会長の”三行日記”

2011.01.12

小さな幸せとは No.1935

昨年女性問題でいろいろと騒がれ、とうとう1勝もできずシ-ズンを終わってしまったタイガ-ウッズの記事を、あるメルマガで見つけました。「ニューズウイーク日本版」12月1日号に手記を寄せたのことですが、その抜粋を紹介していました。
 
車の事故で受けた傷は既に癒えたが、魂の痛みはもっと複雑なものだった。その痛みを和らげること、そして痛みを理解することはずっと難しかった

でも、これだけはわかった。わたしの生活はバランスを失い、優先順位が狂っていた。愚かな選択をして過ちを繰り返し、最愛の人たちを傷つけてしまった。その結果と責任を受け止めるのはもちろんだが、それ以上に自分の失敗から何とか学ばなければと、今も模索をつづけている

ゴルフは善くも悪くも自分本位の競技だ。かなりの部分が自分の能力に左右される。そのためわたしは、ひとりで世界と渡り合えると思い込んでしまった。ゴルフで成功できれば無敵なのだ、と。いまはわかる。どんなに強い人間でもひとりでは生きられない

わたしはいま、少しずつだが、失ったバランスを取り戻しつつある。立ち直るまでの道のりは長いけれど、以前は見過ごしていた大切なことに気づき始めた。人生にはトロフィーではなく、人の笑顔をもたらす勝利があること。日々のささやかな出来事が喜びを与えてくれること

チップショットの練習より息子のチャーリーをお風呂に入れるほうがいい。レストランで食事するより、チャーリーと娘のサムのためにマカロニ&チーズをつくるほうがいい。ひとりでテレビのチャンネルを替えているより、かれらとアニメを見たり本を読んで一緒に笑っていたい

人生には時間をかけ、努力をして変えられること、変えなければならないことがある。いまのわたしは1年前と同じ人間ではない。わたしは変わることができた

 
何百億稼ぐという、このタイガ-ウッズでも幸せはお金では買えません。1月7日の天声人語にも下記のような記述がありました。
 
寒い季節ほど、人は「幸せ」への感度をふくらませるように思う。その幸福感は、収入が多いほど大きいものでもないらしい。米国で調査をしたら、日々の幸せを感じる度合いは年収7万5千ドル(620万円)ほどで頭打ちになるとの結果が出たという。

ノ-ベル経済学賞の受賞者である教授は
高い年収で満足は買えるが、幸せは買えないと結論づけたそうだ。幸せ者とは、小さな喜びを十分に味わえる人ということになろうか。
 
同じタイガ-でも今、タイガ-マスクの伊達直人たる名前を名乗った、善意の運動が全国に広がっています。養護施設などにランドセルやおもちゃなどを送り届けているものです。
 
とかく暗い話題が多い中、姿かたちを現わさず、さりげなく繰り返すこの運動に、久しぶりに世の中がほのぼのと善意に包まれ明るくなろうとしています。また偶然でしょうが、直人とは時の首相とも同じ名前です。その対比がいかにも皮肉めいていて面白いものです。
 
とにかく、このような運動なら、どんどん全国に広がってよいのではないでしょうか。またマスコミはこういう事こそ、大きく報道すべきだと思います。小さな喜びを味わえる人間に是非なりたいですね。