会長の”三行日記”

2011.01.21

給食費滞納 No.1941

先日の新聞投書欄「声」に滞納給食費 初月給で払った子という記事がありましたので、ちょっと紹介させていただきます。
 
中学教師だった20数年も前のことだが、給食費は集金袋に入れ、決められた日に生徒が担任に届けることになっていた。

ところが袋を届けない生徒がいた。事務職員から「納金が滞ったら焦げつく」と強く注意され気になっていたが、その生徒はAだった。

この地方では、やりくり下手な主婦を「かまど持ちが悪い」という。Aの母親はそれだった。温和で誰からも好かれたAだが、このため納入日には下を向いていた。

担任の私も事務からの督促状を手渡すのは苦衷だ。Aはそのまま卒業し、私もそれを忘れていた。

数年たって事務職員が飛んできた。「Aが未納の給食費を払っていった」というのである。工業高校を終えて就職したAは、初のサラリーで滞納の全額を納めていったという。

Aからは今年も3人の子が並んだ年賀状が届いた。先日の新聞に「子ども手当から給食費の天引きを政府が検討」とあった。自覚のない親を持つ子どもには、天引きこそ朗報と思う。

 
とても考えさせられる、給食費の滞納問題でした。このAくんのように、滞納した全額を社会人になってから払うようなケースは、ごく稀なことと思われます。
 
もちろんその行為は真似のできない、評価されるものと思いますが、彼は在学中からずっとそのことが心に引っかかっていたのでしょう。
 
このことは彼を滞納していた事実以上に、大きな心の負担を掛け、苦しめていたとも言えるわけです。こんな罪な親はいません。
 
ですから、こうした滞納している家庭の親は、この子どもへの余分な負担をまず考えなければいけません。ある意味では私たち会社をやっている人間が、金融機関からお借りした金を、しっかり返さなければいけないことと同じようなことです。
 
近年、それまで返さないで勝手に会社をたたんだり、自己破産する人間が少なくありません。
 
如何なる事情があるにせよ、やはり、それが社会人として大きな欠陥であるのと同じに、子どもが給食を食べているのに払わない親は、厳しいが人間失格とも言えるのではないでしょうか。
 
来週の月曜日24日は工事で一日出張のため、カキコミを休ませていただきます。