株式会社 アイソー




2008年03月の日記

混迷する日本社会

[2008年03月31日(月曜日)|No.1394]

雨の月曜日となってしまいました。今日でいよいよ3月ともお別れです。お陰様で先週の工事も無事完了いたしました。少しでも作業の効率化を図ろうと、随所に見られた社員の工夫と奮闘に感謝しています。やはりその気になった人の力は侮れないものです。
 
この労をねぎらって週末、社員全員で花見に繰り出しました。気温はさほどでもなかったのですが、風が少し冷たく吹いていた関係で、すこし肌寒かったかもしれません。それでもおよそ4時間ぐらいだったでしょうか、和気藹々と盛り上がっていたものです。
 
さて我が国の政治と経済についても、日銀の総裁も空白のままで、国会は租税特別措置法改正案というややこしい中に含まれる、ガソリン等の暫定税率期限切れの問題で、依然空白のまま混迷が続いています。
 
その期限切れも今日がその期日ですから、おそらく値下げは間違いないものと思われます。この問題については改めて触れたいと思いますが、この混迷する日本を象徴するかのような、嫌な事件が起こってしまいました。
 
1つはJR岡山駅のホ−ム突き落とし事件です。犯人はまだ18歳の少年と言われていますが、驚くのは「人を殺せば刑務所に行ける。誰でもよかった」と話していることです。家庭の事情から大学進学をあきらめ、家出をしてきた最中の出来事だったと言われますが、大きく考えさせられてしまう事件です。
 
あまりにも自己中心的で独善的なものです。また人を人として視野に入れず、命の軽重などその考慮から外れてしまっていることは、何とも由々しく考えていかなければなりません。
 
関連するもう1つは茨城県土浦市での8人殺傷事件です。犯人はその前に何の罪もない、見ず知らずの72歳の方を殺害する事件を起こし、既に指名手配されていて、あたかも挑発的に警察に連絡してきた上で引き起こした事件です。
 
岡山駅での犯人も少なからずこの事件に影響を受けたようです。突き落とす前には、誰でもよいから人を刺そうと思ったと供述しているくらいです。このどちらの事件にも共通しているのが誰でもいいからという無差別的なことです。
 
これって驚くべきことです。怨恨とか積もり積もった虐待などなら、まだ仕方ないものとあきらめることもできるでしょうが、何にも関係ない人が「なぜ私なの」といったものだけに許されることができません。
 
とにかくこの種の事件は防ぎようがありません。でも私達はこうした事件が起きる世の中に変わっていることだけは自覚しなければなりません。唯一の防御策は駅などではホ−ムの線路際に近づかないことです。それから異常な人を見つけたら、いち早く逃げて近づかないことです。
 
でもこのような心配までしなければいけない世の中に、いつからなってしまったのでしょうか。今朝も早くから長女が新しく赴任する中学校に出掛けていきましたが、こうした先生の力も大いに借りなければなりません。またそれ以上に、私達それぞれが作り出している家庭を今こそもう一度見直す時期ではないでしょうか。


春本番

[2008年03月26日(水曜日)|No.1393]

今週ただ1日、今日だけは会社に居られます。今年からお付き合いさせて頂いたばかりのお客様ですが、今日以外は毎日、このお客様のある秦野まで通うことになります。
 
月曜日は少し雨に見舞われましたが、昨日など本当に春らしいポカポカ陽気で、このお客様の工場周辺にある桜並木がまだ蕾だというのに、すっかりピンク色に色づいています。お陰様で工事も順調で、ほぼ見通しがつきました。通っている今週中には、きっとこの桜も綺麗な花を咲かせてくれるのではないでしょうか。
 
さて、松坂投手が晴れの開幕投手を務め、岡島投手が勝利投手となったレッドソックス−アスレチックス戦をテレビで観戦できました。もっとも岡島投手が投げた9回には、心地よい疲れのせいか、ほとんど夢うつつ状態でしたが、何とかレッドソックスが逆転、また逆転で勝ってくれてよかったと思っています。
 
それにしても松坂投手というのは立ち上がりの悪い選手ですね。本塁打を含む2安打しか打たれていないのに、四死球が多く、1,2回はとても観ていられませんでした。でもそこはWBCの優勝投手、悪いなりにしっかりと立ち直り、5回を見事に投げきり、次の投手にマウンドを譲ったのです。
 
この松坂投手といい、後から出てきた岡島投手に対しても、満員のスタンドから大声援が送られていました。このような形で日本に凱旋する機会を得て、本当に野球選手冥利に尽きるのではないでしょうか。
 
それから日本でもパリ−グが先週、開幕しました。ソフトバンクが3つのサヨナラ勝ちを含む5連勝ですか、よいスタ−トを切りました。一方では期待されていた楽天が、4連敗と少しつまづいてしまいました。野村監督のボヤキがここまで聞こえそうです。
 
また大相撲では朝青龍が復活の優勝を遂げました。でもこればかりは皆、手放しでは喜んでいないようです。大喜びの本人と、いまいち冷めた周囲とのギャップが面白いところです。これもある意味ではKY(空気が読めない)と呼べるものでしょうか。
 
とにかく桜の花が一斉に咲き出すと、私たちの心まで和やかになるものです。今週の工事を無事完了し、週末にはのんびりと皆で花見などに繰り出したいものです。初めてのお客様ということもあって、休憩もとらず、作業着が真っ黒になるまで仕事に努めてくれた、社員一人ひとりにただただ感謝しています。


二宮清純氏講演会よりその2

[2008年03月21日(金曜日)|No.1392]

いよいよ3月もあと10日ぐらいで終わりです。明日もそうですが、来週はこの年度末内で処理しなければいけない関係で、出張工事が立て込んでいます。慌ただしい1週間になりそうですが、嬉しい悲鳴と呼ばなければいけないのでしょうか。
 
先日の二宮清純氏の講演の続きです。前回は川渕三郎会長と北の湖理事長について触れましたが、野球界のNO.1リ−ダ−として三原脩氏を挙げていました。若い方はご存知ないかもしれませんが、かつての西鉄ライオンズの黄金時代を築いた監督であり、またその後、太洋ホエ−ルズに移り、低迷していた球団を優勝に導いた手腕からです。
 
氏は「名リ−ダ−はいかにあるべきか」をフランスで確認したと言われていました。名リ−ダ−は名シェフと同じだからです。
 
シェフの三つ星の条件とは今ある食材(人材)で最高の料理(組織)を作ることと言われます。また二つ星の条件は最高の料理を作るために最高の食材を集めているとのことです。
 
食材を人材に、また料理を組織にそのまま当てはめ、実践していたのが三原脩氏です。西鉄ライオンズ時代はいわゆる野武士軍団で、放任野球で好き勝手なことをやらせていたと言われます。人から愛されない球団は強くなるわけはないという信念で、選手に任せ、彼らを信じて3連覇を成し遂げました。
 
一方、太洋に移ってからはこの方針をがらっと変えました。選手が西鉄時代ほど豊富に揃っていないからです。明大からそのまま引き継がれた秋山−土井のバッテリ−で守りの野球に徹したのです。
 
またこうした球団ではチ−ムワ−クが大切と考え、西鉄時代とは正反対の管理野球を貫いたのです。このように今ある人材で最高の組織を作り上げたのです。これには人を見る目を持たなければいけないし、組合せの妙味があると指摘していました。
 
またソウル五輪・100m水泳の優勝者、鈴木大地選手にも触れ、勝つか負けるかは執念の違いと指摘します。バセロの距離をいつもより5m延ばした奇策や、ゴ−ル板へのタッチを考え、爪を3〜4cm伸ばしていた、勝つことへの執念が強かったからです。
 
これは運があるから勝つのではなく、徹底した準備から運を掴む能力があるから勝つのだと言われます。またこのように負けるリ−ダ−は人事を尽くして天命を待つということぐらいにすぎないが、勝つリ−ダ−には人事を尽くして天命をもぎ取る執念がある、言い換えればおごりと秘策の違いとのことです。
 
それから21世紀のリ−ダ−の条件として次の3つを挙げました。①Passion(情熱) ②Mission(使命感) ③Action(行動力)です。また成功した人は無理をする人、失敗をした人は無茶をする人、箸にも棒にも掛からないのが何もしない人と付け加えていました。やはりリ−ダ−は勇気と決断に優れ、誰よりも率先垂範の行動力が求められているものです。
 
冒頭、触れましたとおり、来週は工事が続く関係で、26日以外は会社を留守する予定になっています。このカキコミがままならないことをご容赦下さい。
 


責任の重さ

[2008年03月19日(水曜日)|No.1391]

ちょっと話題が古くなってしまいましたが、川口市立高校の校長が女子生徒への強要で逮捕された事件には考えさせられました。驚いたし、ほんの一握りかもしれませんが、ある意味ではこれが今の日本の現実だと知らされたような気がします。
 
かつては聖職だと言われ、人々に畏敬の念で慕われた先生が、しかも最高の地位までのし上がった校長先生がしでかすことでしょうか。あまりにもその自覚と責任が感じられない、その行為に腹立たしさが込み上げてくるものです。
 
なぜかと言うと、責任ある地位に就いている人のこうした愚行は、一般の人の同様なものに比べ、ずっと罪が重いからです。何よりも人々から寄せられている大きな信頼への裏切り行為です。
 
今回の事件でさらに訝しく思ったのが、卒業式の終わるのを待って逮捕したことです。無用な混乱を怖れての処置だったことと思われますが、果たしてその結果はどうだったのか疑問に思うところです。
 
何も知らない生徒達がこの校長の訓示を聞かされたからです。しかも彼らは晴れある旅立ちの日です。式が終わって、このことを知らされた生徒達の気持ちを思うと、何とも言えない気分になってしまいます。
 
事態を飲み込んだ生徒達の思いはおそらくパニック状態でしょう。寄せていた信頼はズタズタにされ、こうした人間からの訓示が一層虚しく響くことと思われます。ある一時、人間不信にも陥るのではないでしょうか。
 
とにかくこのように絶対やってはいけないことがあるはずです。責任ある地位の人の無配慮な愚行です。これがまかり通っているようでは、世の中いつまで経ってもよくはなりません。なぜか近年、折角上り詰めて得た大切なものを、いとも簡単に手離しているようで、もったいなさと虚しさを少なからず感じているものです。


松坂夫人のファインプレ−

[2008年03月18日(火曜日)|No.1390]

レッドソックス・松坂投手に第2子(長男)が誕生しました。これにつけての、倫世夫人の隠れたファインプレ−があったと報じられていました。
 
というのも、25日の日本での開幕投手が決まった松坂投手ですが、それ以前、この開幕戦が行われる日本へ行くかどうか迷っていたそうです。ずっと夫婦で話し合っていたことで、夫人はそれまでに子どもが生まれなくても日本に行ってもらいたいと願っていたとのことです。
 
ところが本人が、やはり子どもの誕生にはしっかりと立ち会っていたいと思っていて、なかなか踏ん切りがつかなかったと言います。こうして夫婦で再度相談の意味もあり、キャンプの休日を利用してボストンに一時戻ったところ、翌朝、晴れてこの誕生を見たのです。
 
誕生は予定日よりも10日も早かったそうですが、二人にとっては願ったり叶ったりの話で、しっかりとその誕生に居合わせることができました。従ってこのグッドタイミングの倫世夫人のファインプレ−のお陰で、日本に行く決意も固まり、栄光の開幕投手の権利も掴むことができたのです。
 
日本人開幕投手は野茂投手以来2人目と言われています。こうなればやるしかありません。これで一切の不安もなくなったのですから、場所も日本ですし、これ以上のお膳立てはありません。胸のすくような快投を期待したいものです。
 
それにしても、松坂投手を含む、現在の若い人は優しいというか、何よりも家庭のことを優先したがるのですね。これもアメリカナイズされた現代を象徴しているようにも思えます。
 
ですが、さすがは6歳年上のしっかり夫人です。そんなことにはお構いなく、何よりも自分の仕事をしっかりやれと、突き放したようにも思える出来事です。昔から言われていることですが、やはり野球人は年上女房の方がよいのですね。


ちょっと良い話part27

[2008年03月17日(月曜日)|No.1389]

有難いことに、年度末ゆえいろいろと引き合いを頂けるものです。今日は朝から秦野、伊勢原と廻ってきた関係でカキコミが遅くなってしまいました。
 
命の大切さについて、日めくりのカレンダ−に載っていました内容を紹介します。今の子ども達に何でも怖いからやるなといった、過保護に走り、ただ厳禁主義を貫くのではなく、やらせてみて命の大切さとそれから受ける歓喜を味わわせたいと指摘しています。
 
あちこちの渓流をよく研究している、ヤマメ釣りの好きな或る人が和尚さんの家をよく訪ねます。ある日、「話ばかりでは真実性に乏しいから、証拠として家に土産を持ってきてくださいよ」と和尚さんが言いました。
 
何回か鮎を頂いてはいるらしいのですが、こう答えたそうです。「和尚さんが欲しければ、いくらでも持ってきて差し上げてもよいのですが、それは私の主義ではありません。私は自分が必要なだけ釣ったら、あとはどんなに釣っても逃がします。
 
小さい魚は特にその場で放ちます。魚の人生のようなものがあるだろうから、それを楽しんで成長してから俺を楽しませてくれ、といって放すのです。これが俺の釣りの主義なのです」
 
この人はまた子どもの頃、蝉取りの名人でした。夏場になると、寺の境内、裏山の木々の蝉を追い掛け回していました。お盆や墓参りの時は多少の遠慮もあって、たまたま捕った蝉を鳴かすまいと、必死に苦労したそうです。
 
「お盆だからなあ。あとで逃がしてやりなよ」母が声を掛けたのはこんな時でした。決して「捕るなよ」とは言いませんでした。捕ってもいいけど、生きているうちに逃がしてやりなさい、ということでした。
 
理由として、何年も地中で生活していて、1週間ぐらいの地上生活であることを語ってくれたそうです。夕方になると「また、あした」などと言って逃がしました。ただ禁止しないで「逃がしてやりなよ」には、命の大切さの、爽やかさが残ります。

 
なるほどその通りですね。ただやってはいけないと言うよりは、ずっと心に残るものがあるわけです。このように、親から子どもに伝えていきたいことはいっぱいあるわけで、ちょっと前の時代までは日常の生活で、さりげなく教えていたものです。このよき時代はもう戻ってこないものでしょうか。


二宮清純氏講演会よりその1

[2008年03月14日(金曜日)|No.1388]

友人からご案内をいただき、スポ−ツジャ−ナリスト・二宮清純氏の講演会に行ってまいりました。「勝つリ−ダ−、負けるリ−ダ−」と題した講演は、テレビ等でも拝見するとおり、歯切れのよい語り口であっという間に過ぎ去ったように思えます。
 
勝つリ−ダ−のNO.1に挙げていたのが、現Jリ−グの川渕三郎会長です。この方は前職のキャプテンというイメ−ジが強いものと思われますが、このキャプテンという名付け親は二宮氏自身だと言っていました。
 
キャプテンとは船長のことですが、まさにそのスタ−ト時は荒波に向かって漕ぎ出し、もまれていく、その名前のとおりだったと言います。Jリ−グの100年構想が謳われ、サッカ−のプロ化が叫ばれ出したとき、当事者のほとんどは時期尚早で、前例がないことをやったって失敗するに決まっているという意見が大勢を占めていたそうです。
 
ここで一喝したのが川渕さんです。「時期尚早とは100年経っても時期尚早であり、やる気のないのと同じこと。前例がないというのは200年経っても同じことで、できない理由を述べているだけ」と。
 
当時そのサッカ−の観客は野球、ラグビ−の50,000人に対してたった500人の時代です。でもそれからわずか数年で、逆転現象が起こっているのはご承知のとおりです。そのくらい、川渕さんという方はワンマンで専制君主的ですが、そのくらいの強烈なリ−ダ−シップがなければ潰されていたし、今日はなかったとのことです。
 
一方、男を下げたのは北の湖理事長です。時太山、朝青龍問題にも表われているとおり、失われた6年とも呼ばれています。しかしこの大相撲も前近代的でどうしようもない組織ではないと言われます。
 
それ以前、改革は節目節目で行われてきたもので、観客が見難いという理由で、神物の象徴でもある4本の柱を取り除いたり、他のスポ−ツよりいち早く勝負の判定にビデオ等も導入しています。
 
一番保守的にも見える大相撲が、未だに審判の明らかなミスがあっても何も正さない野球などに比べても、ずっと改革を進めているのです。何よりも一番の商品は白黒をはっきりつけるという理由からです。
 
このように伝統というものはその精神を守るもので、形を守るものではないという考えです。そして伝統を守るということは改革を進めること、言い換えればそれを守るために改革を進めなければならないということです。
 
しっかりとやらなければいけない判断を、先送りしていては何も変わらない。また机上の空論が現実化するのには強烈なリ−ダ−シップが必要であり、度胸とそれなりの覚悟が求められるものです。両者の取り組みの違いからも、おのずから結果は歴然としているものです。
 
その他、このリ−ダ−の条件をまだまだ挙げていました。また次回に紹介させていただきます。
 


中小企業問題全国研究集会からその1

[2008年03月13日(木曜日)|No.1387]

3月は少し仕事が手薄になるかなと思っていたのですが、ここにきて年度末の駆け込み処理もあるのでしょう、出張工事が増えてきました。モノづくりだけではなく、小回りを利かせてサ−ビスをと、少しでも差別化を目指しているだけに、引き合いを頂けるのは有難たく嬉しいものです。
 
先日の宮城全研からの報告です。何よりも一番感動した記念講演から少し紹介したいと思います。「森は海の恋人」という素敵なタイトルどおりの講演でした。畠山重篤さんと言って、気仙沼で牡蠣の養殖などを営む水産業の社長です。
 
ご本人は謙遜してただの漁師などと言っていましたが、どうして、どうしてその取り組みには目を見張る素晴らしいものがあります。「牡蠣の森を慕う会」というものを立ち上げて20年になると言います。
 
地元・気仙沼湾に注ぐ、大川という川の上流の室根山に広葉樹の植林運動を始めたのです。そして「どうして漁師さんが山に木を植えるの?」という子ども達の素朴な疑問に応えて、体験学習を受け入れ、その数が1万人を超えたと言われています。
 
結論から先に申し上げると、海に注ぐ川の水が良くならないと海の生き物は豊かにならないということです。上流にブナなどの腐葉土がある川は流れ流れて海に注がれ、植物プランクトンになります。これをオキアミなどが食べて、そのオキアミを食べるメロ−ドが増え、地元の湾ではカレイやヒラメがいっぱい採れるということに繋がるのです。
 
鹿児島湾と東京湾はどちらがいっぱい魚が採れるかというと、何と水のきれいな鹿児島湾ではなく、東京湾の方が30倍も採れると言います。昔から「水清ければ魚棲まず」と言われている通りのことです。
 
理由はその湾に注ぐ大きな川が一つもない鹿児島湾に比べ、武蔵野の雑木林などを通ってきて、流れ込む川が東京湾にはいっぱいあるからです。つまり森の養分が海にいっぱい届いているからです。
 
またその他にも、決して大袈裟ではなく、人類にとっても大きな問題提起がありました。この運動がひいては地球温暖化防止に繋がると言うのです。専門的なことは自分にはよく解らないのですが、こういうことらしいのです。
 
魚介類が育つために必要な海藻や植物性プランクトンの育成には、鉄分が不可欠であること。森の木の葉が落ちて腐敗してできるフルボ酸鉄という鉄分が、雨水や地下水に吸収され、川から海へと運ばれる。この海に運ばれた森の栄養分は海藻や植物プランクトンを増やし、光合成をして二酸化炭素を固定するという役目も担っている。
 
つまり地球温暖化の最大要因ともなっている、CO2を減らすという役目を持っているのです。まさに「海の森」とも呼んでいる所以です。こうしたことに関連して、先日、日本にも大量に押し寄せた黄砂についても触れていました。
 
黄砂には多くの鉄分を含みます。このため、この黄砂なくして北太平洋、東支那海、日本海の今日の漁獲はないとまで言われています。また黄砂が増える年は南極海等にも注ぎ、過去にも地球は寒冷化となった事実も見られ、地球温暖化が止まったと指摘しています。
 
ここまでの話をお聴きすると、もう私達は行動を起こさないわけにはいかなくなるのではないでしょうか。体験学習をした子ども達から、「朝シャンの回数を半分にしました」「無駄な歯磨き粉を使わないようにしました」という手紙が寄せられるようになったと言います。
 
そして運動が20年も続いていることから、その子ども達の中から東大生なども生まれ、研究者への道に就く人間も出ているとのことです。また35年前の川にはめっきりその姿が消えたうなぎ(指標生物)まで、最近では戻ってきたという嬉しい話も聞かれます。
 
小さなことでもよいから、せめて私たちにできることは何かと、畠山さんから背中を押されたような気がします。行動に繋げていかなければ何も変わりません。小さな積み重ねがやがては大きな岩をも動かすことにもなります。そういった意味でも、まず自分たちから変わらなければと、大きな教えをいただいた記念講演でした。
 


夢に向かって

[2008年03月11日(火曜日)|No.1386]

残念ながらQちゃんこと、高橋尚子さんの北京への夢はついえてしまいました。日曜日の名古屋国際マラソンで、おそらく皆が自分の目を疑ったのではないでしょうか。
 
わずか10kmにも満たない地点で、あの強かったQちゃんが先頭集団に付いていけず、脱落してしまったのです。かつてのシドニ−五輪の優勝やベルリンマラソン等、圧倒的な強さを誇っていた彼女だけに、信じられない出来事でした。
 
でもその後の彼女はやはり偉大でした。ある人が言っていましたが、トップのスピ−ドにもついていけず、まるで皇居周辺をジョギングするかのような彼女でしたが、しっかりと完走いたしました。彼女の栄光あるマラソンの歴史で、おそらく27位なんて記憶にはないはずです。
 
レ−ス後、インタビュ-に応えた言葉はすこぶる爽やかでした。「これが今の私の実力でしょう」と。そして誰もが知らなかった昨年8月の手術のことを打ち明けました。右ひざ半月板の半分を切除する手術を受けていたのです。
 
この事実は父親でさえ知らなかったと言われています。このため、十分なスピ−ド練習ができなかったとのことです。でも「あきらめなければ夢はかなう」と、果敢に挑んだのがこのレ−スでした。
 
しかし本人もここまで走れないとは思ってもみなかったでしょうが、沿道やスタンドの大声援に背中を押されたと言います。競技場に入ってきたときは、おそらく優勝した中村友梨香選手より、ずっと拍手や声援は大きかったのではないでしょうか。
 
これで引退かとの質問にもきっぱりと否定しました。ジャ-ナリストの二宮清純氏は、走ることを通して子ども達に夢を与えるなど、彼女には秘めた大きなミッション(使命感)があるのではないかと指摘しています。そしてむしろその存在感は大きくなっているのではないかとも言っています。
 
私達も願うところです。この日を迎えるまで、期待と不安が交錯している中で、ずいぶんと彼女が抱えていた孤独は大きいものではなかったでしょうか。それも少しも口に出さず、走り終わった後も一切泣き言を言わない彼女は見事です。
 
今まで彼女からいっぱい頂いた感動に感謝すると共に、これからも続くマラソン人生で、「あきらめなければ夢はかなう」ことを立派に証明してくれることを願っています。
 
明日12日は一日、研修出張で留守にするため、カキコミは休ませていただきます。


こうありたい教師

[2008年03月10日(月曜日)|No.1385]

6日、7日の宮城全研は大きく心を揺さぶられる感動をいただきました。また後日紹介させていただきます。いつも心動かされている、雑誌「致知」からやはり拾った話題です。こんな素晴らしい先生もいるのです。
 
ある高校で夏休みに水泳大会が開かれた。種目にクラス対抗リレーがあり、各クラスから選ばれた代表が出場した。その中に小児マヒで足が不自由なA子さんの姿があった。
 
からかい半分で選ばれたのである。だが、A子さんはクラス代表の役を降りず、水泳大会に出場し、懸命に自分のコースを泳いだ。
 
その泳ぎ方がぎこちないと、プールサイドの生徒たちは笑い、野次った。その時、背広姿のままプールに飛び込んだ人がいた。校長先生である。
 
校長先生は懸命に泳ぐA子さんのそばで、「頑張れ」「頑張れ」と声援を送った。その姿にいつしか、生徒たちも粛然となった。

 
ちょうど金、土の2日間、テレビでもダウンタウンの浜田雅功さんが熱血教師に扮するドラマをやっていました。私は土曜日しか観ていませんが、凄く温かい気持ちにさせられました。
 
どんな子どもたちにもこの教師が送っていた言葉があります。「先生はきみのことをいつも見ているよ」くじけそうになった時、この言葉に子どもたちは救われます。
 
とかく事なかれ主義がはびこり、長いものにまかれたり、うるさい保護者の神経を逆撫でしないように、ただ通り過ぎようとするのが現代です。
 
そんな中でこのように子どもたちとしっかり関わっていくというのは、確かに煩わしいことも増え、なかなか大変なことと思われます。昔とはうって変わり、自己の権利を主張する時代になったからです。
 
でも勇気を出して真正面から、その問題にぶつかって欲しいのです。ドラマにもあったとおり、いじめなどないわけがないのです。これは何も現在に始まったものではありません。
 
私たちそれぞれが胸に手を当てて振り返ってみると、それなりに思い当たるふしがあるはずです。いじめる方、いじめられる方に関わらず、それは少なからず心に引っ掛かる何かがあるのではないでしょうか。
 
しかし私たちの時代には、間違いを間違いとしてしっかり正してくれる先生がそこに存在しました。見て見ぬふりなどなかったのです。
 
今でもきっとそういった先生も少なくないはずです。ほんの一握りのそうでない先生のお陰で、問題が広がっているのかもしれません。先生はどんな子であろうと公平にいつもしっかりと見つめていてもらいたいものです。
 
そういった意味では、誰よりもそれに応えてくれる子どもたち自身が、一番正しい目を持つ存在ではないでしょうか。


河津の桜祭り

[2008年03月05日(水曜日)|No.1384]


河津の桜見物について書きます。同友会の仲間でもある旅行会社の社長に、土曜日に河津桜を見に行ってきたと告げると、「何とまあ冒険をしましたね」と言われてしまうほど、この時期の休みに出掛けるのは大変な労力を要するものです。
 
伊豆長岡から伊豆中央道に乗ったときぐらいは至って順調でした。ところが大仁ホテルが左に見えてきて、料金所を潜った途端、身動きがとれなくなったのです。
 
これでは料金所手前のICで降りればよかったと思いましたが、もう後の祭りです。しばらく観念して修善寺まではその身をただただ渋滞に任せざるを得ませんでした。
 
そして現在の伊豆中央道の終点、修善寺ICまで何とか来ましたが、それから天城に向かう一直線の道が全然動いていないのです。咄嗟に自分の判断ですが、これはきっと渋滞が土肥に曲がる交差点、出口(この場所の名前です)まで続いているのではないかと思い、このICで降りました。
 
向かった先は西伊豆です。遠回りになり目的地からは少し離れてしまうのですが、急がば廻れのつもりで別ル−トを選択したのです。修善寺から達磨(だるま)山経由で戸田に抜け、西伊豆を松崎まで走り、那珂川沿いに下田方面に向かい、途中山道で河津に抜けるコ-スです。
 
少し時間は掛かりましたが、まともに天城山中を抜けていく414号線より、こちらの方がずっと景色はよいというものです。風が少し出ていて海は白波がところどころに立っていましたが、お天気は悪くなかったので途中の景観はやはり素晴らしいものがあります。

 
こうしてその後は比較的順調に目的地の河津に到着することができました。やはり予想していた以上のたくさんの人波です。でも桜はご覧のとおり一番の見頃ではなかったでしょうか。
 
この河津桜というのは、染井吉野のようにパーっと咲いてパーっと散るって感じの桜ではなく、毎年2月上旬から開花し始め、3月上旬に満開となる、比較的長持ちする種類の桜です。ですからその種類も伊豆の温暖な気候に合っていると言えるのではないでしょうか。
 
近年、この早咲きと満開を長く維持できることから、俄然観光客の注目を集めるまでにいたっています。この桜の原木というものも車で通りがけに少し眺めることができましたが、個人の方が冬枯れ雑草の中に芽吹いている桜の苗を見つけて、この地に植えたのがその始まりと言われています。
 
何でもこのように何もないところから新しい何かを生み出していくということは、素晴らしいことです。今はこの方はもうお亡くなりになっているということですが、現在の大きな街興しに繋がっている、この桜祭りを眺めたら感慨無量のことと思われます。
 
とにかく街が嬉々として輝いているのは素晴らしいことです。いち早い春の訪れを感じさせてもらった河津の桜祭りですが、苦労してでも出かける価値はやはりあるもので、早春の一日を満喫させていただき感謝しています。

 
明日6日から2日間、仙台で中小企業問題経営研究集会(同友会全国研究集会)が開かれます。これに支部メンバ-3人と共に参加するため、恐れ入りますがカキコミは休ませていただきます。


プロの洗練

[2008年03月03日(月曜日)|No.1383]

お天気も手伝い久しぶりの連休で羽を伸ばすことができました。詳しくはまた後日お伝えしたいと思いますが、土曜日は一足早い満開の桜見物で伊豆・河津へ行ってまいりました。とにかく凄い人ですね。
 
また日曜日の午前中は、地区の一斉清掃で保安林の掃除の後、おそらく班長として最後のご奉仕になるのではないかと思われた植林作業に精出しました。そして午後からはしばらくぶりのソフトボ-ルです。
 
やはり幾つになっても楽しめるものです。こうした球春到来を告げるかのように、内外のオ-プン戦が最後の調整やらレギュラ−争いで盛り上がっています。昨日も日本人大リ−ガ−の草分けとも言える、野茂投手が好投を見せたようです。大好きな選手だけに、是非頑張ってもう一花咲かせてもらいたいものです。
 
さてその後の日本ハム・中田選手についてちょっと触れたいと思います。結論から先に申し上げると、無理に最初から使い続けないほうがよいのでないかと考えます。
 
ご承知のとおり、いきなり大ホ-ムランで華々しいプロデビュ-を飾った同選手ですが、その後少しプロの苦汁をなめさせられています。真ん中からインコ-スよりの球はそれなりにやはり力がある選手なので、うまく捉えることは多いのですが、アウトコ-ス、特にスライダ-には手を焼いています。
 
オ-プンスタンスに構えていて、踏み込まず、アウトステップするのだから外角はさらに遠くなるものです。このくらいは私など素人に言われなくてもとっくに気がついているはずですが、あまり修正しているようにも思えません。
 
それと対するはプロの投手ですから、本番が近づくに連れ、そんなに打ちやすい球は投げてくれないものです。特にこれからはそれなりの好投手が出てきます。そして今のまま、相手に翻弄され続けていると、打撃フォ-ムを崩すばかりか、精神的にも落ち込んでいくのではないかと思われます。
 
とにかく今はオ-プン戦ですから、何よりもプロを味わう機会をいっぱい与えようと考え、梨田監督も使っていることと思います。でも、もしこのままシ-ズンに入っても使い続けるようなことがあったのなら、久しぶりの大型新人、中田選手を大成させるためにはどうでしょうか。
 
しっかりとファ−ムにて打ち込みとか矯正をした方がよいのではないでしょうか。たぶん、キャッチャ−出身の梨田監督だけに、しっかりとその辺は抜かりないものと思われますが、何年に1度出るか出ないかの逸材だけに、焦らずじっくりと鍛え直してもらいたいものです。
 
明日4日は早朝より、工事の現場調査のため1日出張しますので、カキコミは休ませていただきます。