会長の”三行日記”
2011.05.30
ポピュリズム No.2016
23日の衆院復興特別委員会で、たちあがれ日本の園田博之幹事長が質問に立った様子が記されていました。たった15分の質問時間でしたが、菅首相や、政権政党である民主党にとっては痛いところを突かれた、鋭い質問ではなかったでしょうか。
首相に向かってこう切り出したそうです。「あなたは首相を辞めるべきだ。当初は期待したが、場当たり的な判断が続いた。大事な決定がポッと出てくる。このままでは日本の針路を間違える。
それと民主党全体にも通じることだが、政策を決める動機が『国民に受けるかどうか』になっている。ポピュリズム(人気取り)だ。反対があっても、大事なことを薦めていくのが政治の責任ではないか」
この園田氏と菅首相は新党さきがけ以来の、20年近い付き合いでもあるそうです。いわば同士とも言える園田氏に、ここまで言われる菅政権は完全に死に体とも言えるのではないでしょうか。
十分な根回しがなく、思いつきのような発言があまりにも多いものです。今回のサミットにしても、日本中の家1000万戸にソ-ラ-パネルを設置して、自然エネルギ-による発電比率を2020年代に20%にする政策を述べましたが、関係省庁である経産省の大臣・海江田さんは全く知らなかったようです。
そしてもっとまずいのは、言うばかりで何も実行に移していないことです。先週の金曜日、法人会総会・記念講演で述べた屋山太郎さんも以下のように酷評していました。
TPPの政策にしたって、言うばかりで全く自分から動こうとしない。そして致命的なのは民主党全体を指すものだが、外交路線だと言われます。鳩山さんが米国寄りの今までの姿勢から離れた途端、中国はアメリカの脅威がとれ、尖閣沖の例の漁船体当たり事件です。
そして同様にソ連までが北方4島を過去の慣例から外れ、我がもの顔のように振る舞う始末です。財源がないのに子ども手当ての支給、高速道路の無料化、また農家への戸別所得補償制度を打ち出すのも、人気取り政策以外の何ものでもないと指摘します。
でもこの菅さん、ひょっとしたら来年の党首選まで粘るかもしれないと言われていました。恥とかそういった類のものを全く感じていないからです。ここで野党から出てくる内閣不信任案にしても、菅さんだったら内閣総辞職より衆院解散をやりかねないと言われます。
そうすると民主党の惨敗は目に見えていて、不信任案に賛成な民主党議員は公認も得られないことから次回は落ちる見込みです。従って、政治生命をほぼ絶たれているとも思える、小沢さんと心中する議員は最終的には案外少ないのではないかということからです。
とにかく、屋山さんも言われていたとおり、国家観も歴史観もない政治家があまりにも多すぎるということです。大震災が起こってから2ヶ月以上も経った今、未だに体育館などで避難所暮らしをさせている政治はおかしいという思いに全く同感です。
何は置いても、まず優先してやらなければいけないことがあるのではないでしょうか。それはサミットに行って、ええ格好することでもなく、また被災者を尻目に、政治家が集まり誕生会などやることとは全然違うことなのです。