株式会社 アイソー




2006年11月の日記

家族の絆

[2006年11月30日(木曜日)|No.1114]

毎日の朝礼で、当番の社員が感じたことなどを一言ずつ述べることになっているのですが、昨日の女子社員の一言にはこちらまでぐぐっと感ずるものがありました。
 
輪読本としている職場の教養の内容が標記のものだったのですが、彼女の友達について述べたのです。友人は不幸にして以前、両親が離婚したため、ずっと母親と一緒に暮らしてはいましたが父親とは離ればなれでした。それでも夫婦は別々かもしれませんが、父親と娘はかけがえのない親子です。従って何とか1ヶ月か2ヶ月に1回ぐらいは会うことができていたそうです。
 
ところが、この父親が余命1ヶ月ぐらいとのガンの宣告を受けてしまったのです。自分は結婚して、勤めにまで出ていた、この友人は一大決心をしました。仕事も辞めて、父親の療養先である東京の病院で付き添い、最後まで看取る決心をしたのです。
 
これが家族の絆ではないかという話でした。とかく希薄になりがちの現代でも、こうした美しい家族の愛も残っていることに、なぜか安心したものです。「孝行したいときには親はなし」とも言われています。この世に自分が存在する謂われを考えたら、粗末にできないのが尊い親の存在です。この女子社員の素晴らしい話を聞いただけに、この日めでたく83歳を迎え、今尚現役で働いて頂いている会長こと我が父親の存在に、改めて敬意を表しております。


人の上に立つのには

[2006年11月29日(水曜日)|No.1113]

 政治家の信念って何ですかね。郵政造反組の自民党復党が決まりました。あれだけ反対していたのに手のひらを返すように復党にひざまづいたり、また片方ではまるっきり選挙目当てでその組織を当てにして受け入れる、これって衆議院を解散してまで国民に選択を迫ったあの選挙は何だったのでしょうか。国民を甘く見ると次回選挙でとんだしっぺ返しを喰らうかもしれません。そうした意味では信念を貫き通した平沼さんは、他にない清涼剤のようでとても好感を持てるものです。やはり大物ですね。ここまでの話は前回も述べましたので、もうこれくらいにしておきます。
 
さてプロゴルファーの横田真一さんの記事を見つけました。この方は現在はPGAの選手会長をやっている方ですが、地元・愛鷹600Cに所属していたことから密かに声援を送っていた方でもあります。性格の良さは折紙付きで人望のある、この選手が今シーズン、ツアーのシード権を失ってしまいました。元々パターとか小技は超一級品なのですが、やはり自分の練習時間も割かなければいけないほどの選手会長の忙しさも影響したのか、最終戦でも思うようにスコアが伸びず、賞金ランク76位でシード落ちが決まってしまったのです。
 
本人は会長を引き受けた1年目である昨年がランク14位であったことから、きっぱりとそのせいではないと否定していますが、精一杯その職務を務めることからも、少なからずその影響がなかったとは言えません。こうした横田選手の功績を認め、PGAの島田会長が特例として出場資格を与えると申し出ました。ところが横田選手はきっぱりとそれを辞退したのです。「選手会長として評価して頂いたのは有り難いが、今自分がやるべき事は来年の出場権を獲得するためのQTと呼ばれる最終予選会に出てベストを尽くすこと」こう言って潔く断ったのです。
 
何ともスポーツマンらしく爽やかで 、良い話ではないでしょうか。人の上に立つ者はこうでなくてはいけません。特別選手枠シードなどというものを、もし甘んじて受け入れしていたのなら、トップとしての自覚と責任が揺らぐことにはならないでしょうか。平沼さんといい、この横田選手、それぞれから、トップとは何かを考えさせて頂きました。こうでなくては人は信頼を持ってついていかないと改めて確信しています。


名誉挽回なる

[2006年11月28日(火曜日)|No.1112]

 ご存知ディープインパクトが日曜日のジャパンカップで快勝し、先日のフランス凱旋門賞での汚名を挽回することができました。いわゆる空を飛ぶ走りで、最後の直線を見事に駆け抜けたわけです。ずいぶんと先日の薬物検出による失格問題では、私を含め多くのファンががっかりされたことではないかと思われます。それゆえにこのような文句なしの見事な快走を、誰もが願っていたのではないでしょうか。
 
元々この馬には何も罪がないものです。飼育する人間の都合で、どこでどう間違えたのか、このような事態になってしまいました。先のレース後の検査で尿検体から気管支拡張剤の薬物が検出されたとのことだったのですが、何十年に1回出るか出ないかの馬だっただけに、口惜しく思っていたものです。元々ディープインパクトという馬は走った後の心拍数が、他の馬に比べ異常に早く元通りとなり、驚異的な回復力があることがデータからも証明されていました。
 
それだけに決してそれは薬物のお陰ではないと信じていたものです。一回つまらないことがあると人間同様に今までの積み重ねてきた栄光が、一瞬にして泡となって消え去ってしまうものですが、この馬に限ってはそうではありません。今回のこの走りが、そのくらいの名馬であることを示していました。こうなったら今年最後の有終の美を飾る有馬記念でも、名馬の引退に相応しい、圧倒的ないつまでも記憶に残るレースを是非見せてもらいたいものです。


忙しさの中で想うこと

[2006年11月27日(月曜日)|No.1111]

 1111回目ですか、1がうまく揃いました。最近、車のナンバーでも自分で選べるためか、このような綺麗なナンバーをよく見掛けるものです。
さて、まだ曇り空ですが、鬱陶しい雨も上がり、私にとっては爽やかな朝を迎えることができましたそれというのも、このところ芸能人並のハードスケジュールが続いていて、その中でちょっとボリウムのある見積作業をこなさなければならなかったからです。
 
お陰様で昨夜、無事この作業も終わらせることができました。振り返ってみますと、支部11月例会やら経営指針を創る会検証の会、そしてお通夜等と夜はほとんど会社を留守にして作業できない関係で、この1週間はほとんど朝早く出社し、貴重な朝の数時間をそれに当てていました。
 
また外すことができない仕事以外の用事も多いのです。金曜日の夜は12/22講演の最終打ち合わせで、スタッフとしてすっかりお世話になっているPTAのときの素敵な仲間達との集いがありました嬉しいことに厚かましくお願いをしてあった、チケットの販売担当分もしっかりと処理して頂いています。だんだん残り少ないチケットを眺めながら、違った意味で不安に駆られているものです。
 
それから25,26日は経営指針を創る会の最終発表である、1泊研修がお隣の町、富士ハイツで行われました。第3期を迎えた今回は受講生ではなく、スタッフとして参加してきたわけですが、委員長一人にその役目を全てかぶせるわけにもいかず、パスすることもできないのです。そして最終日17時に終わった後でも、高校の野球部OB会代表幹事会が待ち構えていたのです。
 
こうした間を縫いながら仕事をしなければいけないのだから大変です。ある意味では自分の性格でもある八方美人的なところが災いしているのかもしれません。でも凄く感じているのは、大変だからと言って簡単にパスしてはやはりいけないのではないかということです。自分に与えられている試練のようなものでもあり、それから逃げ出しては得るものも少ないというものです。そうした大変な状況の中でやり遂げた後は、それは本人でなくては解らない達成感が生まれてくるのです。
 
こういった意味でも気になったのは指針を創る会での最終発表メンバーのことです。折角半年あまり積み重ねてきて、最後のこのまとめの会に参加できない方々が何人かいらっしゃいました。もちろん、どうしても外せない仕事の用事が生まれた方もいることでしょう。要はこれに掛ける意識の違いであり、優先順序の問題です。その傾向からして1期のときなどに比べ、この不参加の方々や2日間通して参加している方の少ないことが少し気になりました。折角立ち上げたこの会が形骸化されないことを祈っています。そうならなくするのには、何よりもこの指針を創る会のメンバーそれぞれが良い経営者になり、良い会社を創り上げて結果を出していくことだと思っています。


ウォーターレタス

[2006年11月24日(金曜日)|No.1110]

 ウォーターレタスってご存知ですか。元々は観賞用の水槽などに浮かべる水草なのですが、この外来種の浮き草が結構、始末が悪いとのことです。
今、大阪の淀川で異常発生しているそうですが、何と1ヶ月で300倍にも繁殖するとのことです。
 
従ってこの淀川では、一面レタス畑のような緑色の帯として生い茂っていて、いくら除去しても取りきれない状態が続いています。そして悪いことにこのウオーターレタスが水面を覆うと、日光が遮られて水中の酸素不足を起こすため、魚など生物の成長に悪影響を及ぼす恐れがあるとのことです。
 
この大量発生は5年ぐらい前からとのことですが、元々は観賞用に栽培されていた株が川に捨てられたことによるものです。暖かい所が原産のこの植物は繁殖力が異常に強く、いくら取っても取りきれないほど、次から次へと発生して手に負えないと言われています。
寒くなって枯れるのを待つしかありませんが、腐ると水の底でヘドロ状態になると言うから、本当に始末が悪いものです。
 
ワニや爬虫類など、元々はペットにできないようなものを飼い、手に負えなくなって近くの川や池などに放してしまうことも最近では多く聞きます。ですからこんな動物がいるはずがないものが、存在することにより生態系がどんどん変わってきています。これとある意味では同じことなのでしょう。人間の手によって捨てられたお陰で、存在などするはずのないものが加わり、異常繁殖というアンバランスが生まれるのでしょう。地球温暖化現象と同様に、人間の行っていることはいろいろと罪深いものです。これもやはり警告を発する、自然界からの痛切な叫びなのでしょうか。


中国人研修生のその後

[2006年11月22日(水曜日)|No.1109]

 朝5時過ぎから会社に出てきています。12月がもう間近に押し迫り、だんだん気分的にもせわしくなってくる今日この頃です。でもそんな時、誰もいない会社で一人、先日亡くなられたポールモーリアの軽快なBGMをバックに、仕事の整理をするのはとても捗るし優雅な気分になるものです
 
さて弊社の中国人研修生のその後です。一口に言って、彼達のお陰でとても助かっています。
まず真面目そのものです。当初、こうした研修生達は割り切った仕事しかしないと言っていた人もいました。ところがそんなことは全くなく、仕事の区切れが悪いときは残業でなくても少しの時間、しっかりと片付けていきます。
 
また日本語もこのところ結構解ってきました。来た当時はこちらの言っていることに戸惑いがあり、すぐに筆談となっていたのですが、最近ではそのようなことも少なくなりました。仕事は実質3月からですから、およそ8ヶ月ですか、1年も経たない内に大したものです。
 
それから性格も素直でとても良いですね。従って会社の他の皆にも可愛がられるし、ここのところ冷え込んできたので、家内など心配してすぐに通勤の防寒用ジャンパーなども揃えたりするものです。また最近では出張工事まで出掛けてもらうようになりました。一部受け入れ先の登録等で少しややこしいこともないわけではありませんが、彼らの取り組みからは大して苦になるようなことでもありません。
 
こうして彼らは本当に弊社の戦力となりつつあります。元々中国の大学を出ている彼らですから、通常の研修制度と異なり、3年の研修期間が終わっても、こちらが望めば技術者契約を結び、引き続き社員として会社に残ることができます。私達業種では技術者として養成したいわけで、3年経ったら、はいさよならではつまらないことから、元々彼らにも言い聞かせていることでもあるわけです。
 
こうしたことも少なからず影響していることと思われますが、彼達の真面目さには今のところ文句のつけようがありません。研修生を使う多くの企業は大概はコストとして扱っているでしょうが、弊社にとっては彼らは立派な財産です。人がその気になるのには、国籍は違ってもお互い人間同士、やはりお互い関わり合ってどう共生していこうかという、こちら側の意識の違いからではないでしょうか。


マラソンシーズン到来

[2006年11月21日(火曜日)|No.1108]

 いよいよマラソンシーズン到来です。日曜日、Qちゃんこと高橋尚子選手が走ると聞き、多くの人達がテレビの前に釘付けとなったみたいです。
生憎、雨交じりの肌寒い天候で、沿道の観衆もいまいち少なかったそうですが、それだけ暖かい部屋の中での観戦を決め込んだかもしれません。
 
レースは大方の予想通り、土佐礼子選手と高橋選手の一騎打ちになりましたが、30km過ぎから高橋選手の脚が思うように伸びなくなり、みるみるうちにその差が離れ、最後は土佐選手の独走に終わりました。レース前半からずっとぴったりマークし、しっかりと土佐選手についていった高橋選手の、終盤驚異的なギアチェンジがあることから、誰もが高橋選手優位と見ていたのではないでしょうか。でも結果は、寒さの影響と、事前合宿でふくらはぎを痛めていた体調不良によるものか、高橋選手らしくない失速を見るものとなってしまいました。
 
レース後引退はきっぱりと否定し、再度北京を目指し挑戦するとは言いましたが、来年の世界選手権出場も可能性が低くなり、その道は厳しいものとなりました。一方、優勝した土佐選手ですが、その裏には女の意地が潜んでいたみたいです。前回のアテネ五輪、高橋選手に代わって最後の代表枠を射止めたのが彼女ですが、人気者Qちゃんが選ばれなかったことによる嫌がらせが結構あったそうです。それゆえにこの高橋選手に実力的にもしっかりと勝って、自分の力を証明したいと満を持してこの機会に挑んでいたのではないでしょうか。
 
それにしても日本女子マラソンはレベルがずいぶんと高いものです。最後にQちゃんを追い抜き2位に入った尾崎選手もマラソン2回目で前回のタイムを10分近くも短縮しています。第2,第3のQちゃんや野口選手登場も十分期待できるものです。また判官贔屓ではないのですが、昨日の結果を書き立てた新聞各紙に、高橋敗れるばかりで、土佐制すの見出しが何もなかったのはちょっぴり可哀想に思っています。


沖縄移住

[2006年11月20日(月曜日)|No.1107]

 昨日投開票が行われた沖縄では、保守系の自公推薦の仲井真弘多さんが当選されましたが、果たして今後の基地問題はどのような展開をみせるのでしょうか。
さて、この沖縄に別の観点で注目が集まっているという記事を目にしました。2007年から始まる、リタイヤする団塊の世代を当て込んだビジネスです。
 
ちょっと小耳に挟んだのですが、現在ではマレーシアにあるペナン島がリタイア族にとって、とても人気を博しているとのことです。物価は安いし、楽しめるレジャーは数多くあり、しかもインフラや住環境についても何も問題ないことからだと思われます。このペナンについてはまた別の機会に触れたいと思いますが、沖縄が注目されているということは、ペナン同様やはり暖かい気候がよいということではないでしょうか。
 
沖縄県の人口は2000年から5年間で約4万人も増えていると言われています。この流れで団塊の世代が大量に退職となる2007年以降は、地元不動産や金融関係者は800億円を超える市場となると睨んでいるそうです。物件下見ツアーなども既に開催されていて、団塊の世代の4割が国内外への移住やセカンドハウスを考えているというデータもあることから、このうち4万人ほどが沖縄を考えれば経済効果はその数字に達するとのことです。
 
この定着にはまだまだインフラ整備や医療施設などに問題を残しているそうですが、先日お聴きした、団塊の世代という言葉の生みの親でもある、境屋太一さんの講演でも「これからの時代、職縁社会から切り離され、自由となったこの団塊の世代をいかにして取り込めるかが、ビジネスでも大きなポイントとなる。好きな事にはお金は惜しまない。その好きな人達を集めることのできる仕組みづくりが大切」と述べられていました。私など定年のない人間にとっては羨ましい限りの話ですが、逆の立場でその活かす方法を考える時でもあります。本当に好きなことには疲れないし、時間の経つのも忘れてしまうくらい夢中になります。そして好きな同士ならいつまでも語り明かしてしまうこんな仕組みづくりを私達も考えなければいけませんね。


いじめによる自殺や予告問題から

[2006年11月17日(金曜日)|No.1106]

 中高生のいじめによる自殺やその予告が日本列島各地で相次いでいます。嘆かわしいことです。また監督、管理責任を重く受け止め、校長までもが自殺に追い込まれています。ここまで至った経緯は、当事者でなくてはとても理解できないことでしょうが、自殺など命を絶つのは絶対によくありません。
 
死者に鞭打つわけではありませんが、まず何より校長先生が自殺してはいけません。日頃子ども達に一番教えていることが、この命を大切にということのはずです。苦しくなり追い込まれて、どんなに逃げ出したくなっても自殺はいけません。決してそれは勇気ある行為でも何でもなく、解決を図らないでただ逃げ出しているに過ぎません。逃げては何も問題の解決にはならないのです。
 
また最近のトレンドというか、一億総○○化ともかつて呼ばれていたのと同じく、猫も杓子も同じような真似があまりにも多すぎます。この自殺や予告についても同様で、次々と連鎖反応が起こっています。この世にたった1つの、自分だけの貴い生を受け、簡単にしかも自分の意志だけでなく、流れのように他人にも影響されて失うようなことがあったら、それはどんなにか愚かなことではないでしょうか。
 
このような考えるべき由々しき懸案が持ち上がっているとき、国会は教育基本法改正案を片方では単独強行採決を図り、また一方では全ての審議拒否としてその話し合いの場すら着きません。また推し進めるため、教育改革タウンミーティングでは官僚主導のやらせについても言及されているときでもあります。いわば与野党共に棚上げ的にその役目を放棄しているとも言えるもので、そこまでしてなぜこの改革案成立に固執しているのか、真意が全く掴めません。
 
まず何よりも現場で起こっているこの最重要課題の解決が、先決ではないでしょうか。嫌なら審議もしないで逃げだし、また無理矢理押し通したいからと言って、数の力だけで人の意見もろくすっぽ聞かないで取り決めてしまうという、このやり方こそ少なからず今の教育現場に、一番影響を及ぼしている要因ではないでしょうか。自殺問題の早期解決をただただ願っています。


60億円

[2006年11月16日(木曜日)|No.1105]

 何てったって今日の話題は60億ではないでしょうか。それにしても凄い額ですね。イチロー選手のかつてのこの額が1312万ドル(14億円)ですから、松坂投手の5111万ドル(約60億円)はとにかく半端ではない巨額なものです。
 
それだけ、ワールドベースボールクラシックでMVPを獲得した、この松坂投手に寄せる期待は額面通りの大きなものでしょうが、40億で1つの球団が買えるとも言われているし、西武球団の昨年全選手に支払った総額年俸でも28億あまりですから、桁違いのものです。
 
聞くと西武は毎年20億の赤字を抱えているとのことですから、3年分が一挙に入る球団はホクホクですね。これで松坂投手の10歳の頃からの夢が叶おうとしているわけですが、本人がこのポスティングシステムを希望したとき、10年間在籍しなければ得られないFAを待っていたら、自分ばかりではなく、球団側も一銭も入らず損しますよと投げ掛けたそうです。その通りの結果となったわけで、全額が入る西武球団に対しても大きな恩返しができ、本人も大手を振り、胸を張って大リーグに行けることになりました。
 
それにしても獲得がほぼ決定的となったレッドソックスの、ヤンキースに対するライバル意識には目を見張るものがあります。この巨額を出した裏事情の一番の原因は、何としてでもヤンキースには渡したくないという執念が働いていたのでしょう。かつて松井選手を獲得しようとして適わなかった苦い経験が、必死な思いに駆られていたのではないでしょうか。
 
これで私達観る側にとってはすこぶる面白くなりました。松坂が投げて松井が打つ場面は数多く、またイチローとの対決も同リーグゆえ、それなりに観られます。願ったり適ったりです。余分なことかもしれませんが、こうしたことにより、日本プロ野球は何とかしないと良い選手ばかりでなく、下手をすると観客までもが遠のいてしまうかもしれません。中には大金欲しさにFAを待つことなく、売り頃の選手をこのシステムに斡旋するような球団が出なければよいのですが...


ホテルマン

[2006年11月15日(水曜日)|No.1104]

 このブログの中でも、”あるホテルマンの日記”というものを過日見つけてから、隠れたファンとなり興味深く読ませて頂いております。筆者は結構若い方だと思われますが、ホテルマンしか解らないことなど、様々な観点から眺めた記述がとても面白いものですから、一度ご覧になることをお薦めします。
 
さてこのホテルマンということですが、先日ベテランホテルマンの引退記事を見つけました。前身が東京ヒルトンと呼ばれた、都心・山王の丘にあるキャピトル東急が43年の歴史に幕を下ろすことによるものです。この老舗ホテルの廃業に伴い退職する加藤健二さん(65)ですが、常連客からは「ミスター・シェイクハンド」と呼ばれていた人です。
 
この加藤さん、お客さんを何人まで記憶できるかということで、テレビまで引っぱり出されたとのことですが、実に1万人も数え上げたそうです。そして誕生日などの顧客データを記した手帳は山積みとのことで、クリスマスカードや年賀状は1300通を超えているそうです。
 
ホテルの車寄せに着きドアが開いた途端、「○○さん、いらっしゃいませ」と呼ばれたらどんなに心地よい気持ちでしょうか。恐らく私など単細胞の人間は舞い上がってずっとファンになってしまうことでしょう。そして誕生日などを憶えていてくれて、さりげなく振る舞ってくれたら、またどんなにかその自尊心をくすぐられることではないでしょうか。
 
このニックネームの由来となった「握手」については、感謝の心を込め、お客の手のひらに控えめに重ねるとのことですから、ずいぶんと気遣いのあるものなのでしょう。。こうして最終日となる30日にも、普段と何も変わらず午前7時にはロビーに立って、最後のお別れと感謝の気持ちを込めてお客様の手を握ります。こうしたいわゆるプロフェッショナルが、これからどんどん少なくなることは寂しいものですが、これからの人生はボランティアとしてまた計画があるとのことですから、またその後の人生に幸多かれと祈りたいと思います。差別化はこんなところにもあるのですね。


中高年の星、52歳の優勝

[2006年11月13日(月曜日)|No.1103]

 ゴルフ・太平洋マスターズで中嶋常幸選手が優勝しました。ご存知、中嶋選手は御年52歳、いわばゴルフではシニアに属するのですが、どうしてどうして距離の長いこのコースを苦にせず、最終日ノーボギーの65で回り、見事な勝利を飾りました。
 
ひさしぶりにのんびりを決め込んだ休日、午前中は市街で行われた技能五輪国際大会1年前記念イベントと称した行事に、市からの要請で出掛けましたが、午後はその思惑通り、のんびりとテレビ桟敷に陣取ることができました。そしてこのゴルフ中継を眺めたわけですが、何とその画面には中高年の星・中嶋選手の優勝なるかとのタイトルが流れてきました。中嶋さんと言ったら、先日の日本プロシニアで優勝したものの、このレギュラーツアーではもう過去の人と思っていましたから、一瞬この目を疑ったほどです。
 
でも写し出された画像は間違いなく、この中嶋選手でした。こうなるとこちらは若手より、この中高年の星を応援したくなるというものです。幸いテレビホールに入ってからも中嶋選手は絶好調で、ピンがらみのショットを連発して、後の追撃を許さず、とうとう栄冠を手にしてしまったのです。
 
そしてこの優勝後のインタビューがとても好ましいように感じました。かつての中嶋選手と言ったらAONの一角を占めたわけですから、人を食っていたような会話も随所に飛び出していたわけですが、第1声からしてギャラリーの温かい声援にとても励まされたと、素直にその心境を語っていました。落ち着いたその語り口は年齢相応で、やはり無駄に年を重ねてはいないものと思ったほどです。
 
それにしても50歳を過ぎても、若手の中に混じって少しも遜色なく、300ヤードも飛ばすその体力には恐れ入りました。私達が知らない裏側では、それは計り知れない弛まない努力があるものと思われますが、まだ私も同じ50代、ある意味では老け込む年ではないと大いに励まされたものです。ちょっぴり飛ばなくなった飛距離を歳のせいかなと思い始めていたのですが、即座に改めることにして、もう1回前向きに挑戦してみたくなりました。
 
明日14日は終日出張のため、カキコミは休ませていただきます。


ある父親の手記

[2006年11月10日(金曜日)|No.1102]

 過日起こった、奈良の高校生による自宅放火で母と兄弟が焼死した事件についてです。この事件は父親の長男に対しての過度の期待から、本人が行き場所を見失ったと伝えられているものですが、父親が下記のような手記を出して謝罪しています。
 
長男のしたことは決して許されることではありませんが、その原因をつくり追い詰めたのは紛れもなく私です。大人の都合で幼少時より複雑な家庭環境に置き、いい成績をとり、いい大学に入って医者になることが幸せにつながるという価値観を暴力に訴えてまで押しつけ、知らず知らずのうちに精神的な極限状態に追い込んでしまいました。そのことで妻や二男、長女は命を失い、長男も罪を償うことになり、今までの人生で築き上げた何もかも失ってしまいました。
どうしてよく話し合って本当の気持ちを聞き出そうとしなかったのかと後悔ばかりです。結局は親のエゴを押し付けただけだったと思います。三人だけでなく長男も私の被害者でした。(中略)
長男も深く反省しています。鑑別所で面会を終えて帰るとき、握手を求め「また面会に来てほしい」と言い、審判で「一緒に生活してもいい」と言ってくれたことが、せめてもの救いです。
父子関係の本来の在り方を一生懸命学び、長男の更正に今後の人生をささげ、二人で死ぬまで罪を背負って生きていくことが、三人に対する唯一の償いだと思います。
皆様には多大なるご迷惑をお掛けし本当に申し訳ありませんでした。

 
自分の非を素直に認め、潔く周囲、特に息子に対しての謝罪の気持ちに強く打たれるものがありました。聞くとあれ以来、この父親は医者の仕事も辞め、自分自身が更正するためカウンセリングを受けていると言います。本当にその気づきに至るまで、失ったものは少なくありませんが、「禍福はあざなえる縄の如し」で、悪いことばかりではありません。大切なのはもし非があるのならこのように素直に認め、実行に移すことです。またこうしたことにより、閉ざされていた息子の胸も少しずつ開かれてきたのです。「覆水盆に返らず」であまりにも代償は大きいのですが、これからその罪を償いながら精一杯生きていこうとする二人の姿勢に、少しでも幸あれと陰ながら応援したくなりました。


造反議員復党問題

[2006年11月09日(木曜日)|No.1101]

 先に郵政民営化に反対し、自民党を追われた造反議員達の復党問題が騒がれています。これは新首相安倍さんの意向を受けたものですが、一口に言ったら参議院選挙対策以外何ものでもない、自民党内のお家の事情に過ぎません。
 
これを事の張本人である小泉さんは冷ややかな目で、「既得権者、郵便局の票をあてにしたら参院選では負けるぞ」と述べています。小泉さんていう人、もの凄く動物的勘が働く人で、先のこの解散総選挙のときも、大方の予想を覆し自民党の大勝利を予め見越すことができた人です。この人が危ないぞと言っているのだからちょっと考えものではないでしょうか。
 
マスコミは面白おかしくこの問題を捉え、岐阜の野田対佐藤の一騎打ちとか、我が県内にもある生意気どうのこうのと騒がれている片山議員と、安倍さんの一の子分とも言われている落選した、城内元議員の対決など、興味本位に国民の関心を煽っています。
 
また党内には背に腹は代えられない人もいるみたいです。党参議院幹事長の片山虎之助さんは選挙区岡山で来年改選になるのですが、このお膝元には造反組の代表格・平沼赳夫さんがいます。この人は大実力者で、地元取り巻きの市会・県会議員のほとんどがその支持に回っていることから、この人のご機嫌を損ねると、下手をすると片山さん自身の落選の危険もあると言われているくらいです。
 
従って、こうしたお家事情の集積に基づくものであって、いわば大義名分など何もないわけです。かつてよりご都合主義の自民党が少し変わって、改革に協調しない人間の切り捨てまでやって、国民に信任投票を問い、その潔さが買われて予想外の大きな賛同を得たわけです。
ですからこのまま大義名分もなく、自分達の都合で復党させてしまったら、選挙民に対しても裏切りになるのではないでしょうか。小泉さんの言われるように国民はそんなに甘くはありません。国民をなめるような真似をすると、とんだしっぺ返しを食らうことになるかもしれません。


日米野球

[2006年11月08日(水曜日)|No.1100]

 ひさしぶりに本気になった大リーガーを観ました。やはり春先に行われたWBCで優勝した日本への対抗意識も少なからずその要因にはあることでしょう。もっともこのWBCでは日本が優勝したというものの、アメリカには予選リーグでは負けているのですから、本当に強くて真の王者かどうかは定かではありませんが...
 
この今回来日の大リーグチーム、何よりも若くて勢いのある選手が多く集まっています。
まず26歳のハワード、今までの5試合で5本のホームランを放ち、その飛距離には目を見張るものがあります。そしてそのパワーだけではなく、日米対決第3戦でそれまで無走者に抑え、好投していたロッテ・小林投手の低めに落ちる球を、ものの見事にとらえたセンターオーバーの2塁打など柔軟性のある巧いバッティングとも言えるものでしょう。今シーズン58本のホームラン王と打点王の2冠はだてではないことを見事に証明しています。
 
それから23歳のマウアー捕手です。今シーズン米大リーグ捕手として、実に64年ぶりの首位打者に輝いている選手です。この試合でもハワードが2塁打で出た直後に、すかさず左中間に逆転の本塁打を放ち、あっさりと試合をひっくり返しています。
またこの試合、精一杯のランニングとか必死のホームへのヘッドスライディングも見られました。かつての物見遊山の観光気分で来ていた一行とは、ちょっと異なる雰囲気を感じ、快く思ったものです。
 
それにしても日本プロ野球選抜はどうしたのでしょうか。このままでは5戦全敗に終わってしまうかもしれませんが、メンバーを見ても少しもその迫力が感じられません。10人以上の辞退者が続出したとのことですが、必死にやっている大リーガーに比べ、その意識まで問われてしまいます。こんな状態では私達野球を本当に楽しみたい視聴者の目は、ますます日本プロ野球を離れてしまうような気がします。ある意味では、本気で向かってくる大リーガーと比べても、少しも技術的にひけをとらないと示す良いチャンスだったのですが...


高校未履修問題

[2006年11月07日(火曜日)|No.1099]

 全国の高校がこの問題で揺れています。学習指導要領に定められた必修科目を大学受験科目に不要だからと言って履修していなかったというものです。
これは一口に言えば進学校の高校教育が大学受験のためにといった、予備校化して少しねじ曲がったものになっているからです。
 
聞けば高校によれば、大学受験のため11月にはもう学校に来なくてもよいといった所もあると言います。そしてこの未履修にしても、地理歴史や世界史が受験に必要ないからと言って、特に理系を目指す人間が、学校側主導で受験戦略として割愛していたのがそのほとんどです。
 
もちろん学校側に問題がないわけではありませんが、国全体としてこの詰め込み式の受験教育を大きく見直すときではないでしょうか。ある人は目的の大学に合格した途端、さも人生の目標に到達したかのように前向きな姿勢がストップしてしまうとも言われます。そして目指す大学に入るだけが目的で、そこでやりたいことやら、今後の人生をどう進むかを全く考えていない人も少なくないとのことです。
 
果たしてこうした傾向でよいのでしょうか。大学での教育を大きく見直す必要があるのではないでしょうか。今の制度を大きく改め、欧米並に入りやすく出にくくすることです。何をやりたいのか、何のために生きるのか、少なくともその時点で早期に考えなければいけないきっかけとなることができます。そしてただ大学を出てきたというだけの、有名無実な人間は少しずつ淘汰されていくのではないでしょうか。今、日本の外交官が海外に出て、一番苦痛なのが各国の人々とのパーティの席だと聞いています。なぜかと言うと、彼らから能とか歌舞伎とかいった日本文化について尋ねられそれに応えられないからです。これなど、まさにねじ曲がった日本の教育の一端の表れではないでしょうか。


ファーストレディ

[2006年11月06日(月曜日)|No.1098]

 我が国のファーストレディと言ったら、安倍首相の奥さんである昭恵夫人です。その前の小泉さんが事情があってこの夫人がいなかったことから、5年ぶりのファーストレディ登場ですが、この昭恵夫人、なかなか評判がよろしいようです。
 
何よりも風貌からして庶民的に見えるのがいいですね。とかく総理夫人と言うと、お高くとまっていらっしゃる方が多いものですが、この人はそのようには見えません。旦那である首相はどちらかと言うと、その早口にみられるように気が短くて攻撃的のような人ですが、奥様はゆったりとしていてあまり気取らないところが受けがよいのかもしれません。
 
先日の中国・韓国訪問のときもしっかりと同行し、飛行機から夫婦仲良く手をつないで降りていたのが印象的でした。ご本人に言わせると、自分の方から手をつなごうと言い出したみたいで、かつて訪れたクリントンさんの大統領就任式のパレードを見たとき、ヒラリー夫人とずっと手をつないで歩いていたのが好感を持てたそうです。
 
韓流ファンでその言葉も習っている関係で、韓国訪問の時は現地小学校を訪れ、2年生の教科書を韓国語で読んだことも現地では好意的に伝えられていました。またちょっとした秘話もあったらしく、中国から韓国へと行くため、空港に向かう車の中で首相の背広の上下が違うことに気づき、政府専用機に乗り込んでから着替えたという、鷹揚(おうよう)な部分も持ち合わせています。
 
功名が辻の山内一豊の妻・千代ではないのですが、内助の功の面では政治家にとっても役割は少なくないはずです。この奥様の力で、まだ若いから血気盛んなのでしょう、とかく力んで右へ右へと行こうとする旦那様の過激な部分を是非柔らかく包んで欲しいものです。


食べ過ぎ

[2006年11月02日(木曜日)|No.1097]

 天高く馬肥ゆる秋、食べ物がおいしい季節ですね。と言っても私の場合は1年中そうですが...会合がある度に、この飲んだり食べたりする機会が増えています。昨夜も同友会の委員会終了後メンバーで少し繰り出しました。
 
最近では安易な居酒屋がほとんどですが、何日も続いたりするとやはり大変です。店の趣向は変わってもその出てくるものは大して変わりません。最近はあまり行っていませんが、その後の綺麗どころのいるような店で出る乾きものは食べませんが、どうしても揚げ物だとかが多くなります。この揚げ物などボリュームのあるつまみって、結構高カロリーのはずです。
 
また飲んだ後、不思議とその臭いに誘われてラーメンが食べたくなるものです。先日、なぜ飲んだ後のラーメンがおいしいか、記事に載っていました。こういうことであるそうです。
 
お酒に含まれるアルコールが体内に入ると、アルコールを分解しようと肝臓がフル回転する。この時、肝臓は分解のために血糖を大量に消費する。人間は血糖が高い状態だと食欲が湧かないが逆に低くなると「ゴハンの時間だよ」と指令が送られ、空腹ではないはずなのにお腹が空いてくるのだ。
 
アルコール分解に血糖が消費され低くなるから、体が誤魔化されて欲するんですね。それでは体に良いわけがありません。とにかくこうした繰り返しに知らず知らず間に、メタボリック症候群予備軍にまっしぐらに向かっているわけです。気をつけたいものです。何と言っても、家でゆっくりと家内の作った手料理でお酒を味わうのが最高です。少し褒めすぎましたかな...


いじめ

[2006年11月01日(水曜日)|No.1096]

 2ヶ月綴りのカレンダーはいよいよ最後のページです。1年過ぎるのは本当に早いものです。さて全国でいじめの問題が大きな話題となっています。中学生や高校生がそれにより自分の命を絶っているという事件が相次いでいますが、本当に悲しいことです。
 
どうでしょうか、このいじめって今に始まったことではないはずです。私達の小学生の時もありました。でもいじめそのものの中身が変わってきているのでしょうか。昔に比べて陰湿とも言われていますが、いじめには変わりないような気がします。
 
そうすると何が違うのでしょうか。私が考えるのにこうした問題を受け止める側が変わってきているように思えます。いじめが起こったとき、された方は必ず誰かの助けを求めるはずです。そうしたとき、昔は何十人かのクラスの中で一人や二人は味方になってくれる人がいたものです。それに付いたからと言って、クラスが大きく分かれることもありませんでした。それがコントロールできていたのも、先生が善悪のけじめをしっかりつけてくれていたからだと思います。
 
決して先生そのものが変わったとは言いたくありません。先生によっては本当に子ども達のことを考え、頭の下がる取り組みをされている方も知っています。従って全部とは言いませんが、先生の一部においてはこの問題を知ってか知らずか、他人事のようにして通り過ぎてしまう人がいるのではないでしょうか。なぜかというとそこに保身が働いているからです。一部の報道では先生まで加担していたとも聞きます。生徒や児童に迎合し、自分の人気取りのため、教え子の切り捨てまでやっていたとも言われています。その方が自分にとって厄介ではないからです。また自分の教える自信のなさや災いを避けたいがために、見過ごしているとも聞きます。
 
もう少し、子ども達に対しても熱くなり、汗を流してもらいたいものです。汗を流した分だけ、子ども達にはその熱い想いがきっと伝わるはずです。私達、経営者や指導者と呼ばれる人にとってもそれは全く同じことが言えるのではないでしょうか。人はその心で動かされるのです。