株式会社 アイソー




2008年11月の日記

これでいいのかニッポンその8

[2008年11月28日(金曜日)|No.1535]

アメリカ発信の金融危機は世界中にその影響をもたらしています。我が国もその例外ではなく、自動車産業など大きな落ち込みを見せていて、日本中に景気悪化の傾向が顕著に見られます。
 
そうした影響が少なくないのか、企業から採用内定を取り消された来春卒業予定の学生が、全国で331人にも上っていると伝えられていました。
 
由々しき事です。学生にしてみれば何を今さらと、驚愕の思いでいることと思われます。来春、晴れて社会人となる娘を持つ、同じ親の身としても、こうした問題はひとごとではありません。
 
またこの人事に関することは他にもいっぱい問題を含んでいるものです。まず派遣労働者や期間作業員などの非正規雇用労働者と呼ばれる人たちの、突然の解雇があちこちで多く伝えられています。
 
来年の3月までに、その数は何と3万人にも上ると言われます。びっくりさせられる数字です。もともとこの非正規雇用というシステムは、子どもを抱えた女性などが働きやすいようにとの、雇用体系の規制緩和が生み出したものです。
 
それがいつのまにか、派遣社員やパート従業員を正社員に置き代えるという、雇用体系になってしまったのです。ですから制度そのものからして、とても人間尊重の経営とは言えない、見直さなければいけない大きな問題を抱えているのです。
 
また中国などの研修生の就労についても、あちこちで問題が多いようです。昨日も商工会議所の担当者から電話があり、受け入れていた研修生をもう企業で抱えきれないから、どこか同業種で業績のよいところを紹介していただけないかとの問い合わせがありました。
 
売上げが今までの1/10以下の業績不振となり、正規の労働者までリストラしているような状態だから、とても研修生まで抱えきれないとがその理由です。
 
さんざん自分たちの都合のよいように安く雇用しておきながら、少し悪くなったらもう要らないなんて、ずいぶんと身勝手な話です。その企業を頼りに、遠い異国の地から出てきた研修生たちの都合や思いなどは何も存在しないのです。
 
この話をすると長くなりますから簡単に申し上げますが、彼らを企業の財産とは少しも考えず、単なるコストとして使い捨てのような企業がこの日本にはあまりにも多いのです。
 
私たちの会社だけはそうした醜い会社にはなりたくないと、研修生・実習生と共に励んでいますが、あまりにもそうした事例を多く見かけるだけに、制度そのものの悪用のようにも感じているところです。
 
とにかく日本のこうした雇用形態について、見直さなければいけない必要を強く感じています。報酬以前に人間として生きがいを見つける上での最優先事項ともなっている、仕事の喜びとか社員満足などは現行のシステムでは生まれるはずがありません
 
以前の先輩経営者が採っていた、終身雇用制度等の日本式経営や思いやりのある人間尊重の経営に、学ぶべきことが多々あるのではないでしょうか。
 
12月1日(月)は終日、出張工事で不在のためカキコミは休ませていただきます。


ETC割引き

[2008年11月27日(木曜日)|No.1534]

知っておいて損ではない話に少し触れたいと思います。現実となるかどうか疑わしいものですが、高速道路料金を民主党案ではタダに、また自民党案では乗用車に限り、休日利用の場合はどんなに走っても一律上限1000円などと示しています。
 
このどちらも当てにならないような話ではなく、現実に今、割引きとなっていることに結構気がついていない人がいるため、紹介したいと思います。
 
ただしこの割引きは全てETCに限っての話ですから、念のためご承知置きいただきたいと思います。まず、平日なのですが、物流対策として、今まで割引のなかった午後10時〜午前0時を3割引き、また4割引きだった午前0〜4時については何と5割引きとなっています。
 
ですから朝4時ちょっと前に料金所のゲ−トを潜りさえすれば、長距離でも高速料金が半額になるわけです。結構これは馬鹿にならないものです。
 
先日も大学に通っている次女の所に日帰りで行ってきたのですが、沼津から大阪の枚方東まで通常で8900円も掛かるのがその半分で行けることになるわけです。
 
これなら途中の食事代まで賄えるというものです。もっとも4時を1分でも過ぎると適用されないわけですから、時間の管理を少しシビアにしなければいけません。
 
それから土曜日と休日については、観光振興を狙って、東京・大阪近郊を除く地方路線で、新たに午前9時〜午後5時の時間帯を5割引き(100キロ以内)の適用をしています。
 
これも目的地が100kmを超える区間であっても、事前に出発ICでトリップメ−タを0にしておいて、100kmに達する手前のICで一度降りればよいのです。そして再度同ICから乗れば今までの通勤割引きとは異なり、またそれから以降の区間でも割引きの対象となるのです。
 
その他、今までもあった通勤割引き(朝6時から9時までと夕方5時から8時まで)は依然として、100kmを超えない範囲で5割もの割引きが適用されています。
 
これなど本当に嬉しいもので、私も秦野などに出掛ける打合せや現場調査はこの時間帯に合わせて行っています。世知辛いと言われるかもしれませんが、こうした何度かの積み重ねが馬鹿にならないものです。
 
ただでさえ厳しい昨今ですから、売上げが増えなければ出ていくものを抑えなければなりません。こうした比較的無理のないところを手始めに、節約や倹約を是非進めていきたいものです。


頑張れ遼くん!

[2008年11月26日(水曜日)|No.1533]

またまた石川遼くんへの応援メッセ-ジです。何とも凄いのは17歳で、賞金をほぼ1億稼ぎ出すのが確実になっていることです。
 
先週のダンロップフェニックスでも日本人最高位となる堂々の2位につけ、獲得賞金1億まであと27万円と迫りました。その前の週、御殿場で開かれた太平洋マスタ-ズでもプロとして初の太平洋でしたが、見事な5位に入っています。
 
ちょうどこの太平洋マスタ-ズ、近くで開催されたことから少し観る機会に恵まれたのですが、いやはや実際に眺めると凄いものです。女子プロの試合は比較的観ているのですが、男子ツア-は久しぶりだったからです。
 
以前と比べ、道具の進歩もあってか、その飛距離が半端ではありません。まさかここまでは来ないだろうと思っていても、楽々と届いてしまいます。ですからあまりにも自分との違いを見せつけられ、慄いているわけです。
 
昔はとても敵わないと思っていても、ここまでその違いを見せつけられるようなこともなかったように思えるのですが、それだけこちらが歳をとってきたということなのでしょうか。
 
少し横道に逸れてしまいました。このときに遼くんを初めて見たのですが、ちょうど今田選手も言っていましたが、やはりオ−ラのような普通の選手とは違う何かを感じさせます。
 
また好感を持てる選手ですね。多くのギャラリ-がほとんど自分に付くため、同伴者への影響が少なくないものですが、自分のプレ-が終わってもそこはさすがに先輩への配慮をしっかりと示しています。
 
また思い切りが何よりもよい選手です。この若さなら変に小さく固まらない方が将来に向け、大いに期待できるというものですが、そのとおりコセコセしていないのがまた魅力となっています。
 
こうした人気だけでなく着実に実力も備わってきています。こうなったら是非世界への足掛かりを築いていって欲しいものです。オ-ガスタで開かれる来年のマスタ-ズにも、ひょっとしたら招待されるかもしれません。
 
また遼くん本人も日本で一番になったら世界に飛び出していきたいとも言っています。まだ17歳ですから失うものはそんなにありません。失敗を恐れず、是非世界を照準に果敢に羽ばたいていってもらいたいものです。またその要素を全て兼ね備えている、久しぶりに出現した日本の逸材とも言えますから...


ちょっと良い話part41

[2008年11月25日(火曜日)|No.1532]

お陰様で沼津で14年ぶりに開かれた全県経営フォ−ラムも、大成功(と私は思っていますが)のうちに終わることができました。関係者の皆様に心より感謝申し上げます。
 
さて母さんの下駄って歌をご存知ですか。中村ブンさんという方が作詞作曲で歌われているものです。その詩がとても素晴らしいのでちょっと紹介したいと思います。
 
母さんの下駄
 
世界中で一番嫌いなものは 母さんの怒った顔
世界中で一番嬉しいのは  母さんの笑った顔
世界中で一番辛いのは   母さんの泣いた顔
 
隣のおばさんと出かける時も
父兄会で学校へ行く時も
母さんはいつでも すりへった男物の下駄を履いて行った
これしかないんだから仕方ないって
大きな声で笑っていたけど
ぼくには どうしても 母さんのように笑うことができなかった
 
新聞紙に包んだ新しい下駄を
両手にかかえて 息を切らして「ただいま!」って
エバって戸を開けたら
母さんは 今日も内職してた
「母さん、これ...」って包みを渡したら
「何だい?」って、少し頭をかしげた
「いいから早く開けてみてよ、ぼくのプレゼントだよ」
 
包みを開けると母さんは
こわい顔して僕に言った
「お前、これどうしたの?この下駄どこから持ってきたの
いくら貧乏しても、人様の物に手をかけるような子に育てた覚えはないよ、情けない...」
って震えながら下駄と僕をにらんだ
 
「違うよ母さん、ぼく買ったんだよ」
「うそをつきなさい、おまえにどうして、そんなお金があるの?
こづかいあげたことないのに」
「弁当代ってもらうから、毎日5円ずつ貯めてたんだよ、
タコ糸に通してずうっと前から貯めていたんだよ」
 
赤いハナ緒の下駄を買いたくて
母さんをびっくりさせたくて内緒にしていただけなんだ
悪いことなんか、ぼくしてないよ
下駄を包んだ新聞紙の上に大きなしずくがポトポト落ちた
 
「悪かったね」って言って、子どもの僕に何度も何度も頭を下げた
「すまなかったね」って、もう一度言ってあとは言葉にならなかった
 
僕は初めて、生まれて初めて
母さんの涙を見たのは
それは 小学6年生の冬

 
私はまだこの歌を聴いたことがないのですが、聴けばきっと涙でぐちゃぐちゃになるでしょうね。全てがこの少年のように、優しい子どもに育ってくれたら何も言うことないでしょう。それもしっかりと背中を見せつけている、立派な親がいればこその話です。


いい夫婦の日

[2008年11月21日(金曜日)|No.1531]

いよいよ明日22日は中小企業家同友会静岡全県フォ−ラムが地元・沼津東急ホテルで開催されます。県下12の各支部より会員経営者が一同に会し、一日実践事例等の報告を交え、自社の経営をより深めて学びあうものです。
 
お迎えする立場にある当沼津支部の設営によるこの大会は、実に14年ぶりになるもので、私が会員となった平成7年の前年に行われたとき以来となります。
 
今日までの間、約2ヶ月にわたり各支部への参加要請で、キャラバン隊として各支部例会にお邪魔したり、4月以来10回ぐらいは重ねたでしょうか、実行委員会でその準備作業に努めてきたわけです。
 
そんなわけで沼津支部のこうした熱意が少しでも通じたのか、約280名の県下各支部からの参加で開催することができます。こうして用意万端整い明日を迎えるわけですが、私にとっても3年間務めてきた支部長として、最後とも言える大きなお役目です。十分楽しみながら、そのお役目を果たしたいと思っています。
 
さて上記イベントが行われる明日、11月22日はいい夫婦の日でもあります。個人的には一足お先に昨日、ちょうどボ−ジョレ・ヌ−ボ−の解禁日に当たり、届けていただいたワインで乾杯を済ませましたが、3人の子どもたちも離れていることから水入らずのひと時でもありました。
 
早いもので私たち夫婦も結婚して26年の年月が過ぎ去りました。3人の子どもたちがそれぞれ24、22、20歳になったわけですから、今となっては光陰矢のごとしのような思いでもあります。
 
1つ飛びの歳の子が3人、そしてこの子達が皆大学進学して続いているわけですから、家内にとってはそれはもう金銭的なやりくりが大変だったことと思われます。そんな苦労も知ってか知らずかのこちらとしては、家内からしてみればいい気なもので、恨めしい存在だったのではないでしょうか。
 
余分なことですが、先日迎えたこの結婚記念日(10月16日)に、私としては初めてのフラワ−ギフトを贈りました。やはりこの同友会でお付き合いしている、静岡支部の会員さんがこうした事業を手がけていることもあり、送ってもらうよう事前に依頼していたのです。
 
受け取る側の家内の反応はこちらの予想していた以上のものです。日頃、花など贈ったことのない私ですから、それはもう大騒ぎでした。写メを撮って子どもたちに送るやら、後で子どもたちに聞くと、大変なことが起こったような騒ぎ方だったようです。
 
こんなに喜ぶとは夢にも思っていませんでしたが、それだけ私が普段何にもしていないということなのでしょうね。でも喜んでいただけるのは嬉しいことです。1年に1回でよいから、このようにいい夫婦の日とか、結婚記念日などに日頃の感謝の気持ちを是非贈って伝えたいものです。


残されている国民性の良さ

[2008年11月20日(木曜日)|No.1530]

日本の国民性をブログで称賛しているという新聞記事を読みました。今年5月に、修学旅行で日本を訪れた北京市の高校の校長先生が書かれたものです。
 
それによると、「中国は日本から学ぶべきだ」というタイトルで、いろいろなところで細かな気配りをする、日本人の国民性を称賛しています。
 
同校は中国では珍しく修学旅行先に日本を選び、高2の約400人が東京や長崎を訪れたと言います。その中で生徒たちからいろいろな情報を拾ったのでしょう。女性トイレに設置されている、消音と節水のための排水擬音装置にも触れています。
 
女生徒ならではの気づきで「細やかさ」の一例に挙げています。校長はこうした日本人と接触して、「中国人にはない細部に見られる特質」を感じ、「自律的で社会に迷惑を掛けない」ことを原則とする、気配りの国民性に「敬服せざるを得ない」と述べています。
 
また「日本人が中国人より頭が良いとは思わない」とした上で、物質的に豊かになった中国では粉ミルク事件に見られるように、依然としてモラルが低いと憂慮しています。
 
こうした訪日には、過去の歴史的経緯からの恨みを取り去る目的も含んでいましたが、逆に両国の国民性の落差を認めざるを得ず、複雑な思いにまで駆られたと触れているほどです。
 
中国国内ではこのブログへの反響が大きく、その大部分が肯定的な見方だったと言われています。とにかく何よりもこの訪日の際の印象が良かったと聞き、ほっとしています。
 
1つ間違えば全く逆の捉え方になるだけに、こうした滞在時での対応には難しい要素を含むわけですが、ある程度は両国の国民性を測れるのではないかと思われます。
 
やはり古来からの日本の折り目正しい良さが、少しは残っているのでしょう。でも自国民としての印象はだんだんそれも忘れ去られて薄くなってきているものです。この校長先生のように、自国や自分にないものを素直に認め、改めようとする謙虚な心を、是非多くの人が持ちたいものだと願っています。


21世紀枠ノミネ−ト

[2008年11月19日(水曜日)|No.1529]

昨日は朝4時にこちらを出て軽井沢に着いたのが8時30分、そして仕事を終え夕方6時ごろ現地を出発し、こちらに戻ってきたのが夜11時近くと、本当に一日が長い日でありました。
 
軽井沢のように寒冷地ですと、屋外では冬の間とか春先など、物に触ったとき感知し電気信号を出すリミットスイッチのようなものが、凍りついたりロックしてしまって、通常の正常動作が行われないことがしばしばあります。
 
これを防ぐため、既存のモノレ−ル設備に、機械的な動作があまりない近接スイッチ(鉄板などを検出すると動作信号を出す)に交換する工事の依頼があったのです。
 
やはり現地の気温はだいぶ低くなっています。朝、途中通っていく往路の野辺山は1℃を示していました。また日が暮れるのも早く、暮れ始めたらあっという間のつるべ落としで、夕方5時ではもう真っ暗です。試運転調整に少し手間どった関係で、暗くなってからそそくさと荷物を後片付けして帰ってきた始末です。
 
さて、母校・沼津東高野球部に嬉しい報せが飛び込んできました。来春の選抜大会、21世紀枠の静岡県代表に正式に決まったと言うのです。
 
地元新聞にもしっかりと載せていただいてありました。その推薦理由は文武両道で夜7時半には完全下校、また現在校舎耐震補強の工事中のため、仮校舎のある移転先からの不自由な移動にもめげず、秋の県大会でベスト8という立派な成績を挙げたということです。
 
17日に正式発表となる以前、私たち一部の関係者には既にその旨連絡は入っていたわけですが、嬉しいことにこれを聞きつけ、いくつかのお祝いのメ−ルやら電話をいただきました。有難いものです。
 
しかし実際にそれだからと言って、来春の全国21世紀枠3校にすぐに選ばれるかと言うと、とてもそんな甘いものではありません。静岡で選ばれても次は東海4県での選考です。そしてその1校が今度は全国に掛けられ最後の3校に絞られるのです。
 
ですから本当のところは上記の理由があったにせよ、もっと絶対的な戦績がない限り、望みありとは言えないのです。
 
それでも、こうして名前が挙がったというだけでも意義があるものです。少しでも名前が挙がった以上、関係者の目や耳に触れることになるわけです。それゆえ以前の全くノ−マ−クだった我が校に、人々の多少たりとも興味や期待が膨らんでくることになるからです。
 
そして近い将来、今度は文句なしの21世紀枠、いや本選かもしれませんが、ノミネ−トされればよいのです。そうした意味でも私は今回はそのための足掛かりでよいと捉えていますが、このような機運を盛り上げてくれた後輩の現役諸君に感謝しています。蛇足ですが、現役諸君にとってはこの冬の練習が何よりも大事だと思っています。


これでいいのかニッポンその7

[2008年11月17日(月曜日)|No.1528]

引きずりながら逃げるひき逃げとか、ひき殺しという、とんでもない交通事故というか、むしろ殺人事件とも言える惨劇が多発しています。いったい世の中どうなっているのでしょうか。
 
昨日も大阪富田林で新聞配達の16歳のアルバイト少年が、5kmも引きずられて亡くなるという悲しい事故が起こりました。加害者は軽自動車を運転中、原付バイクに追突したとのことですが、飲酒運転だったので必死に逃げたと供述しています。
 
5kmも人間をひきずっていて果たして気がつかないものでしょうか。つい先日も同じ大阪駅前で、30歳の会社員がやはり3kmも車に引きずられ、亡くなる事故が起きたばかりのことです。
 
こちらの加害者は許せないのは、事件を起こした後、ホストなどをやりながら逃げ回っていて、捕まる寸前も酒を飲み、ラ−メン店で友人と笑いながら何食わぬ顔をしていたとのことです。そしてそこに警察官が踏み込み、逃げ回った末、御用となったのです。
 
こちらの方は無免許だったとのことですが、無免許にせよ飲酒運転にせよ、ひき逃げの方がよっぽど罪が重くなるのに何を考えているのでしょうか。
 
16歳のアルバイト少年は、ここで初めてのアルバイト報酬を受け取るはずだったと言われています。また父親がやっている新聞配達の苦労を、身をもって知るためにも始め出したとのことです。その結末がまさかこんなことになろうとは夢にも思っていなかったはずです。
 
それから千葉ではもっと恐ろしいことが起こりました。初めから人をひくつもりで車(軽トラ)が人めがけて突っ込んだと言うのです。これにより24歳の若い銀行員の方が亡くなってしまいました。
 
友人との帰り道に遭遇した悲劇です。イライラしたので、誰でもいいからひきたかったなどと述べているらしいのですが、とても血が通っている人間のすることではありません。言語道断の話で、とても許されるものではありません。
 
このようなことが頻繁に起こる我が国っていったいどうしてしまったのでしょうか。また尊い人の命をどう考えているのでしょうか。先の秋葉原の事件と言い、あまりにも身勝手で残虐な事件の続出は、見直さなければいけない日本社会の大きなひずみを示しているのでしょうか。
 
明日18日は早朝よりモノレ−ル工事で軽井沢に出張しますので、カキコミは休ませていただきます。よろしくお願い申し上げます。


ちょっと良い話part40

[2008年11月14日(金曜日)|No.1527]

ひさしぶりにちょっと良い話です。「先生の大きな手」という温かい話です。
 
今から30年あまり前のことになります。小さい時に父を亡くし母も事情があったため、私は母方の祖父母の家にあずけられていました。そんな状況の中、中学の修学旅行に行かせてほしいなどとは祖母に話すことができませんでした。
 
「乗り物に酔うから修学旅行には行かない」と言う私に、母を知っていた国語の先生が見るに見かねて、祖母に「友達と行くのはこれが最後だから、是非行かせてやってほしい」と知らない間に頼みに来てくださいました。
 
そして友達と楽しい修学旅行に大阪・京都へ行かせてもらうことになったのですが、さすがに小遣いまでは、みんなと同じ金額は持って行けず、友達がいろいろ楽しそうにおみやげを買っているのを遠くから見ているだけでした。
 
その時、国語の先生がそっとそばにきて私の手に百円札を3枚握らせてくれました。「おみやげに何か買っておいで」と言って、私の手をしっかり握ってくれた先生の手のあったかかったこと。
 
私もそのお金を持って友達の輪の中に入って行きました。その頃の300円は私にも先生にしても大変大きな金額だったと思います。
 
それを友達にもわからないようにそっと握らせてくださった先生。今でもその時の先生のあったかかった手の大きかったこと、心からの思いやりを忘れることができない私です。

 
人生にはこうした素晴らしい出会いがありますから、決して捨てたものではありません。彼女にとっては一生忘れられない大きな存在になったものと思われます。また心の中だけでも、早くして亡くした父の代わりとして強く支えられていたのではないでしょうか。
 
その人生において、物心つくまでは両親以外で一番先生という存在が個人に大きな影響を及ぼすものと思われます。全てがこの先生のようにありたいものです。


曲げない信念

[2008年11月13日(木曜日)|No.1526]

会社の窓から眺める富士山はもうすっかり雪景色で真っ白となりました。数日ぶりに爽やかに晴れ上がった青空と対比し、やはりこの時期ならではの美しさを表しています。
 
自衛隊の前航空幕僚長・田母神俊雄氏による参考人質疑がありました。ご存知のとおり、先に出した論文で、第2次世界大戦での日本の正当性を謳い、決して侵略戦争ではなかったとの説から、航空幕僚長という、航空自衛官のトップの位置を外されてしまった人です。
 
その質疑でも語り口は明瞭そのものでした。個人的見解を表明する場ではないと事前に釘を刺されたにもかかわらず、大臣が論文の許可までする先進国はない、自由に議論できないと、どこかの国と同じになってしまうなどと、自説を決して曲げるものではありませんでした。
 
私は先の村山談話に反するその主張を決して受け入れるものではありませんが、なぜか不思議と腹の立つことがなく、ある種爽やかさまで感じたくらいです。
 
なぜでしょうか。おそらく自分の信念を絶対に曲げず、政府や大臣にへつらうことなく堂々としていたからだと思います。どうでしょうか、近年このような参考人が果たしていたでしょうか。
 
その多くは記憶にございませんとか、あ−とか、う−などと、語尾を濁してしまう、はっきりしない答弁がほとんどだったと思います。それに比べれば内容はともかくとして、聞いていてその主張は解りやすいものではなかったでしょうか。
 
考えるに、自衛隊の幹部にはこのくらいの人はやはり少なからず存在するのではないでしょうか。俺が国を守っているんだという意識からです。今回の問題で一番の責任は、そうしたシビリアンコントロ−ル(文民統制)が求められる役職への、人を動かす任命権を持つ側にあるのではないでしょうか。
 
自衛隊そのものは表向き、災害派遣や海外任務を主要業務にしているようなことを言っていますが、本質はやはり国が大きな危険にさらされる有事への対応にあると思います。そうした人たちの中には束縛される現在の憲法に不満を持つ方も少なくないものでしょう。
 
それゆえ任命側いかんによって文民統制が変わってきてしまうのです。ですから田母神さんが悪いのではなく、こうした人をその職に就かせる方が問題なのです。インタ−ネットのアンケ−トでも今回の田母神さんの言動に、問題が大いにあり(32%)に比べて全く問題はないというのが46%もあり、多数を占めています。
 
やはり今の時代にはめずらしい、人に左右されない確固たる信念に共鳴してのことからでしょう。何でも事あるたびに人の責任にしたり逃げ惑うこの世にあって、しっかりと受けて立つその姿勢に、ある種爽やかさを覚えたものです。


金銭感覚のズレ

[2008年11月12日(水曜日)|No.1525]

今更お話しするようなことでもないのですが、それにしてもズレ過ぎてるので触れさせていただきます。かつて一世を風靡した小室哲哉容疑者のことです。
 
そのプロデュ−スした作品の総売上げ枚数は何と1億7000枚にも及び、96年にはオリコンのシングル部門で、その作品が1位から5位までを独占するという快挙も成し遂げています。
 
そして一時期、100億円もの預金があったのにもかかわらず、わずか10年で借金十数億円も抱える生活に転落したと伝えられています。私たちの常識ではとても考えられない話です。
 
生活費が月に800万円ですか、恐ろしいものです。かつて安室奈美恵、TRF、globe、華原朋美などプロデュースした曲が次々とミリオンヒットを飛ばし、小室サウンドが全盛な時代を私もよく覚えています。
 
高額納税者番付にも載り、米ロサンゼルス郊外の海を臨む一等地に購入した約6000坪の豪邸は、テニスコートやプールの施設も充実していて、それは素晴らしい時代を象徴していた生活だったようです。
 
また一方では都内の超一等地にスタジオ用の土地を購入したり、ロスへの飛行機はファーストクラスを貸し切り、好きな高級外車も買いたい放題で、豪華クルーザーも手に入れていたそうです。
 
しかしある事業に失敗してから、こうしたツキからも見放され、負債と共に離婚での慰謝料まで背負う羽目になります。ヒット曲にも恵まれず、ここからは転落の一途をたどるわけですが、考えられないのがそうしたハイレベルな生活を改められないことです。
 
普通はお金がなくなってくれば、出ていくお金だって惜しむのが当たり前の話でしょう。それが何百万円もの生活費を月に掛けていれば、破綻するのも目に見えているというものです。
 
私にとっては疑問のところですが、サラリ−マンが生涯で稼ぎ出す金額が3億円とも言われています。その33倍もの蓄えがあれば何もしなくても食べていけるというのは、私たち庶民の下衆(げす)の勘ぐりというものでしょうか。
 
とにかくお金というものはこのように魔力を持った怖いものです。いくら持っていたとしても決してそれで幸せは買えるものではないし、たった1回の人生を狂わせてしまうことにも繋がります。
 
そう考えてみると、どこかの首相のように高級ホテルのバ−で、毎晩のように過ごしている人には、居酒屋に行くパフォ−マンスがあっても、所詮、庶民の立場なんてとても解りっこないでしょう。
 
従って抜本的改革よりも、選挙目当てのお茶を濁したような定額給付金支給などを考えつくのでしょうが、バラ撒けば庶民が喜ぶだろうと、金銭感覚や庶民感覚にズレている為政者の下では、何よりも国民全体が破綻しないことを願うところです。 


今年の日本シリ−ズから

[2008年11月11日(火曜日)|No.1524]

昨年のシ−ズン5位のチ−ムがとうとう日本一になりました。やはり何と言っても新監督である渡辺監督の手腕でしょう。大したものです。
 
久しぶりに白熱した日本シリ−ズを観ました。第5戦で大手をかけ本拠地に移ることもあり、流れから言ったら巨人かなと思っていましたが、西武の最後は執念のようなものの違いが上回ったように思えます。
 
第6戦、一人で全打点をあげたベテラン・平尾選手をまずヒ−ロ−として挙げれるでしょう。この試合をものにして臨んだ逆王手の最終戦でも、決勝の見事なセンタ−前ヒットを放っています。ここ一番のベテランの踏ん張りが若手が多いチ−ムにも喝を入れたのではないでしょうか。
 
もう一人の殊勲者はMVPにもなった岸投手です。第4戦の見事な完封勝ちに続き、中二日で登板した瀬戸際の第6戦でも、見事なリリ−フで無失点に抑えています。とてもプロ2年目の選手とは思えない、落ち着いたピッチングを見せていました。
 
そして甘いマスクのイケメンで、これでずいぶんとファンが増えたのではないでしょうか。このように西武の選手たちは負けて元々ではないのですが、変なプレッシャ−もなく、伸び伸びとやっていたような気がします。またそれを引き出していたのも監督の手腕なのでしょう。
 
一方、巨人の方は第5戦で王手をかけてから、逆に勝たなければいけないプレッシャ−のようなものが選手それぞれに掛かってしまったような気がします。それとやはり負傷していて、阿部選手が守りでは使えないことが響きました。
 
私は絶不調だった李選手に代わって、思い切って一塁で阿部選手を起用するという奇策もあってよいようにも思えました。原監督はブランドにこだわり過ぎたのです。私の家内なんか、日本を五輪で破った張本人ゆえに、なぜあんな選手にへつらえなければいけないのか疑問に思っていたようです。
 
それから渡辺監督の優勝コメントがよかったですね。ダメ監督を選手全員でカバ−してくれたと言っていました。決してそうは思っていないのでしょうが、そう言える器量の深さのようなものを感じます。
 
これで日本シリ−ズを10回やって西武が対巨人7勝したとのことです。かつてのV9巨人では信じられないような話です。それだけ野球そのものを考えなければいけないような気がしています。
 
とにかく決勝の第7戦、相手に大きな脅威を与える打線の一面には、3回以降一人の走者も出せないような淡白な攻撃を繰り返すのが潜んでいるのも事実です。
 
それゆえに西武のようにワンチャンスで、打った瞬間スタ−トを切って同点に追いついた片岡選手の走塁など、学ぶべき点はいっぱいあるような気がします。WBC監督に決まっている原さんゆえに、もっともっとがめつく点をとっていく積極的な采配を是非揮って欲しいと思っています。


ドギ−バッグ

[2008年11月10日(月曜日)|No.1523]

ドギ−バッグってご存知ですか。私も全然知らなかったのですが、食べ残した料理を持ち帰る、専用容器のことをそう呼ぶそうです。私もパ−ティ−や宴会に出るたびに、こんなに残してどうするのかなと常々思っていたことでもありました。
 
このようにレストランなど飲食店で、食べ残した料理の「持ち帰りサービス」を実施するところが増えてきたようです。とてもよい傾向ではないでしょうか。
 
とにかく多くの人たちが感じられていたことと思われますが、こうした場所での食べ残しの量が半端ではないほど多く、「もったいない」と一番思っていたことでもありました。
 
提供側は食品中毒などを恐れ、この持ち帰りを禁止していたのでしょうが、余った食べ物はただ廃棄処分されていたのに過ぎません。いつも言うことですが、地球の裏側ではこうした食べ物に事欠き、餓死する子どもたちが少なくないというのに、なんということだと訝ることでもありました。
 
また下手に余ったものを別のお客に出したりすると、吉兆のようにもなってしまいます。こうしたもったいないことを我が国がとり続けていると、終いには食べ物の恨みではないのですが、国全体に食糧不足が訪れるものと真剣に思っていたことでもありました。
 
海外ではこの食べ残した料理を持ち帰るのは当たり前とも言われています。このドギ−バッグというものは、プラスチック製まな板などに使われているポリプロピレンで作られており、洗って繰り返し使えるのが特徴とのことです。

今年9月から、全国の東急ハンズや通販サイトが取り扱いを開始し、大小2個で1セット、819円の価格で、今後年間で500万セットの販売を見込んでいるとのことです。
 
こうしたものなら是非普及してもらいたいものです。もともとドギ−バッグ(doggie bag)とはそのスペルからもお分かりのとおり、食べ残したものを犬の餌に持ち帰る意味合いで、アメリカで名づけられたそうです。
 
持ち帰ってからの食中毒のようなことも、扱う人の自己責任として定着するようになっていけば、差し出すお店の対応も、もっと緩くなっていくはずです。
 
とにかく、我が国も余った物を持ち帰るのが恥ずかしいのではなく、テ−ブルに残したまま帰るのが恥ずかしいという食文化に是非したいものです。いつまでもあると思うな親と金ではないのですが、食料が無尽蔵にあるような現在の食の醜態は絶対改めるべきです。


自動車教習所の倒産

[2008年11月07日(金曜日)|No.1522]

八王子自動車教習所の倒産をテレビで観ました。何ともひどい話です。受講生1700人、職員60名余りがまさに寝耳に水の話で、31日突然、破産申請して教習所閉鎖となりました。
 
これを受けて去る3日、債権者説明会が行われ、会場には入りきれないほどの受講生が押し寄せ、やりきれない思いからの怒号が飛び交い、女社長が土下座までして謝ったと伝えられています。
 
でも謝って済むというものでもありません。その破産直前の前日の夜になって、突然明日から閉鎖、全員解雇の通達を受けた職員の気持ちは計り知れません。
 
また前納性のため、25、6万のお金を出しているのにもかかわらず、明日から教習所は閉鎖のため一歩も中に入ることはできません、なんて言われてもとても納得できるものではありません。
 
この教習所、かつては路上教習にベンツを使用したり、キャデラックなどの大型の外車で送迎したりして、人気を集めた教習所でもあったわけです。
 
それが、いくら経営者の責任とはいえ「誠に申し訳ありませんが、当教習所は、本日東京地方裁判所に破産手続開始の申立てをすることとなり、倒産いたしました。断腸の思いでありますが本日以降の教習業務を行うことは不可能となりました。このような最悪の事態を招き、心から深くお詫び申し上げます。」という一通の通達で済まされるものなのでしょうか。
 
経営者である女社長は日頃は1000万円を超える大型外車を乗り回しているそうです。また先代から引き継いだときにも既に債務が多少あったとはいえ、破産宣告するまで一切社員ほか関係者にはそうした経営事情を洩らしていなかったようです。
 
考えさせられてしまうことは、こうした学校や教習所のようなところが勝手に経営者の一存で破産宣告をしてよいかということです。受講者の前納した教習料は2億円にまで及ぶと言われています。それだけに会社更生法とか経営を他所に委ねる等、もっと別の方法がなかったものでしょうか。
 
明日からもう来なくてよいと言われ解雇された教員が、今も教習所にやってきて車を一生懸命磨き上げる姿が映し出されていました。教習が再開されたときに受講者のために備えたいとの思いからです。
 
また説明会でこの職員の一部が泣いて『おれたちが無償でもやるよ』って、来場者に話していた、感動的な経緯も紹介されていました。
 
改めて経営者の責任の重さというものを痛感させられます。企業は人なり、私利私欲のために経営は為されるものではなく、会社という公器の果たす大きな責任を絶対忘れてはなりません


ラクラク最新筋トレ術

[2008年11月06日(木曜日)|No.1521]

オバマさんがとうとう黒人初の第44代アメリカ大統領になりました。これで強いアメリカから変わってくれるでしょう。人類の未来を守らなければいけない、CO2削減等の地球環境問題にも理解を示してくれることにもなると思われます。そんな世界のリ−ダ−としての優しいアメリカに変革してくれることを是非、期待したいと思います。
 
先日、NHKテレビ・ためしてガッテンという番組を見ました。私たち中高年の体力が落ちていることから、その体力維持・回復を図る方法として、「脳をだます、ラクラク最新筋トレ術」というものを紹介していました。
 
機敏な身のこなしと同様に、筋肉がとても大事という指摘です。つまずいた時、体勢を立て直すことができても、筋肉がないと体を支えることができず、転んでしまいます。年を取るに従って筋肉が減少する「加齢性筋萎縮症」は、誰も避けられないと指摘しているのです。
 
このため、食い止める唯一の手段がこの筋トレだと言っているのです。ラクラクできて効果もしっかり上がる新しいトレーニング法です。この方法をやり続けたお陰で、10年間使っていたツエがいらなくなったり、1年間で13キロやせたなどの、驚くべき成果をあげています。
 
これはゆっくりとした動きで筋トレをする「スロートレーニング」と呼んでいました。スクワットや腹筋、腕立て伏せなどをゆっくり行うのです。誰でも行える軽い負荷でも動きをゆっくりにすれば、脳にスイッチが入り、成長ホルモンが出て、筋肉を太くすることができると言うのです。
 
最近、ソフトボ−ルなどやっていても、めっきり力の衰えを感じている自分ですから、直ちにこのスロ−トレ−ニングに飛びつきました。まだまだ老け込む歳ではないからです。
 
比較的楽なものだと思ってやり始めた、このトレ−ニングですが、意外ときついものです。腹筋などの3種類の筋トレも、ゆっくり行うと結構しんどいもので、体に効果が上がっていることを実感させられます。
 
こうなったら口惜しいから毎日続けたいと思っていますが、果たしていつまで続くことやら...でも1年経った来年の今頃、200ヤ−ドしか飛ばないドライバ−が、遼くんみたいに格好良く250ヤ−ド飛ぶ、大きく変わった自分を夢みて、何とかやり続けたいと密かに誓っています。


世界中の注目選挙

[2008年11月05日(水曜日)|No.1520]

さあ、いよいよ投票が始まり次期アメリカ大統領が決まります。早ければ今日のお昼にも判明するとも言われています。黒人初の大統領が生まれるのか、いざまた第1期としては最長老の大統領誕生なのか、世界中の人々が注目する選挙です。
 
このオバマ、マケイン両候補は様々な点で、違いを鮮明に打ち出しています。前者は変革(change)を全面に掲げ、中・低所得者の減税を謳いその生活改善に視点を定めています。一方、マケイン氏は企業の減税を掲げ、世界に誇る強いアメリカを強調しています。
 
従って外交方針も大きく変わっていて、オバマ氏が対話による外交を示しているのに対し、マケイン氏は力の外交を打ち出していて、ブッシュ氏がとり続けている路線の継承を示しています。
 
その生い立ちについては黒人の父と白人の母から生まれたオバマ氏は名門のハ−バ−ド大学院を卒業後、弁護士生活を経て今日に至っています。
 
一方のマケイン氏はかつてベトナム戦争の英雄と呼ばれたくらい、5年半の捕虜生活に耐え抜き、本国への帰還を果たした人です。
 
この選挙戦序盤、有利に戦っていると伝えられているオバマ氏ですが、何と言っても人種の違いを乗り越えて1つのアメリカをと謳っているとおり、圧倒的に支持している黒人の力が小さくないものです。
 
事前のアンケ−トでも、黒人有権者の97%がオバマ氏を支持し、マケイン氏は残りの1%に過ぎません。また白人でもマケイン氏50%に対し、オバマ氏が46%と善戦しています。
 
これは白人の間でも労働者階級に大きな変化が起こっているからと言われます。ご存知のとおり、9月中旬に起こった金融危機では、ブッシュ政権が7000億ドルの政府資金援助を示したのに対し、大きな反発があり政権への不信に繋がっています。
 
従ってこの大きな争点が経済問題に移っているのです。過去7回、共和党が勝利を飾っているノ−スカロライナ州でも、期日前投票で今までにない人たちが多く投票所に足を運んでいるとのことです。
 
あきらめてしまったら何も変わらない。泣いているだけの人生はもう終わりにしようと、未来に続く、自分の孫たちのためにと、52年の人生で初めて1票を投じた人もテレビで紹介されていました。
 
小さな頃、遊園地でもここは君たちが来る所ではないと言われ続け、社会人になってからも自分より劣る白人が出世するのに置き去りにされた、黒人たちが今やっと差別のない社会を生み出そうとしています。
 
ここまで来たら、どちらがその夢が大きく広がるのか、言うまでもなく自明の理のことと思います。オバマ大統領率いる新しいアメリカ合衆国実現に大きな期待を持ちたいものです。


やはり華のある選手

[2008年11月04日(火曜日)|No.1519]

男子ゴルフツア-で、17歳の高校2年生のプロ・石川遼くんがついにツア-初優勝を遂げました。何とも凄いものです。あとでニュ-スで眺めたのですが、堂々たる勝利だったようです。
 
圧巻はパ−5の18番ホ-ルです。ドライバ−で第1打はバンカ−越えはしたものの、左斜面のラフの中です。池越えでグリ−ンエッジまでは170ヤ−ド、しかも2位の深堀選手とは2打差あるゆえ、手堅く優勝を狙うのには池の横か手前に刻んでいくのが常套手段です。
 
しかし遼くんはこれが自分のゴルフだと言わんばかりに、果敢に2オンを狙っていったのです。結果は惜しくもあとちょっとのところでグリ−ンに乗らず、手前の池に転がり落ちてしまいました。
 
ところがこれからがこの人の持つ天性のスタ−性なのでしょう。池の中からの水しぶきをあげたウォ−タ−ショットは見事にピンに絡め、2パットで難なく優勝を飾ったのです。
 
その考え方が凄いと思ったのが、予めグリ−ンに乗らなくてもグリ−ン側から戻って池に入った場合は、そんなに打てない位置まで転がらないと読んでいたからです。それにその時はギャラリ−に楽しんでもらえるウォ−タ−ショットもできると、前向きに考えている点です。
 
これなら、負けた深堀選手が「これがお前の実力だから、自信を持ちなさい」と、励ましてくれたのも、うなづける話です。やはりタイガ−ウッズのように世界で羽ばたくのには、このくらいでなければと思わせられます。
 
優勝した後、涙が止まらなかったり、最終ホ−ルのティ−アップのとき同様、最後の優勝を決めるパットのときも手が震えて仕方がなかったと言います。こうしたあどけなさをまだ残している17歳の少年の一面も覗かせています。
 
また、自分が一番下手だと思っているから人一倍練習したいとも言っています。このまま、いつまでもその謙虚さを忘れずに励んでいってもらいたいものです。きっとその素質からも、このまま磨き上げていけば世界で通用する選手になるはずです。
 
久しぶりに男子ゴルフ界も華のある選手が出てきました。そんなに遠くなくてもよいから、いつの日かオ−ガスタの青い空の下、グリ−ンジャケットを纏った石川遼くんの姿を是非眺めたいものです。