会長の”三行日記”

2011.07.12

なでしこJAPANのアッパレな勝利 No.2044

なでしこJAPAN、歴史的とも言える、アッパレな勝利でした。ご存知のとおり、サッカ-女子ワ-ルドカップドイツ大会で、日本が優勝候補と言われていた、強豪・ドイツを延長戦の上、1-0で下しました。
 
この試合、あとで録画をテレビで観戦させてもらいましたが、こちらの予想以上に、ドイツに対しボ-ルの支配率が高かったように思えます。
 
感心したのは日本男子同様、繋ぎのパスが見事に機能していたように見えたことです。女子だからと言って馬鹿にしていたわけではないのですが、やはりワ-ルドカップ代表ともなると違うものですね。
 
日本のお得意の速いパスが見事に繋がっていて、大柄なドイツの動きが緩慢に見えていたくらいです。でも体があまりにも違うせいか、競り合いや体を当てられると小さな日本は吹っ飛んでしまい、見ていても可哀想なくらいでした。
 
それでも少しも相手の当たりを怖れず、勇気あふれる積極的なプレ-していたことが、好結果をもたらしたのではないでしょうか。最終的にはキャプテン・沢選手の絶妙なアシストを、途中出場の馬力のある、丸山桂里奈選手が角度のない難しいゴ-ルを決めて決勝点としました。
 
この沢選手のことが今朝の天声人語にも書かれていました。その名前は沢穂希(ほまれ)さんと言い、父親が豊作を願って付けたと言います。今年32歳になり、15歳で代表入りして既に17年プレ-し続けていることになります。
 
その間、2008年の北京五輪3位決定戦ではこのドイツに0-2で屈し、W杯と五輪初メダルを阻止されました。そして挑んだこの大会、地元のドイツだけに大観衆を相手に完全アウェ-の試合です。それだけにこの勝利は感慨ひとしおでしょうね。
 
そして、試合開始4時間前に選手は一室に集まり、スタッフが編集したある映像を眺めたそうです。映し出されたのは発生から4カ月となる東日本大震災の被災地です。
 
そのエンディングには『自分たちに今、できることは何だろう』との字幕が刻まれていて、だれもが涙を浮かべたそうです。そしてそうした願いを込め、耐え忍んだ結果が、過去8回1度も勝てなかったドイツ戦の大きな勝利に繋がったのでしょう。
 
本当にアッパレだったと思います。こうなれば、続くスウェ-デン戦にも勝利を挙げ、是非決勝まで進んでもらいたいものです。今、日本が大変なことになっているだけに、このなでしこJAPANの勝利は、日本中の人々に大きな勇気をもたらしたものと思います。
 
本当に苦しい時は被災した方々のことを思って踏ん張れ」と監督は選手に話し掛けたそうです。言い換えれば、大きな苦難を強いられている被災地の方々への、日本中からの強い思いが大きな力になったかもしれません。