会長の”三行日記”

2011年07月

2011.07.05

新鋭の活躍 No.2039

今朝の天声人語にうまいことが書かれていました。タイで新しく誕生すると思われる、旧首相であったタクシン氏の妹、インラック氏について触れたものですが、依然として対立が続く赤いタクシン派と、黄色の反タクシン派の争いについて、タイの僧の言葉を紹介していました。
 
地獄と極楽をこのように説明していました。どちらにもご馳走(ちそう)があって、腕より長い箸(はし)が置いてある。地獄では自分で食べようとするが、箸が長すぎて口に入らず、争いだけで終わってしまう。一方、極楽では、自分の箸で人の口に入れてあげる。互いにそうするので誰でもたっぷり食べられる。
 
うまいことを言うものです。さてテニスのウィンブルドン大会の男女決勝を、土日の2日間に掛けて、久しぶりにテレビ観戦しました。
 
土曜日の女子決勝は、7年ぶりの優勝をめざすロシアのシャラポワと、第8シ-ドから勝ち抜いたチェコのクビトバとの戦いでした。どちらも身長は180cm以上の大型プレイヤ-同士の対戦です。
 
結果は6-3、6-4でクビトバが初優勝を飾りましたが、サウスポ-から繰り出されるサ-ブには力強いものがありました。また随所にクビトバの左打ちの利点が生かされていたように思えます。
 
一方のシャラポワはやはりサ-ブの差でしょうか、何回かダブルフォ-ルトを繰り返していて、いまいちリズムに乗れず自分のペ-スに持ち込めれなかったように思えます。それにしても、ゲ-ムとはあまり関係ありませんが、二人とも大層な美人ですね。
 
一般人から眺めれば、抜群の運動神経と、見目麗しき容貌を兼ね備えていることは何とも羨ましいことでしょうね。それから次の日曜の晩には、今度は男子の決勝を眺めました。
 
これもセルビアのジョコビッチが第1シ-ドのスペインのナダルを下し、初優勝を飾りました。男子の試合というと、サ-ブのスピ-ドがすこぶる速いだけに、ラリ-の応酬があまりないと思っていましたが、この試合に関しては見応えのあるラリ-で、魅了させられたものです。
 
このいずれの試合についても、素人の私から見ても、クビドバとジョコビッチが勝つだろうと、最初から予想できたものです。ジョコビッチは第3セットが少しミスが目立ったものの、それ以外は的確なリタ-ンや相手の攻撃を予想してのコ-ス読みなど、完璧な動きをしていたように思えます。
 
またシャラポワに関しては上記で触れたとおり、自らのサ-ブで自滅したような形だったからです。こうして、11年間で9度もこの大会を制してきたウィリアムズ姉妹、また8年連続でフェデラーかナダルのどちらかが優勝してきた、これまでの男女2強時代にようやく終止符が打たれたかもしれません。
 
やはり新しい強い人が出てくると楽しいものです。日本の女子でもこの大会、3回戦まで進出した20歳の新鋭・土居美咲さんなど、今後の大きな飛躍が期待されるものです。ゴルフ同様、いつの日か、あのウィンブルドンのセンタ-コ-トにも日の丸がはためくことを願っています。

2011.07.04

土日操業 No.2038

いよいよ先週末の土曜日から、夏の節電対策として自動車業界が導入した工場の「土日操業」が始まりました。これは政府が37年ぶりに発動した電力使用制限令によるもので、日産、ホンダなど大手メ-カ-8社がその操業を開始したものです。
 
その制限令は昨夏比15%の節電を義務付けたものですが、最大手のトヨタは6月30日に操業した為、2日は休んで3日からの操業だったと言います。
 
この自動車関連といえば部品会社なども含まれるわけですから、土日に出勤しなければいけない人たちの数は併せて60万人にも上ると言います。なかなか大変な数ですね。
 
影響すると考えられるのが、まず共稼ぎの世帯など、子どもを預け入れる保育所の問題です。平日でしたら保育所もやっているでしょうが、土日といったら、休みのところが多いはずです。
 
朝のテレビによると、1万6000人が働く広島の東洋工業など、町全体の雇用が大きい企業の場合は、臨時に保育所は土日でも子どもの受け入れを始めたようです。
 
でもこういった所ばかりではないでしょうから、預け入れで悩む人も少なくないのではないでしょうか。それからこうした工場の周囲に位置する、飲食店やいろいろなお店にも影響が出てきます。
 
この工場の休みに営業を合わせているでしょうから、当然、シフトしなければいけなくなるものと思われます。また、子どもの休日に家にいないわけですから、家族サ-ビスで何処かに出掛けるということも、なかなか難しくなるのではないでしょうか。
 
一方では少し潤いを見せ始めたのがゴルフ場です。土日の高いプレ-費を払わなくても、安い平日に行くことができるからです。聞くと、愛知県や我が県の浜松や磐田近辺のゴルフ場では、木金の2日間が予約でかなり埋まっているそうです。
 
思わぬ波及効果でしょうね。こうした企業努力により、やはりテレビが伝えるところによると、平日の1日は10%以上節電ができているそうです。但し、本来の休日であった土日の2,3日はいつもより電力量が上昇したとのことです。
 
要は皆が集中しなければよいわけで、以前にも触れたとおり、目的はピ-ク電力を抑えることにあります。こうした節電の意味を踏まえて、必要最低限の電気まで抑えることなく、この暑い夏を何とか乗り切りたいと思っています。

2011.07.01

往生際 No.2037

いよいよ今日から7月です。1年のうち、もう半分が過ぎ去ったわけです。ここ数日は暑い日が続いており、梅雨も明けたような気がしますが、週末は崩れるという予報もあり、何とも判断ができません。各地で頻発している熱中症にはくれぐれもご注意いただきたいと思います。
 
さて、往生際の良さとか悪さという言葉があります。死に際とか、ぎりぎりまで追い詰められたときの態度を問われているものです。今の我が国の首相がまさに、ぴったり当てはまる言葉ではないかと思われます。
 
目途がついたら辞めると、一旦は口に出したものの、なかなかそれが具体的にいつなのか、はっきりしません。そのため、すったもんだしている国会では、ようやく70日間の延長を決めたものの、自民党議員の政務官への1本釣りなどがあって、依然としてその混沌が収まりません。
 
でも考えてみると、この菅さん、元々長いこと野党の中にあり、舌鋒鋭く追求する側の立場として知られていて、この人がまさか日本国総理になるなど、ほとんどの人間同様、ご本人でも考えていなかったのではないかと思われます。
 
それだけにまさかでも、苦労して掴んだ総理の座は、人一倍固執して、離したくないのかもしれません。そう考えると同じ民主党の中からも批判が出るくらい、見苦しい現在であっても、なかなか、まだまだしぶといかもしれません。
 
自民党の浜田和幸氏を政務官に引き抜いたのも、国民新党の亀井さんに言わせれば、首相が退陣の条件に掲げた再生可能エネルギー特別措置法案の成立をにらんだものだったようです。
 
社民、共産の賛成を当て込み、それに民主党、国民新党、与党系無所属の票を足しても、過半数の121人に1人足りず、この1票差を浜田氏で埋めたかったのではないかと言われています。
 
こうしてこの再生可能エネルギー特別措置法案や、第二次補正予算、特例公債法案の成立を退陣の条件として掲げているのですが、いつになることやら、空転国会の状況や被災地の依然として進んでいない復旧・復興対策を眺めていると、全く国民不在と言ってよいものと思えます。
 
全く政治がだらしないとも言えるわけです。もっとも菅さんが辞めても、あまり事態は大きく転換しないものでしょうが、少なくとも今の鬱積したム-ドは変わるというものです。
 
とにかく首相だけが持っている衆議院の解散など、ちらつかせることなく、潔く早期退陣を図った方が良いと思います。日本にはまた引き際の良さという、素晴らしい言葉もあります。
 
一昨日には秘書官らを連れ、飲食店を3軒はしごしたという、まだまだ意気軒昂に見える菅首相なのですが、しっかりと周囲の空気を読み、未練をきっぱりと断ち切った方が潔いというものです。