会長の”三行日記”
2011.04.04
もし高校野球の女子マネ-ジャ-がドラッカ-のマネジメントを読んだら No.1983
友人にお借りして「もし高校野球の女子マネ-ジャ-がドラッカ-のマネジメントを読んだら」という本を読みました。ご存知の通り、現在230万部を超えたとも言われているベストセラ-の小説です。
私はまだ読んだことがありませんが、あの経営学で有名なP.F.ドラッカ-の書かれた「マネジメント」を高校野球に当てはめたらという設定で書かれた小説です。
結論から先に申し上げると、私の立場では非常に面白く読ませていただきました。とても甲子園など夢のような、ある都立の高校野球部が女子マネ-ジャ-の奮闘で、いろいろな意識改革等を経て終にはその夢を実現してしまう話です。
単なる小説だと言ってしまえば身も蓋もないものですが、野球学校と違い、甲子園など現段階では程遠い学校にとっては少し興味をそそられる内容も含まれています。
面白かったのはイノベ-ションという項目です。普通にやっていてはとても相手にならないわけですから、戦略的にも他と違った革新的な部分も出さなければなりません。
本の中では、それを「ノ-バント作戦」と「ノ-ボ-ル作戦」という2つの新たな取り組みとして紹介していました。
まず「ノ-バント作戦」とは、一切バントで走者を進めるという作戦を採らないのです。それでは打てないチ-ムは、いつまで経っても得点圏に走者が進まないのではないかと指摘されるかもしれませんが、逆に言えば、わざわざバントして1アウトを相手に与えないのです。
それから「ノ-ボ-ル作戦」とは投手に限ってのことですが、近年の野球、特に日本野球にとっては、打力の進歩から、ボ-ル球でいかに勝負していくかが常識的になっているものです。
このボ-ルを打たした方がヒットになる確率が低いことから、ストライクを続けるのではなく、ストライクに近いボ-ル球で打者の打ち気をそそっているのです。
従って当然、投手は球数が増えることになり、夏の大会など連投で一人で投げきることなど、とてもできなくなるわけです。本の中ではエ-スがストライクを投げ続けるお陰で、普通の投手の半分ぐらいの球数で済み、一人で決勝まで投げ切ってしまうのです。
しかし実際には本のとおり、そううまくいくわけではありませんが、考え方として他のチ-ムの採らない戦略を打ち出していくことは必要です。そうでなくては、とても練習量に優るチ-ムには相手にならないのです。
またその他にも、それぞれの何の為にやるのかという目的意識やコミュニケ-ションの大切さ、また自己改革等、マネジメントに書かれている項目に照らし合わせて物語を進めているわけです。
とにかく、一部無理矢理当てはめようとしている部分がないわけではありませんが、一読に値するものと思います。是非、機会があればお読みいただけたらと思っています。