会長の”三行日記”

2015.09.07

ミニマリスト No.2757

 ミニマリストという何やら奇怪な名前が新聞に載っていました。英語のミニマル(最低限の)からの造語で、生活に必要最低限の物しか持たない人たちのことをそう呼ぶそうです。

余分なものまで取っておきたい私などはとても仲間に加われそうもないものですが、身の回りの物をできるだけ減らすことで、仕事や趣味に集中して生活の質を高めようという考え方からみたいです。

ですからそれは節約のためではないらしく、こうした考え方が若者を中心に広がっていて、関連書籍の売れ行きも好調とのことです。

ある人はネットでミニマリストという生き方を知り、それまでの生き方を一変させたそうです。以前はいつか読もうと思って買った本、CDや楽器、大型テレビに流行の洋服など多くの物で部屋があふれかえっていました。

それが「本はいつまでも読まず、楽器も置いてあるだけ。服も着ない。それでもまだ持っていない物に目が行ってしまい、自分は物に支配されていると感じた」と話しているのです。

こうして要らない物は徹底的に処分し、今は小さな押し入れに1年分の衣類数着とソファ兼用の寝具をしまうと、20平方mほどのワンル-ムには何も残っていないと言います。

そして本は1冊だけ買い、読み終わったら誰かにあげるということをしています。この結果、集中して頭に良く入り、仕事の能率も上がったと言っています。また時間とお金は旅行や知人と会うことに使い、私生活も充実したということです。

このように物を持たないと深く考える時間が増え、発想が豊かになると話しています。以前、断・捨・離ということを採り上げたことがありますが、これに似た考え方なのでしょうか。

考えてみると私たちの周囲にはかなり余分なものがあふれかえっていて、このため一向に身の回りの整理がつかず、探している時間が無用に増えています。物がなければ整理することも簡単で、無駄な時間も掛からないというものです。

でも凡人の私などはどうしても物欲に囚われていることから、捨てることもできないし余分な物まで購入してしまいます。象徴的なのが山登りに行く際のザックの中の荷物です。

ついあれもこれもと、余分なものまで詰め込んでいくため、ザックが必要以上に重くなり、それによって自分自身が苦しめられています。やはり物を減らすということに努めなければいけませんね。

片づけの効果を説いている「日本そうじ協会」の理事長は「物を減らすことで集中力が高まるのは企業も個人も同じ。多くの物を持つことに価値があった時代は終わった」と指摘しています。余分なものを捨てるということは、簡単そうでなかなか難しいことですね。