会長の”三行日記”
2011.06.30
褒めるのか、叱るのか No.2036
褒めて伸ばすのか、また叱って鍛えるのか、教育や指導についてはいろいろと考えさせられるものです。特派員メモとして、新聞にもアメリカの日本との違いについて、触れていました。
それによると、特派員の中学生の息子が地元の野球チ-ムに入っているそうですが、アメリカでは良いところを見つけて、盛んに褒めようとしているところが見られているとのことです。
やはり日本同様、親たちも熱心で一緒に応援するのですが、ちょっとその応援風景に違いがあるようです。ヒットやファインプレ-にはもちろん大歓声なのですが、空振りでも「グッド・スイング!}。またエラ-した子に対しても「グッド・トライ!」と叫んでいるのです。
思わず笑ってしまったそうですが、やはりお国柄の違いなのでしょうか。この特派員も同じように書かれていましたが、かつて私も高校まで野球をやっていて、指導者である監督から褒められたような記憶はほとんどありません。
褒められるどころか、怒声を浴びせられたり、顔も見られないような態度に出会ったのは、しょっちゅうです。従って正直、現役当時、野球をやっていても楽しかったという記憶があまりなかったくらいです。
ですから監督の顔を見るのが嫌で、練習が始まってから、その途中で登場する時間がたまらなく嫌だったことをよく憶えています。でも今となっては良い思い出で、かつての監督であり恩師に当たる方とも、今では一緒に酒を酌み交わしたり、一昨年は尾瀬へのハイキングなどにも出掛けるほどです。
しかし、こうして歳を喰ったからこそ、分かり合えることなのですが、現役当時はそうはいきません。今になって考えてみると、もう少し褒められるというところまでは行かなくても、せめてあまりうるさく、ガミガミ言われない方がのびのびと、できたのではないかと思うことがよくあります。
本当に才能のある、野球漬けになっても大丈夫な選手には、事細かくうるさく言っても這い上がってこれるでしょう。でもそこそこの人間で、精神的にもあまり強くないような選手には、萎縮してしまって、かえって逆効果のような気がします。
ですから、対する人それぞれなのでしょう。でも指導者の方の苦労を思えば、そんなこともなかなか言えないかもしれません。甘やかすとつけ上がったり、辛抱や努力ができなくなる人間もいるからです。
このように、なかなか人を育てるということは難しいものです。ただ、これだけは言えると思うのですが、人は褒められると、とても嬉しくなるものです。ですから5つ怒られる中に、1つぐらい良いところを見つけて指摘してやるのもよいかもしれませんね。