会長の”三行日記”
2011.07.01
往生際 No.2037
いよいよ今日から7月です。1年のうち、もう半分が過ぎ去ったわけです。ここ数日は暑い日が続いており、梅雨も明けたような気がしますが、週末は崩れるという予報もあり、何とも判断ができません。各地で頻発している熱中症にはくれぐれもご注意いただきたいと思います。
さて、往生際の良さとか悪さという言葉があります。死に際とか、ぎりぎりまで追い詰められたときの態度を問われているものです。今の我が国の首相がまさに、ぴったり当てはまる言葉ではないかと思われます。
目途がついたら辞めると、一旦は口に出したものの、なかなかそれが具体的にいつなのか、はっきりしません。そのため、すったもんだしている国会では、ようやく70日間の延長を決めたものの、自民党議員の政務官への1本釣りなどがあって、依然としてその混沌が収まりません。
でも考えてみると、この菅さん、元々長いこと野党の中にあり、舌鋒鋭く追求する側の立場として知られていて、この人がまさか日本国総理になるなど、ほとんどの人間同様、ご本人でも考えていなかったのではないかと思われます。
それだけにまさかでも、苦労して掴んだ総理の座は、人一倍固執して、離したくないのかもしれません。そう考えると同じ民主党の中からも批判が出るくらい、見苦しい現在であっても、なかなか、まだまだしぶといかもしれません。
自民党の浜田和幸氏を政務官に引き抜いたのも、国民新党の亀井さんに言わせれば、首相が退陣の条件に掲げた再生可能エネルギー特別措置法案の成立をにらんだものだったようです。
社民、共産の賛成を当て込み、それに民主党、国民新党、与党系無所属の票を足しても、過半数の121人に1人足りず、この1票差を浜田氏で埋めたかったのではないかと言われています。
こうしてこの再生可能エネルギー特別措置法案や、第二次補正予算、特例公債法案の成立を退陣の条件として掲げているのですが、いつになることやら、空転国会の状況や被災地の依然として進んでいない復旧・復興対策を眺めていると、全く国民不在と言ってよいものと思えます。
全く政治がだらしないとも言えるわけです。もっとも菅さんが辞めても、あまり事態は大きく転換しないものでしょうが、少なくとも今の鬱積したム-ドは変わるというものです。
とにかく首相だけが持っている衆議院の解散など、ちらつかせることなく、潔く早期退陣を図った方が良いと思います。日本にはまた引き際の良さという、素晴らしい言葉もあります。
一昨日には秘書官らを連れ、飲食店を3軒はしごしたという、まだまだ意気軒昂に見える菅首相なのですが、しっかりと周囲の空気を読み、未練をきっぱりと断ち切った方が潔いというものです。