会長の”三行日記”
2011.04.26
期待される夕張市長 No.1999
あの夕張市に、30歳で新進気鋭の市長が誕生しました。もちろん全国最年少の市長で、鈴木直道さんという方です。
ご存知の通り、夕張市は全国唯一の財政再建団体です。平たく言えば、市の財政が破綻してしまったため、国の管理下に置かれ、もう一度地方債などの完済を果たして、町の復興を果たすというものです。
この極めて厄介な役割に乗り出したのが鈴木さんです。聞くと元々は東京都の職員で、今から3年前の2008年初めに、もう一人の職員と共に、この夕張市の財政再建に貢献しようと派遣されたと言います。
派遣期間は2年間、市民課の窓口として、自分の目でこの街の現状をつぶさに眺めてきたのです。そして出向から都庁に戻ってからも、若手経営者や市の職員から市長選出馬を打診され、悩み抜いた末大きな決断をしたのです。
何しろ当選するかどうかも判らないが、夕張市長の給与は月約26万円で、年収は200万円減となるのです。また東京都の職員でいれば、一生涯と言ってよいほど安定した収入も望めるからです。
しかし、「夕張のために人生をかけてみよう」と、この決断をし、2010年11月に立候補表明をしてこの市長選に臨んだのです。そして市長選で対するは前自民党衆院議員という強豪だったのですが、若さで退けこの市長が誕生したのです。
やはり市民レベルに立った政治家の誕生を、市民が望んだのでしょう。そして期待されるのは何よりもその若さと行動力です。選挙戦には、かつての上司でもあった石原東京都知事も駆けつけているのが、テレビでも映し出されていました。
とは言ってもこれからは大変です。今後16年間で322億円もの借金を返していかなければならない町の舵取りですから、想像以上のものと思われます。
しかし鈴木さんは母親一人で育てられたともいい、都に勤めながら大学にも通って学んだという苦労人です。是非そうした貴重な体験を、庶民目線に立って施政に反映してもらいたいものです。
「一念岩をも通す」とも言われます。そうした自分の人生をかける思いで臨んだのですから、きっと道は切り開けるはずです。そして武器は何と言ってもその若さです。こうした鈴木さんの若さと行動力に期待するのは、きっと夕張市民だけではないはずです。日本中から大きなエ-ルを送りたいものです。