会長の”三行日記”

2011年06月

2011.06.15

坂本光司先生講演からその3 No.2026

実践例として、実際に地域から愛される会社をいくつか紹介してみたいと思います。坂本先生の著書「日本で一番大切にしたい会社」とダブるかもしれませんが、やはり愛されている会社はどこか違うものです。
 
まず35もの審査項目をクリヤ-し、日本で一番大切にしたい大賞で100点満点中、99点と堂々の1位が岐阜にある未来工業です。何と800名の社員全員が正社員と言います。また創業以来、46年間赤字なしで一番の低利益率でも5%と聞きます。
 
そして過去10年間で、定年等以外での離職者は全くいません。その定年年齢も70歳で、給与ピ-クが60歳でそれ以後は横ばいだと言われます。また極め付きは年間143日もある休日です。5年に1回は社員全員が海外旅行に行き、4/1入社時から有給休暇が40日もあるという会社です。
 
過日の新聞でも、この素晴らしい会社を紹介していた記事が目に触れました。1日の労働時間は7時間15分、しかも残業は原則禁止です。日本人の律儀さを信じ、ノルマを課さず、制服や作業着もなく、社員の自主性とやる気に最大現任せているというものです。
 
ですから、社長が作ってくれと望んでも、組合もできない会社です。社員の家族の誕生日にまでケ-キを贈り、有名なのはちょっとしたアイディアでも奨励金を支給する社内提案制度です。
 
この制度により、年間の意匠登録件数は、名だたる大企業と肩を並べるほどだと言われています。私もかつてこの会社を見学させてもらえる機会があり、目にしたのは工場中の至るところに掲げられているスロ-ガンです。
 
常に考える」「Always thinking」という言葉を見つけたものです。現在は相談役になっている、実質の創業者でもある山田昭男さんは次のように語っています。
 
休みを与えれば、社員が感動する。また創意工夫して頑張ってくれる」社員の会社行事への参加率は極めて高いと言われます。それだけ会社への社員の心を表わしているのではないでしょうか。
 
山田さんはこの会社を立ち上げる前、劇団を主宰していたと聞きます。やはりそうした斬新なアイディアの持ち主なのでしょう。先の紹介の新聞にも、創業45周年を記念した今年7月の旅行はマレ-シアに行くと載っていました。
 
この行き先である現地でクイズを出し、全問正解した社員には実質1年の休暇が与えられるそうです。何ともユニ-クでモチベ-ションが高められる話ではないでしょうか。やはり人という要素は企業にとって、一番大きいものです。
 
紹介はたった1社だけで終わってしまいましたが、まだまだその他にも素晴らしい会社はあります。また次回紹介させていただきます。
 
明日16日は所用で1日、私は会社を休みますので、カキコミを休まさせていただきます。

2011.06.14

「被災地で何が起こっているのか」報告会より No.2025

一昨日の日曜日の午後、沼津大好き塾という、地元の市会議員が主催する、「被災地で何が起こっているのか」という報告会に出席してまいりました。
 
まず最初に、ここで報告していただいた、三島市会議員の古長谷稔さんという、素晴らしい方を紹介させて下さい。古長谷さんは現在39歳、今年4月に行われた三島市会議員選挙においてはトップ当選を果たした方です。
 
そして現在首相補佐官を務める、民主党・細野豪志議員の以前、公設秘書を務めた方でもありますが、原発停止運動を進める中、細野議員に迷惑が掛かるのを恐れ、自主的に退いたという経歴の持ち主です。
 
こうした経歴やトップ当選うんぬんと聞くと、どっぷりと政治色に浸かっている方かと思われるかもしれませんが、実態は全然違っていて、今回の4月の選挙にしても、震災直後の16日から合計8回に亘る被災地支援で現地に乗り込んでいて、選挙運動など行うことができなかったと聞きます。
 
ご本人の話では、こうした非常事態だから選挙など、とても行なえる状況ではないという判断から、直ちに自分ができることをいうことで動き出したそうです。
 
また2006年に出版した著書「放射能で首都圏消滅」の作者でもありますが、出版当時、人々から見向きもされなかったものが、ここにきて現実に起こっており、俄然注目を集めているとのことです。
 
全体的な話の核としては、著書でも示されているとおり、東海地震が叫ばれている中、一番危険な場所に位置する浜岡原発を何としてでも稼動停止にしなければいけないと訴えていました。
 
現在、浜岡原発は首相の指示により運転は停止したものの、いつでも再稼動できる状態にあります。従って今のような状態では、東日本大地震のような震災に襲われた場合、全く福島と同じ事態を生ずると言われるのです。
 
運転は停止しても圧力容器の中の燃料棒はそのままです。ですから必要なことは原子炉を廃炉にしなくても、圧力容器の中から燃料棒を取り出し、使用済みの燃料プ-ルを作ることが、高さ何mの防潮堤を作ることなどより、何よりも優先しなければいけないと述べていました。
 
また著書を読んだ上で、必要なことは追って紹介していきたいと思っていますが、浜岡原発は起こると想定されている直下型地震であることや、プレ-トの境界で起こっていないのはここだけという事情や、極端に弱い地盤の条件など、重ね合わせれば他に位置する原発とは全く違うということです。
 
こうした古長谷さんの真摯な取り組みを知った以上、その必要性を一人でも多くの人たちに伝えていかなければいけない使命を感じたのは、決して私一人ではなかったものと確信しています。

2011.06.13

ちょっと良い話part78 No.2024

東日本大震災の影響で、就職内定を取り消された福島県の若者が、遠く離れた滋賀県で新たな職場を見つけ、第2の人生を歩き始めた(&という、勇気をもらえる、ちょっと良い話を紹介します。
 
今春高校を卒業したばかりの18歳で、正式採用を目指して実習に励んでいる。夢をあきらめない懸命な姿勢に支援の輪が広がっている。

野洲市のビジネスホテル「セントラルホテル野洲」で実習中の西坂隼人さん。福島県の温泉旅館に就職を予定していたが3月11日に地震で損壊し、閉鎖が決まった。だが、西坂さんは内定を失ってからもホテルで働くことにこだわり続けた。

西坂さんから相談を受けた高校の就職支援員が兄に話をしたところ、兄の親友にホテルの支配人がいることが分かった。兄弟から就職支援の依頼を受けたのが、同ホテルの川口廣治支配人だった。

川口支配人がホテルの経営会社と相談したうえで面接に応じることが決まると、西坂さんは母と妹を置いて宿泊先も決めずに深夜の高速バスに乗り込んだ。4月14日の面接では「お客さんに喜んでもらえる仕事がしたい」との思いを訴えて合格し、翌日から半年間の実習が始まった。

現在はフロント業務や客室清掃などに励む日々で、「地元から離れることになったが、滋賀県ですばらしい人たちと出会えた自分はラッキーだと思う。このチャンスを生かして一日も早く職場で必要とされる人材になりたい」と決意を新たにする。

実習をめぐっては、県中小企業団体中央会が支援に動いた。実習経費などを助成する国の新卒者就職応援プロジェクトを適用し、正式採用を後押ししている。

これまでに同プロジェクトを通じて被災地から求職者を受け入れた県内企業は2社で、同中央会は「被災地を支援するため県や関連機関と連携して引き続き就職支援に取り組みたい」という。

 
3重苦とか4重苦とも言われている福島の人たちです。一向に原発は収束の気配すら見せていないことから、避難されている方々にとっては、いつ終わるとも思えない耐乏生活を強いられていて、全く慰めの言葉もないほどです。
 
そんな中、一人の若者が決まっていた勤め先が地震により損壊し、存続できなくなったという、全く思いもしなかったアクシデントにもめげず、自分の夢を貫いたという話です。手放しで祝福してやりたいお話です。
 
木、金の2日間、参加した静岡での同友会女性経営者全国交流会でも、懇親会の冒頭で、被災地から参加した岩手、宮城、福島の会員からも現状報告がありました。
 
それまでは600名を超える参加者ゆえ、少しざわついていた会場が、報告が始まった途端、水を打ったようにシ-ンとなり、その報告に耳を傾けたものです。またそんな大変状況の中、駆けつけてくれた会員の方々に対しても、感謝と激励の大きな拍手が鳴り止まなかったほどです。
 
でも私たちにできる支援は、とてもちっぽけなものです。それだけに同じような状況にいる若者はじめ、窮地に立たされている人たちに対して、政府と行政による、早急な支援が求められているものです。
 
とにかくあの日から3ヶ月経っても、何も変わらないのではあまりにもお粗末過ぎるというものです。つまらない政党間の駆け引きなど早急にやめ、政治家は被災地復旧に全力を尽くすべきです。

2011.06.08

ガソリン節約のコツ No.2023

エコドライブ通信から頂いた情報です。最近は少し下がってきましたが、ガソリン価格が依然として安くはありません。従って少しでもその節約ができればと願っている人たちには、貴重な情報だと思われますのでお届けしたいと思います。
 
ガソリン節約のコツとしては、日頃のメンテナンスが大切だということです。このメンテナンスをこまめにすることにより、リッタ-当たり0.1~0.2kmの燃費が十分に節約になると伝えていますが、努力次第で効果はもっと上がるものではないでしょうか。
 
まず第一に空気圧チェックをこまめにすることです。空気圧なんて簡単に変わりはしないと思っているのは大間違いで、給油時に毎回チェックしてもらうとよいと言います。特にエアが少なかったりすると、負荷がそれだけ掛かるのでしょうね。
 
次にエア-クリ-ナ-を掃除することです。油汚れで目詰まりを起こしていると、エンジンの性能が落ちると言われます。車関係の消耗品で、燃費改善に最も効果があるのがこのエア-クリ-ナ-です。ですからこまめにチェックすることにより、全然燃費が違うと言うのです。
 
それから3番目として、ラジエ-タ液を定期的にチェックすることです。その交換の目安としては2年間で、ほとんどは車検のときに交換しているそうです。内部の腐食やエンジンの冷却効果の低下にも繋がるので、車検時でいいから交換されているか、チェックをしましょうと呼びかけています。
 
その次にはタイヤ交換で燃費をよくすることです。タイヤが転がるときの摩擦が少なければ、燃費は良くなるはずです。だが摩擦が少なくなれば雨の日にスリップしやすくなるわけで、この兼ね合いからタイヤ交換時、燃費についても注目したいと言っています。
 
そして最後にエンジンオイルをこまめに点検することを挙げています。車のエンジンオイルは人間で言えば血液に相当するとのことです。血液がドロドロになると、人間でも体調不良を招くと同じように、車のエンジンオイルも汚れていると危険ですし、燃費も悪くなると言われているのです。
 
やはり、ほんの少しの気遣いで燃費は改善されるものです。リッタ-150円としても、1リットル当たり10km走る車が11kmまで延びれば、満タンで50kmも走行距離が延びることになり、金額的には750円も節約できます。
 
そう考えると、満更どうでもいいと、いうことにはならないと思われます。節電が騒がれている電気同様、ガソリンも無駄にはできないものです。
 
明日9日から10日まで、同友会女性経営者全国交流会が地元・静岡で開催されます。お迎えする開催県である静岡同友会は、設営を含む、男女問わず330名を超える会員で参加することになりました。このため両日はカキコミを休ませていただきますので、どうぞご了承下さい。

2011.06.07

敵は悪臭 No.2022

津波の被災地が悪臭に悩まされているということを聞きました。港の近くにある加工工場から流れ出た大量の魚や、とても収拾しきれない生ゴミが原因だと言われます。
 
湾から1キロほど離れた宮城県気仙沼の田んぼには、腐ったサンマやサバが散乱していて、30分もいたら皆、帰ってしまうほどの臭いだそうです。
 
この三陸の一大漁業基地である気仙沼では、沿岸にあった多くの水産加工会社の冷凍や冷蔵庫などの施設が壊れ、多くの貯蔵品である魚が流れ出してしまいました。
 
この散乱している魚などを市は何とかしたいと思っているものの、広範囲に亘っていることから対策が追いつかないそうです。また市内90箇所にある冷凍・冷蔵施設には、約2万トンもの魚や加工品が残っていて、これが腐敗しているとのことです。
 
こうしたことが悪臭の原因となっているわけです。また岩手県宮古市では、腐り始めて悪臭を放つ魚を山中に埋めていて、まるで魚の土葬のようだとも言われているそうです。
 
また一方では、石巻などご存知のとおり、震災で地盤沈下し、潮が満ちてくると道路が冠水してしまいます。このため、今までは週2回来ていた収集車が入れなくなっている状態となっていて、住民からはその収集や悪臭についての苦情が多く寄せられ、トラブルにまでもなっていると言います。
 
また高校前の空き地には、瓦礫の山が3階ほどの高さになるまで積まれているそうです。このため、臭くて学校の窓を開けられず、野球部員などはマスクをして練習しているような状態だと聞きます。
 
こうした影響で、一部の人たちの間では、頭痛やのどの痛みなど身体への影響を及ぼす、体調不良まで出ている始末です。これでは被災者にとっては二重、三重の被害とも言えるわけです。
 
また季節はこれから夏に向かっていて、だんだん気温が上がると、こうしたゴミや動植物の散乱物の腐敗がどんどんと進むわけです。悪臭が心理的ストレスにもなるわけで、被災地の方々のイライラが一層募ることにもなります。
 
沼津の同友会の友人にも、被災地の冷蔵庫に預け入れていた魚や加工物がこうしたことで、また違った大変な被害を受けたとも聞いています。未曾有の大震災は、このように予期せぬ所まで大変な被害をもたらしています。
 
遅々として進まぬ政府の復興対策にはあきれて言葉もありませんが、こんな時だからこそ私たち国民がひとり一人力を合わせて、自分にできる長い支援と協力を考えていかなければいけないものと思っています。

2011.06.06

中村紀洋選手の最後のチャレンジ No.2021

先週の木曜日、金曜日、そして今日の月曜日と、会社の営業日立て続けに3日間、葬儀への列席がありました。野球部の先輩、同友会友人のお母さん、そしてお取引様のご母堂様と、亡くなられた方は様々でしたが、なぜか葬儀が出始めると続きがちになるものです。それぞれの方のご冥福をお祈り申し上げます。
 
さて、中村紀洋という選手をご存知の方はきっと多いものと思われます。米大リ-グのドジャ-スでもプレ-経験のある、この選手は、顔が見えないなと思っていたら、昨年暮れ、楽天球団から戦力外通告を受け、しばらくの間、日本プロ野球から離れていたのです。
 
その中村選手が先月末になって、やっと横浜球団と契約が結べたのです。でもその契約額を聞いて少しびっくりしました。何と1年契約で、推定年俸500万円プラス出来高と言うのです。
 
少し前までは、おそらく億という単位で年俸をもらっていた選手です。それこそ砕け散ったプライドというか、紹介していた記事の表現に依れば、プライドという形をとどめていない砂のようなものかもしれないと言うのです。
 
それでも野球をやりたいという思いが強いのでしょう。昨季限りで退団をしたときにも、育成枠でもいいから野球を続けたいと訴えていましたが、とうとう獲得する球団は現れませんでした。
 
まだ37歳、そのキャリアには華々しいものがあります。通算378本塁打、1823安打、そしてメジャ-での経験と聞けば、それでは本人のプライドが許さないと、引退をしてもおかしくない状況です。
 
そして何度もメスを入れている左手首はボロボロだと言われます。右打者に左手首の故障は致命傷にもなりかねません。こうした状況でも野球をやり続けることを諦めなかったのです。
 
かつての監督である、野村克也さんから贈られた言葉があるそうです。「高下在心」という言葉です。その意味は、「ものごとがうまく進むかどうかは、自分の心の中にある」ということです。
 
おそらくその手首同様、ボロボロとなったプライドで、プロ野球選手としての最後のご奉公となるものでしょう。また一度栄華を極めた選手だけに、こうした本人にとっては屈辱的状況からの再出発には、門外漢の私などでも、心から拍手を送り応援したくなるものです。
 
ご本人のコメントにもあるとおり、信じれば夢はいつか叶うものです。そして下位に低迷する横浜の戦力となって、もう一度注目される日が来るのを是非、願っています。

2011.06.03

70歳のパソコンの達人 No.2020

新聞に「母が70歳でパソコンの達人に」という、見習わなければいけない投稿がありました。ちょっと紹介させて下さい。
 
母が孫の誕生をきっかけにパソコンにはまっている。孫の成長を日々知りたいと、まずは父親である兄からメールで写真を送ってもらい始め、その保存や印刷の方法を覚えた。

そのうち写真を眺めるだけでは飽き足らなくなり、パソコンでアルバムを作り出した。すると、「写真の色や大きさを調整したい」「コメントを入力したい」「イラストも描きたい」などと次々に欲求が出てきたようで、パソコン講習会にも参加し、本格的に取り組んでいる。

母はもともと機械オンチだった。それが今では本棚にパソコン関係の本がずらりと並び、周囲が驚くほどの腕前だ。人はいくつになっても成長できるのだろう。いま母は「70歳にして新芽が出た気分だ」と話し、生き生きしている。

 
70の手習いですか、素晴らしいですね。私はそれより歳が下ですが、やれアイフォンとかアイパッドなどと言われている、様々な昨今の新鋭機器に少しついていけなくなってしまっています。
 
そして仕事上でもネットで拡販をと考えているのですが、一向にもう一歩踏み出せずにいる始末です。でも大切なのはいっぺんにあれもこれもと思うより、少しずつでもいいから段階的に踏み出していくことではないかと考えます。
 
前記紹介した70歳の達人も、必要に迫られて少しずつ習得していった結果が、娘さんにそこまで言われるようなことになっていったと思われます。ですから大切なのはまず一歩踏み出していくことだと思います。
 
小豆島に住む、家内の父も80を過ぎているにもかかわらず、やはり上記の方同様、PCで写真の編集とかメ-ルのやりとりまで行っています。前向きで意欲旺盛な方ですから、他にも好きな絵画等、PCに限ったものでもないのですが、その姿勢には頭が下がります。
 
もし自分がその歳になったらと思うと、なかなかそこまでの自信がありません。よく人生は死ぬまで勉強だと言われています。それだけに、もうこのへんでいいだろうなどと、へんにその歳に委ねて妥協するような生き方は慎まなければいけないと、自戒させられた投稿でもありました。

2011.06.02

日本人ってすごい No.2019

とうとう内閣不信任案が提出されました。この自公中心の不信任案に、民主党の小沢さんグル-プや鳩山さんなど60人あまりが賛成すると言われます。菅総理の資質はともかくとして、政治家が今そんなことをやっている場合ではないと思うのですが、どうでしょうか。
 
原発問題や、東北で未だに避難所暮らしを強いられている被災者のことはどうなるのでしょうか。もし可決でもされたら衆院解散となる見込みです。そうなれば当然、政治空白が生まれ、被災者のことなど、もっと放って置かれることになるわけです。
 
今の政治家はこれだから国民に信頼がないのです。自民、公明にしたって党利党略が先に立ち、復興問題のまずさなど口にはしているものの、その代案すら出していない状態で、単なる災害に便乗して自分達の都合しか考えていないようにも思えるものです。
 
また一方では民主党内の不穏な動きにしたって、離党して新党形成とか、もっと正々堂々と戦えばよいと思うのですが、表に出て来れない人の画策による、姑息の手段のように思えてなりません。もっと日本を大所高所から眺めることのできる、大モノ政治家の出現を待ち望みたいものです。
 
あまりにも政治がだらしないので、ついつい前置きが長くなってしまいました。こうしただらしない政治家に比べ、「日本人ってすごい」ということがこの大災害を機に世界で語られているとのことです。
 
先日の屋山太郎さんの講演でも述べられていました。アメリカのある人が、日本人は人類の誇り(理想)とまで称賛しているそうです。震災直後、救援物資の配給に駆けつけたアメリカの兵隊がまず驚いたそうです。
 
アメリカやその他の国でこうしたことがあると、まず配給された食糧の奪い合いになるとのことです。それが日本の被災地では一列に整然と並び、渡された食糧を手渡しまでして後の人に送っている姿が、そこにはあったからです。
 
この根底にはやはり武士道の精神があるからではないかと言われていました。また恥の文化というものが日本にはあるからです。自然災害とはいえ、何もかもこうして失った被災地の姿を見れば茫然自失にもなります。
 
それはあの戦争で全てを失った時以来です。一方では今回の災害ほど、被災してない多くの日本人までが、まるで自分のことのように受け止めていることもないと言われます。そうした日本人としての一体感は戦後初とも言えるのではないでしょうか。
 
石原都知事は天罰とか言って、その表現を間違えてしまいましたが、多分言いたかったのは、多くの日本人が自分さえ良ければいいと勝手に生きて来た今までを、見直す良い機会ではないかということでしょう。
 
終戦直後、全てを失った、ある親父さんはこう一言述べたそうです。「やり直すしか、ないだろう」。そして忘れていた日本人として誇れる、思いやりとか優しい心を取り戻す、絶好の機会とも言えるのではないでしょうか。

2011.06.01

坂本光司先生講演からその2 No.2018

もう6月になってしまいました。今年は梅雨入りも早いみたいで、場違いな台風が数日前、やってくる始末です。東北地方の被災地への影響が気になるところですが、潮が満ちてくるたびに冠水している石巻など、何とか早い復興ができないものかと願っているものです。
 
先日少し紹介した坂本先生の講演の続きをお話ししたいと思います。演題の地域に愛される会社とは次の要素を満たしているそうです。第1に社員とその家族を大切にしている会社です。
 
よく社員の誕生日にケ-キや切り花を贈っているのはめずらしくはありませんが、その家族の誕生日まで贈られている会社もあると聞きます。また次には社外社員とその家族を大切にしている会社です。
 
不況になったりすると、真っ先に手を付けたくなるのが外注先や納入先です。従ってコストダウンなどがすぐ要求されがちです。しかしこれでは真の協力業者となるわけがありません。そもそも外注先に依頼されるのは、その会社では納期とか加工が大変で面倒なものが多いわけです。
 
ですから喜びも悲しみも苦しみも共に分かち合う関係なのですが、大変なことだけ押し付けるような、誰かの犠牲により成り立っているのは正しい姿ではありません。それでは「今に見ておれ」といった、信頼協調関係が長続きできなくなるわけです。
 
それから第3に顧客に正しく接していることが挙げられます。ここにA,B.Cという3つの商品が販売されていたとします。Aはその会社が強く販売を推し進めている品物で、Cという品になると利益があまり出ないので会社はその販売を薦めません。
 
でも顧客の中には、Cの商品の方が向いているという所だってあるわけです。Cの方が幸せになるというのに、成果主義でAの販売を促進しているような内部問題が、逆に売上高を下げていることもあるわけです。
 
こうした会社の販売戦略に、嘘を言う、こうした仕事に疲れ果てたという社員が出てくるはずです。従ってお客との良好な関係を長続きさせたいなら、目の前にいるお客にとって、一番良いことを差し上げなさいと説いています。
 
この他にも4番目として、障がい者や地域住民のことをよく考慮していることを挙げていました。具体的にそれらを実践している、素晴らしい会社をいくつか紹介していましたが、また次回触れさせていただきます。
 
いつもこの坂本先生の講演をお聴きする度に、元気をもらえます。良いと解っていても、なかなか実践に踏み切らなければいつまで経っても会社は変わりません。いわゆる、茹でガエル状態になっている会社は少なくないと言います。弊社にしたって、耳の痛くなる話です。