会長の”三行日記”
2011.06.02
日本人ってすごい No.2019
とうとう内閣不信任案が提出されました。この自公中心の不信任案に、民主党の小沢さんグル-プや鳩山さんなど60人あまりが賛成すると言われます。菅総理の資質はともかくとして、政治家が今そんなことをやっている場合ではないと思うのですが、どうでしょうか。
原発問題や、東北で未だに避難所暮らしを強いられている被災者のことはどうなるのでしょうか。もし可決でもされたら衆院解散となる見込みです。そうなれば当然、政治空白が生まれ、被災者のことなど、もっと放って置かれることになるわけです。
今の政治家はこれだから国民に信頼がないのです。自民、公明にしたって党利党略が先に立ち、復興問題のまずさなど口にはしているものの、その代案すら出していない状態で、単なる災害に便乗して自分達の都合しか考えていないようにも思えるものです。
また一方では民主党内の不穏な動きにしたって、離党して新党形成とか、もっと正々堂々と戦えばよいと思うのですが、表に出て来れない人の画策による、姑息の手段のように思えてなりません。もっと日本を大所高所から眺めることのできる、大モノ政治家の出現を待ち望みたいものです。
あまりにも政治がだらしないので、ついつい前置きが長くなってしまいました。こうしただらしない政治家に比べ、「日本人ってすごい」ということがこの大災害を機に世界で語られているとのことです。
先日の屋山太郎さんの講演でも述べられていました。アメリカのある人が、日本人は人類の誇り(理想)とまで称賛しているそうです。震災直後、救援物資の配給に駆けつけたアメリカの兵隊がまず驚いたそうです。
アメリカやその他の国でこうしたことがあると、まず配給された食糧の奪い合いになるとのことです。それが日本の被災地では一列に整然と並び、渡された食糧を手渡しまでして後の人に送っている姿が、そこにはあったからです。
この根底にはやはり武士道の精神があるからではないかと言われていました。また恥の文化というものが日本にはあるからです。自然災害とはいえ、何もかもこうして失った被災地の姿を見れば茫然自失にもなります。
それはあの戦争で全てを失った時以来です。一方では今回の災害ほど、被災してない多くの日本人までが、まるで自分のことのように受け止めていることもないと言われます。そうした日本人としての一体感は戦後初とも言えるのではないでしょうか。
石原都知事は天罰とか言って、その表現を間違えてしまいましたが、多分言いたかったのは、多くの日本人が自分さえ良ければいいと勝手に生きて来た今までを、見直す良い機会ではないかということでしょう。
終戦直後、全てを失った、ある親父さんはこう一言述べたそうです。「やり直すしか、ないだろう」。そして忘れていた日本人として誇れる、思いやりとか優しい心を取り戻す、絶好の機会とも言えるのではないでしょうか。