会長の”三行日記”
2011.04.01
ちょっと良い話part74 No.1982
今年ほどエイプリ-ルフ-ルのジョ-クが通じない年もないものと思われます。早くみんなで元気になって、明るく気軽にジョ-クを言い合える世の中になりたいものです。被災地の1日も早い復興を心から祈念しています。
そして自分に今、何ができるのか、しっかり考えて生きなければと思っています。そうしたこの日本、まだまだ捨てたものではないと、あっちこっちで聞かれる、ちょっと良い話をまだまだ紹介していきたいと思います。
地震の日、娘は渋谷の勤め先にいましたが、ビルが閉鎖になり、帰宅しなければならなくなりました。
渋谷駅で調布行きのバスを2時間待ちましたが、やっときたバスがあまりにも混んでいて乗れそうもないと思ったとき、自分の前にいた年配の男性が「次がいつくるかわからないから乗れるときに乗りなさい」と言って引き上げてくれたそうです。
ドアが閉まったあとも乗り切れなかった人たちがバスを取り囲み、なかなか発車できなかったといいます。
娘は終点から歩くつもりでしたが、途中の狛江市で降りればタクシ-に乗れるだろうという、その方の判断で一緒にバスを降り、運良くやってきたタクシ-に同乗させていただきました。
その方は狛江市内の住宅地で先に降りるとき、「タクシ-代に使いなさい」と1万5千円くださったそうです。
娘は「そんなにかかりません」とお断りしたのですが、受け取ってくださらず、お名前も教えていただけなかったそうです。
バスの中でもいろいろ話をしてくれたので心細くなかったという話を聞いて、親として本当に感謝しております。
どさくさに紛れてという言葉がありますが、困っているとき人の弱みにつけこんだり、火事場泥棒的な仕業をしでかす輩が被災地でも例外ではないと言います。
そんな輩は人間として屑みたいなもので、それこそ馬に蹴られて死んじまえと思うものですが、上記のような困っているときに、温かい手を差し伸べていただける人は本当に有難いものです。
その親切は決してお金うんぬんではなく、それ以上の温かな気持ちが伝わったのではないかと思われます。毎日、ニュ-スで伝わってくる被災地の人たちの現状は、胸が締め付けられ、涙が止まらなくなります。
それだけにあの被災地の方々のことを思うと、こちらだけぬくぬくと生きているわけにはいきません。会社もそんなことを考え、よほど寒い日を除き事務所内ではほとんど暖房も使いません。
そのように今、私たちにできることは何かと考えたら、せめて節電に努めることではないでしょうか。「咽元過ぎれば熱さを忘れる」とも言います。忘れることなく継続していくのが何よりも大きな力に繋がるものです。