会長の”三行日記”

2011.05.11

一時帰宅 No.2005

何はともあれ、予想される東海地震の発生で一番大きな影響を持つ、我が県の浜岡原発の原子炉が停止することになり嬉しく思っております。伝えるところによると、この30年にうちに発生確率が87%と言われています。
 
それだけに何の対策も施していない現在のままでは、総理の言うように日本の大動脈が寸断されてしまいます。そして何の罪もない福島の方々のように、多くの人々が不自由な生活を余儀なく求められることになるわけです。
 
それにしても、昨日の一部の方々の一時帰宅のニュ-スを眺めていると、胸につまされるものがあります。この川内村の村長の遠藤さんという方が、涙ながらに訴えていました。
 
新緑の木々の芽生えるこの素晴らしい季節に、なぜこんな形でしか自分の育った地域や家に戻れないのかと。頭の先からつま先まですっぽり覆われた、全身を防護服に包み、たった2時間に帰宅しか許されないのです。
 
そして自分の家に入るのにも靴を脱ぐこともできないわけです。足元をまたビニ-ル袋で包み、住み慣れた自宅に入っていかなければいけない思いは、やっと家に帰れたものの、さぞかし口惜しさと無念な気持ちでいっぱいではなかったでしょうか。
 
また2時間ぐらいの時間ではあっという間に過ぎ去ってしまいます。家の中のものを持ち出せると言っても、縦横70cmぐらいの透明な袋1個に入るものだけに限られています。
 
中には避難する前、飼っていた牛をやむを得ず放した関係で、この2時間では見つけられない人もいました。本当にお気の毒なことと思っています。
 
浜岡原発停止の英断は、久しぶりに頼りない政府の名誉挽回のようにも思えましたが、首相の「ええ格好しい」のようなところも感じないわけではありません。それに比べたら昨日、報道ステ-ションに出ていた、現在首相補佐官で原発担当になった細野豪志さんはさすがです。
 
明瞭な語り口で、現在の取り組みや考え方を理路整然と述べていました。原発事故処理の工程表の遅れなどを指摘されても、何ら臆することなく、前向きに必ず皆さんのご希望に副えるよう努めるし、現在も頑張ってくれている第1線の作業者の功績をまず挙げていました。
 
やはり政治家はこうでなくてはいけません。この細野さんが総理をやってくれた方がずっと解りやすいし、物事はもっと効率よく進むのではないでしょうか。