会長の”三行日記”

2016.03.28

横綱の重み No.2829

 先週土曜日に北海道新幹線が開通いたしました。計画から実に50年余りの歳月を経ての開業となったようです。朝6時45分の函館発東京行きのの一番列車をテレビ中継していましたが、その車体からして実に精悍なマスクをしていて新しい時代の幕開けのような気がしました。厳しい寒さが和らぐこの時期にピッタリなタイミングですね。

さて昨日の日曜日の夕方、めずらしく相撲のテレビ観戦を決め込みました。というのも大好きなヤクルトは巨人に3連敗するし、女子ゴルフは相変わらず外国勢の勢いが強く、日本人プレ-ヤ-の不甲斐なさを感じていたからです。

それと荒れる大阪場所と言われているのを信じて、2大関が頑張っている姿を見たかったからです。横綱昇進がかかった琴奨菊は早々に優勝戦線からリタイアしてしまいましたが、大関・稀勢の里ともう一人、今場所カド番を迎え心配されていた地元・豪栄道がめずらしく頑張っていたからです。

まずこの両者の対決は稀勢の里にやはり一日の長があるみたいで、豪栄道コ-ルに沸く館内の大声援に応えることができない、豪栄道の完敗とも言えるものでした。これで唯一、稀勢の里が決定戦があればという、まだ優勝するチャンスが残っていたわけで、続く白鵬と日馬富士の横綱同士の一番に期待していました。

ところがふたを開けてビックリ、朝の連続ドラマではないのですがビックリポンの一番になってしまったのです。何と横綱同士の戦いであの白鵬が立ち会いで変化を見せたのです。理事長の八角さんはあれはいなしだと擁護していますが、どうみても変化としか見えません。

全く予想もしておらず驚いた日馬富士はそのまま一直線で土俵を割ってしまったのです。実に1秒1の相撲だったと伝えられています。あっけにとられたのは相手力士に限らず、この一番を期待していて観ていた多くの相撲ファンです。

これで白鵬は優勝を決めたわけですが、館内からは拍手さえ起こらず、たちまちのうちのブ-イングです。もっと酷かったのはこの後優勝式が開かれるのですが、半分以上のお客さんが抗議の意味もあってか、早々に席を立ってしまったのです。

更にすごかったのは優勝力士インタビュ-のときです。アナウンサ-が白鵬にインタビュ-をしようとするのですが、その声を打ち消すかのようなヤジと罵声が飛び交っていたのです。たまらず白鵬は少しも話すことができず、しまいには堪えきれず自分の一番に対し謝罪しながら涙ぐむ始末です。

この醜態は私も眺めていて当然のことのように感じました。横綱同士の一番ですから正々堂々の力相撲を誰しも期待していたのです。そして優勝するのは仕方ないとしても、最多優勝35回もしている横綱だけに、優勝するだけの無敵の強さを見せつけて欲しいと思っていたからではないでしょうか。

横綱は何がなんでも勝てばいいというわけではありません。やはりその地位に見合った品格というものが立ち居振る舞いに備わっていなければいけないものです。インタビュ-では謝ったものの、支度部屋に戻ったら開き直っているような話も聞きました。深く反省を促したいものです。