会長の”三行日記”
2011.06.06
中村紀洋選手の最後のチャレンジ No.2021
先週の木曜日、金曜日、そして今日の月曜日と、会社の営業日立て続けに3日間、葬儀への列席がありました。野球部の先輩、同友会友人のお母さん、そしてお取引様のご母堂様と、亡くなられた方は様々でしたが、なぜか葬儀が出始めると続きがちになるものです。それぞれの方のご冥福をお祈り申し上げます。
さて、中村紀洋という選手をご存知の方はきっと多いものと思われます。米大リ-グのドジャ-スでもプレ-経験のある、この選手は、顔が見えないなと思っていたら、昨年暮れ、楽天球団から戦力外通告を受け、しばらくの間、日本プロ野球から離れていたのです。
その中村選手が先月末になって、やっと横浜球団と契約が結べたのです。でもその契約額を聞いて少しびっくりしました。何と1年契約で、推定年俸500万円プラス出来高と言うのです。
少し前までは、おそらく億という単位で年俸をもらっていた選手です。それこそ砕け散ったプライドというか、紹介していた記事の表現に依れば、プライドという形をとどめていない砂のようなものかもしれないと言うのです。
それでも野球をやりたいという思いが強いのでしょう。昨季限りで退団をしたときにも、育成枠でもいいから野球を続けたいと訴えていましたが、とうとう獲得する球団は現れませんでした。
まだ37歳、そのキャリアには華々しいものがあります。通算378本塁打、1823安打、そしてメジャ-での経験と聞けば、それでは本人のプライドが許さないと、引退をしてもおかしくない状況です。
そして何度もメスを入れている左手首はボロボロだと言われます。右打者に左手首の故障は致命傷にもなりかねません。こうした状況でも野球をやり続けることを諦めなかったのです。
かつての監督である、野村克也さんから贈られた言葉があるそうです。「高下在心」という言葉です。その意味は、「ものごとがうまく進むかどうかは、自分の心の中にある」ということです。
おそらくその手首同様、ボロボロとなったプライドで、プロ野球選手としての最後のご奉公となるものでしょう。また一度栄華を極めた選手だけに、こうした本人にとっては屈辱的状況からの再出発には、門外漢の私などでも、心から拍手を送り応援したくなるものです。
ご本人のコメントにもあるとおり、信じれば夢はいつか叶うものです。そして下位に低迷する横浜の戦力となって、もう一度注目される日が来るのを是非、願っています。