会長の”三行日記”

2016.08.29

すい臓がん No.2883

 先月末に大相撲の元横綱千代の富士の九重親方が亡くなられました。61歳という若さだったのですが、すい臓がんに侵されてしまったのです。現役時代、小さな体ながらその技の美しさと圧倒的な強さに多くの人たちが魅了されたものです。

そのすい臓がんで亡くなる方が増えているそうです。ガンは以前とは違って、初期の段階なら死には至らなくなった今日ですが、このすい臓がんだけは技術が進歩した現代医学においても、なかなか治癒が難しい、厄介なガンと言われているのです。

意外と知られていないのが、今ガンで亡くなる人が減り続けているということです。亡くなる人自体の数は増えているのですが、高齢化という原因が多く、ガン全体の死亡率は年々減り続けていると言われています。

ところがこのすい臓がんだけは例外です。それは早期発見が難しく、悪化しやすいからです。すい臓は血糖値などを調整するホルモンを出す臓器で、胃や肝臓などと比べても見劣りしないほどの大きさですが、とても見にくい場所に位置します。

レントゲンなどのX線検査では調べることができず、胃や大腸と違って口と直接繋がっていないため、胃カメラでも調べることができません。またすい臓がんになっても初期はほとんど自覚症状がないのです。

このため早期発見が難しく、発見されたときは既に他の臓器に転移しているケ-スが多いのです。ではなぜ増えているのかということですが、詳しくは判りませんが糖尿病や慢性すい炎などを持つ患者がすい臓がんになるリスクが高いかもしれないと指摘されていることがあります。

運動不足や食生活の変化です。また暴飲暴食などの過食も原因の1つです。それではどうしたら予防できるのかということですが、腹痛や皮膚や目が黄色くなる黄疸、また腰から背中にかけての痛みの症状が出た時は、早めに医療機関で診てもらった方がよいそうです。

やはり体の異変に早めに気がつくことです。ネットではアメリカの15歳の少年がたった1滴の尿と血液が必要なだけの早期発見法を開発したとの記事がありますが、果たしてどうなのでしょうか。

自分の友人もちょうど42歳の頃、このすい臓がんで若くして亡くなりました。今でも毎年、6月の末頃、彼を偲ぶ会を友人が集まり開催していますが、早いものでもうあれから25年の歳月が流れようとしています。

こうした若くして亡くなる方には言葉もありませんが、60歳を過ぎると発生率が高くなると言われています。発見が難しい箇所だけに異変に気がついたら早期治療を心がけるべきです。私たちも60半ばを過ぎたと言っても、まだまだこんな病気には侵されたくなく、元気で長生きしたいものです。