会長の”三行日記”

2016.01.15

マエケンの挑戦 No.2794

新年早々、軽井沢で悲惨なバス事故が起こってしまいました。運転手を含め14人もの尊い命が失われることとなりました。乗客のほとんどが大学生だったと聞きます。センタ-試験が行われるこの時期、大学が休講となりスキ-に出掛けたのが災いしてしまったのです。

元気に大学に通っているはずの我が子の、帰らぬ姿を誰が予想したことでしょうか。その心中を察すると、とても他人事ではないような切ない思いがするものです。犠牲になられた方々のお悔やみを心からお祈り申し上げます。

さてマエケンこと前田健太投手が夢の大リ-グ入りを果たし、ドジャ-スという願ってもない球団に入ることが決まりました。ドジャ-スは日本人のパイオニアとも呼ばれる野茂さんが永年所属したり、黒田投手もヤンキ-スに移る前はここで活躍したところです。

それだけに前田投手が結果を残すためには、良い球団を選択したのではないでしょうか。何しろこのドジャ-スはナリ-グ西地区を3連覇中の強豪で、投手を援助する打線も強力な布陣が揃っています。

またこのオフで昨シ-ズン19勝を挙げたグリンキ-という投手がFAで退団したことから、先発右腕が求められていたからです。彼は日本の広島球団に在籍中の9年間で、一度も長期離脱をしたことがないというタフな投手です。

ですから一部に伝えられている身体検査での異常というのも、問題ないのではないかと思われます。ただ唯一の不安としては、先発が日本より短い中4日のロ-テ-ションで、年間30試合以上の登板をこなさなければならないことです。

松坂、田中といった日本を代表する投手が、この影響で肘や肩を痛めたこともあり、決して油断はできないものです。その健康面や体力面に配慮さえすれば、技術的には切れのある球を制球よく、低目や両コ-ナ-に投げ分けられる力を持っているだけに、十分通用するものと思われます。

そんなわけで前田投手が目標とするのはドジャ-ス、ヤンキ-スに7年間在籍し、大きなケガもなく活躍した先輩の黒田投手でしょう。「無事これ名馬」という言葉もある通り、200回ぐらい投げても故障しないタフネスさや逞しさを持ち続けていて欲しいものです。

それにしても快く出してくれた広島球団にとっても、その恩恵は十分被ることができたのではないでしょうか。この移籍で一度に24億近い譲渡金が入ってくるのです。その一部は地元広島やキャンプ地の日南市や沖縄市への寄付を考えているというから、四方丸く収まることができています。

とにかく前田投手には昨シ-ズンの沢村賞という、日本を代表する投手だけにその実績通りの活躍を望みたいものです。でも彼が抜けた日本球界は少し寂しくなりますね。