会長の”三行日記”
2011.04.22
たじたじ No.1997
元キャンディ-ズのス-ちゃんこと田中好子さんが亡くなられました。19年間ガンを患っていたにもかかわらず、そんなことはおくびにも出さず、女優業に励んでいました。何となく温かくなる人で、特に解散コンサ-トのときの「微笑がえし」が忘れられません。ご冥福をお祈りします。
さて、菅さんが福島県の避難所を訪れたのですが、避難されている住民の方から厳しい言葉を浴びせられていたのを、テレビや新聞でも伝えていました。
予定の30分が来たから避難所を立ち去ろうとしたとき、素通りされた男性から「もう帰るんですか」と呼び掛けられたのです。このため引き返して近くの女性に歩み寄ると、今度はその女性からも「無視して行かれる気持ちってわかりますか」と抗議されたのです。
その男性からも「なんでこっからまっすぐ行かれるんですか」と続き、「俺らはどうするんですか、ここにいるの」と咎められました。
こうした言葉を受け、菅さんは「いや、ごめんなさい。いや、反省させてください」と、動揺してタジタジだったそうです。
このように一向に埒の明かない原発事故処理ですから、余儀なく避難させられている人々の思いは痛いほどよく解ります。時の首相はそうした気持ちが少しでも解らなかったのでしょうか。
先に紹介させていただいた天皇・皇后両陛下の避難所訪問とはえらい違いです。このようなことを聞くと、やはりおざなりの訪問だったと言わざるを得ません。
とにかく迷惑を掛けているのだから、たとえ回る避難所は1~2箇所かもしれないが、全員の方々にせめてお詫びの気持ちを伝えなければと思っていたのであれば、こうはならなかったものでしょう。
やはり被害者の気持ちを読みきれていないのです。それと厳しい言葉ですが、その人に備わっている人間的な徳というものが不足しているのでしょう。人の上に立つ人、特に日本のトップたるもの、こうした未曾有の緊急事態だけに、迅速かつ適正な判断と広く温かい心が一層求められているものです。