会長の”三行日記”
2011.06.13
ちょっと良い話part78 No.2024
東日本大震災の影響で、就職内定を取り消された福島県の若者が、遠く離れた滋賀県で新たな職場を見つけ、第2の人生を歩き始めた(&という、勇気をもらえる、ちょっと良い話を紹介します。
今春高校を卒業したばかりの18歳で、正式採用を目指して実習に励んでいる。夢をあきらめない懸命な姿勢に支援の輪が広がっている。
野洲市のビジネスホテル「セントラルホテル野洲」で実習中の西坂隼人さん。福島県の温泉旅館に就職を予定していたが3月11日に地震で損壊し、閉鎖が決まった。だが、西坂さんは内定を失ってからもホテルで働くことにこだわり続けた。
西坂さんから相談を受けた高校の就職支援員が兄に話をしたところ、兄の親友にホテルの支配人がいることが分かった。兄弟から就職支援の依頼を受けたのが、同ホテルの川口廣治支配人だった。
川口支配人がホテルの経営会社と相談したうえで面接に応じることが決まると、西坂さんは母と妹を置いて宿泊先も決めずに深夜の高速バスに乗り込んだ。4月14日の面接では「お客さんに喜んでもらえる仕事がしたい」との思いを訴えて合格し、翌日から半年間の実習が始まった。
現在はフロント業務や客室清掃などに励む日々で、「地元から離れることになったが、滋賀県ですばらしい人たちと出会えた自分はラッキーだと思う。このチャンスを生かして一日も早く職場で必要とされる人材になりたい」と決意を新たにする。
実習をめぐっては、県中小企業団体中央会が支援に動いた。実習経費などを助成する国の新卒者就職応援プロジェクトを適用し、正式採用を後押ししている。
これまでに同プロジェクトを通じて被災地から求職者を受け入れた県内企業は2社で、同中央会は「被災地を支援するため県や関連機関と連携して引き続き就職支援に取り組みたい」という。
3重苦とか4重苦とも言われている福島の人たちです。一向に原発は収束の気配すら見せていないことから、避難されている方々にとっては、いつ終わるとも思えない耐乏生活を強いられていて、全く慰めの言葉もないほどです。
そんな中、一人の若者が決まっていた勤め先が地震により損壊し、存続できなくなったという、全く思いもしなかったアクシデントにもめげず、自分の夢を貫いたという話です。手放しで祝福してやりたいお話です。
木、金の2日間、参加した静岡での同友会女性経営者全国交流会でも、懇親会の冒頭で、被災地から参加した岩手、宮城、福島の会員からも現状報告がありました。
それまでは600名を超える参加者ゆえ、少しざわついていた会場が、報告が始まった途端、水を打ったようにシ-ンとなり、その報告に耳を傾けたものです。またそんな大変状況の中、駆けつけてくれた会員の方々に対しても、感謝と激励の大きな拍手が鳴り止まなかったほどです。
でも私たちにできる支援は、とてもちっぽけなものです。それだけに同じような状況にいる若者はじめ、窮地に立たされている人たちに対して、政府と行政による、早急な支援が求められているものです。
とにかくあの日から3ヶ月経っても、何も変わらないのではあまりにもお粗末過ぎるというものです。つまらない政党間の駆け引きなど早急にやめ、政治家は被災地復旧に全力を尽くすべきです。