会長の”三行日記”

2015.12.03

新規事業展開 No.2790

 セ-ラ-万年筆と言ったら誰もが万年筆で有名な会社だと思われることでしょう。パイロットと並んでその道では名高い会社です。その会社が私たちの知らなかった、意外な事業展開をしていて業績を上げていることをラジオで知りました。

その新しい部門とはロボット作りです。筆記具メ-カ-がロボット作りとは意外な展開だと思ったのですが、同社のホ-ムペ-ジを覗いてみたらそのわけが書かれていました。次のようなことらしいのです。

スタートは筆記具のインクカートリッジ成形の自動化でした。1969年当時、すでにプラスチック成形のランナー取り出しロボットは他メーカーから発売されていましたが、製品は落下方式であり最終的には人が次の工程まで持っていく必要がありました。

このやり方では金型の損傷や人件費の問題点がクリアにならないだけでなく、せっかく作った製品に傷がついてしまう。これらの問題をクリアするために、自分たちの手でロボットを作ることを決めたのです。

ラジオから伝えるところによると、現在ではこのロボット生産は全体の売り上げの1/3を占めるほどで、メディア業界では圧倒的なシェアを誇っているとのことです。元々自社の生産ラインにおいて、製品であるインクカ-トリッジを取り出すのに必ず一人担当を付けなければいけなかったことからの改善がスタ-トになったのです。

更にHPではそのことを裏付けるように、次の記述がありました。セーラーのロボットは、外販開始の1970年、当時の先端分野であるオーディオカセットテープのパーツ成形ラインに導入され、高い評価を得ることに成功しています。

最初に導入した会社の生産効率の良さを知ったライバル会社までもが、当社のロボットを導入してくれました。これは当時、業界において異例とも言える出来事でした。

以降、VTRやCDをはじめ、DVDにいたるまでメディアの生産ラインには欠かせないといっても過言ではないほど、業界での地位を確立するに至りました。剛性・スピード・精度どれをみても最高水準のレベルにあるセーラーの取出しロボットとオートメーションシステムは今でもメディア業界で圧倒的なシェアをいただいています。 

また価格も通常200~300万円するところを、リ-ズナブルな30万円に抑えていることに人気を呼んでいるらしく、海外進出も積極的な展開を図っているとのことです。

元々の本業である万年筆そのものの売り上げの推移は分かりませんが、やはり既存の事業にあぐらを掻くことなく、新しい事業展開を図らなければ進みゆく時代に取り残されてしまうということなのでしょう。

HPの社長の挨拶にもあったとおり、いつも時代の風を真っ先に感じ取り、新しい価値を製品化することによって、幅広いニーズにお応えしていかなければいけないことを学ばせて頂きました。

明日はたまたま、このロボット展が東京ビッグサイトで開かれていることもあって、地元の企業団体の片浜産業クラブの視察研修で訪れることになっています。このため一日会社を離れますのでカキコミは休ませて下さい。