会長の”三行日記”

2016.03.17

多湖先生亡くなる No.2826

 ベストセラ-にもなった著書「頭の体操」で知られた多湖輝先生が亡くなられました。昨日の新聞で初めて知ったのですが、今月6日に間質性肺炎のためお亡くなりになり、既に葬儀は近親者で済まされたと聞きました。

多湖先生には私どもも大変お世話になっていて、弊社の第1号乗用モノレ-ルを先生の中軽井沢の別荘に敷設させて頂きました。1号機はウィンチモ-タ-でケ-ブルを巻き取ったり、緩めたりして上昇・下降を繰り返すタイプですが、別荘の入口にある駐車場から中腹の建物玄関までの脚として使用して頂いているものです。

これは奥様の脚がすぐれないことから、折角、軽井沢の別荘に車で到着しても、中腹にある別荘の玄関まで辿り着くのは難儀のことゆえ設置して頂いたものです。また数年後、この別荘の上部の土地を先生が別に購入されたことから、一番上の見晴らしの良い所に展望台を兼ねたゲストハウスを築かれました。

これに伴い中腹の玄関の位置から、今度はゲストハウスのある最上部まで乗用モノレ-ルの2号機を設置して頂いたのです。この2号機は走行するキャビンに自走式モ-タ-を積んだタイプです。ですから人が乗っていない時、キャビンを呼び寄せる方法として、無線による制御なども初めて導入させてもらったのです。

このような設備の導入のお陰で、特に初期の頃など軽井沢まで往復することが頻繁にありました。時には先生が別荘にご在宅のときもあり、そんなときは必ずお顔を出していただき、温かい声を掛けてくれました。

そして工事が夕方近くまで掛かると、必ずと言ってよいほど一緒に夕食に行こうと誘っていただきました。そして何回かご馳走になったこともあったり、その別荘にも泊まらせて頂いたこともありましたが、いつも気さくで千葉大の名誉教授といった、私たちが近寄り難いところなど一切なかったものです。

あるときは「多湖輝」という表札と並んで「レイトン」の名前を見つけ、不思議に思ったこともありましたが、家に帰ってから子どもたちに聞くと、それが「レイトン教授と何々」とかいう、多湖先生が監修した人気ゲ-ムソフトということであることを知らされました。

またモノレ-ルの試運転等の時も立ち会い、専門外なのにかなり技術的に鋭い質問をされたり、ときたまびっくりするようなアイディアを出されたときには、さすが頭の体操の先生だと、柔軟な頭脳を存分に感じさせられたものです。

葬儀は密葬という形で済まされたと言いますが、このように少なからず晩年の先生と関わらせて頂いただけに、何らかの弔意を示したいと思います。関係者にお聞きすると、今のところお別れ会などの予定はないと言われていますが、あれだけの功績のある方だけに、何とかどなたかが音頭をとって開催して欲しいものです。

先生のご冥福を謹んでお祈り申し上げます。