会長の”三行日記”

2015.06.04

MERS拡大 No.2715

 MERS(マ-ズ)という、何やら得体の知れないウイルス感染が韓国で拡大しているようです。これは中東呼吸器症候群という、変てこな名前がついているものですが、2012年9月にアラビア半島東部のカタールで初めて報告された新種コロナウイルスの感染によるウイルス性呼吸器疾患のことです。

このコロナウイルスとはウイルスの中でも大きなもので、感冒から以前中国で猛威を振るった重症呼吸器症候群(SARS)に至るまで幅広い疾患を起こすものがあるということです。

典型的な症状は発熱、咳、息切れ(呼吸困難)で、肺炎が一般的な症状ですが、必ず起こるというわけでもなく、下痢などの消化器症状も報告されています。特には高齢者や糖尿病などの持病を持つ方にはその影響が大きいみたいです。

そしてMERS感染者の大部分はヒトからヒトへの感染ですが、ラクダがコロナウイルスの重要な保有宿主であり、ヒトへのMERS感染の動物感染源となっているようです。しかし、その正確な感染経路は未だ解明されていないとのことです。

こうしたMERSですが、お隣の韓国ではどうも初動対応がまずかったようで、感染が拡大してきているみたいです。最初に感染が確認された中東帰りの男性が入院した病院で、患者や医師らに急拡大し、約10日で患者が25人にまで上っているようです。

また自宅隔離を命じられていた50代の女性も一昨日、夫ら15人とソウルから約330キロ南方の全羅北道にあるゴルフ場に行っていたという事実も出てきました。こうした隔離対策が後手後手となっていて、感染の恐れのある多くの人々が外出してしまっているからです。

MERSは以前の中国でのSARSに比べて、致死率は4倍と言われているだけに政府の毅然とした対応が求められているわけですが、どうやら初期段階で対応を誤ってしまった朴政権への批判が高まっています。

こんなわけで我が国にとってもお互い往来の多い隣国だけに、空港などの水際での感染防止に努めなければなりません。一部では中東などからの入国者には、発熱やせきの症状があったり、患者との接触があった恐れがある場合は注意を促し連絡を取り合っていると言います。

とにかく以前のエボラ熱やデング熱等、得体の知れないウイルスによる感染が次々に起こる昨今ですが、心してその拡大防止に努めたいものです。臭いものに蓋ではないですが強制隔離もやむを得ないかもしれませんね。