会長の”三行日記”

2015.09.09

司法試験漏洩 No.2759

 明治大学法科大学院の教授が教え子に司法試験の問題を漏らしていたということが発覚しました。教授は試験問題の作成に当たる、考査委員という大ベテランで、この世界では発言力も強い有名人だったみたいです。

そんな人がなぜと思わせられる出来事なのですが、法の番人を養成する司法試験であるがゆえに大きな問題となっています。司法試験の問題はこの考査委員がたたき台を作り、協議して作成するそうです。

そして当該の教授は今年は自分の専門でもある、憲法の問題をまとめる主査を務めたということです。そんな立場の人間が教え子である自分の大学院の女子学生に、自分が関わった憲法についての論文式試験の内容だけでなく、解答する上で必要な論述のポイントまで、事前にでも教えていたと言います。

論文試験は800点満点で憲法には100点が配分されていたそうで、解答用紙は憲法だけでA4判で8ページ分だったと言います。そして論文式試験の採点が始まると、この女性の答案だけが情報漏洩がなければとても作成困難だと思わせられる内容だったのです。

ですから解答用紙を見ればそれが本人の実力以上で、事前に知ってなければとても記述できない内容であることが明らかだったのです。こうして疑問に感じた別の考査委員が情報提供し、法務省が調査に乗り出して明るみに出てきたのです。

まさに難関と言われる司法試験制度の根幹を揺るがす問題で、正義を追求する法律家を育てる試験でこのようなインチキがあってはならないことなのです。教授の通常の授業の評判は基本などが分かりやすく、悪くなかったみたいです。

ただ女子学生を高級な食事に誘うという評判があり、実際に行った人たちもいると言います。こうしたちょっとした隙間からほころんでいったのではないでしょうか。それにしてもお粗末な話です。

一部学生が言うように、法曹への信頼に関わることなので、教える人と試験問題を作る人ははっきりと分けた方が良いのではないでしょうか。かつてもこの試験問題漏洩に関しては似たようなことがあったと聞きます。

また別に伝えるところによると、教授が漏洩した女子学生に対し恋愛感情を抱いていたとも言われています。それが本当なら何とも恥ずかしい話で、このようなレベルの人が法の番人を養成する部署についていては、権威そのものも疑われてしまいます。

とにかくこれでは真面目に取り組んでいる多くの関係者にとっても大きな迷惑です。でも近年、子どもたちに教える立場の先生が淫行だとか不埒な盗撮などで捕まっている人間が少なくないわけですから、驚く話ではないかもしれません。世の中、もう少しまともになってもらいたいものです。