なる自己満足の手伝いに過ぎない私などを、温かく迎え入れてくれたのは、やはり東北人特有の優しさと人の良さではないでしょうか。やはり本当に行ってみてよかったと、自分自身、少なくない学びと感じたことをこの先、何回かに分けて紹介させて頂きます。