会長の”三行日記”

2015.02.27

韓国大統領の行く末 No.2696

 パク・クネ韓国大統領の支持率が急落して30%を割り込み、レームダック寸前とまで言われています。レ-ムダックとは、「役立たず」の政治家を指す政治用語で、選挙後まだ任期の残っている落選議員や大統領を揶揄的に指すのに用いられている言葉です。

韓国の大統領の任期は5年で再選は禁止されていますので、2013年2月に就任したパク・クネ大統領の残りの任期は3年です。この3年目というのが大統領として最も力を発揮できるはずの期間なのですが、いったいどうしたということでしょう。

それではなぜこのレ-ムダックなど、ここまで言われているかということなのですが、マスコミなどでお馴染みの辺真一「コリア・レポート」編集長が次のように語っています。

不人気の原因は昨年の韓国の10大ニュースにランクされた事件、事故に集約されていると言っても過言ではありません。10大ニュースにリストアップされた▲旅客船「セウォル号」沈没事故▲首相、閣僚候補者らの人事ミスをはじめとして、▲経済停滞の長期化など、どれもこれも朴大統領の行政手腕、統治能力が問われた事件、事柄でありました。

「セウォル号」沈没事故では政府のずさんな対応により400人近い死者を出してしまい、国民の怒りを買いました。大統領が任命した首相候補ら閣僚候補らが相次ぎ辞退したことで大統領の人事に批判が集中しました。

それから番外ですが、大韓航空女性副社長による「ナッツリターン事件」も不支持に輪をかけました。大統領選挙公約で財閥規制強化を訴えたのに財閥の横暴、不正行為が一向に是正されず、韓国のイメージを著しく損なう結果を招いたからです。南北関係が改善されないことも朴大統領にとってはマイナスポイントとなりました。

また経済では「潜在成長率4%台、雇用率70%、国民所得4万ドル」のバラ色のスローガンを打ち出しましたが、経済畑の李前大統領ですら実現できなかった目標です。一流企業を対象に行った今年の経営環境調査では今年の成長率は政府の見通しより低い3.0~3.5%になるとの回答が最多でした。

さらに南北関係も先行き不透明で一向にらちが明かず、日韓関係に至っては大統領が従軍慰安婦問題にいつまでも強くこだわっているため、最悪の事態とも言えるのではないでしょうか。

この大統領が反日の姿勢を示しているのは、亡き父である朴正煕大統領の親日の姿勢を、大統領選挙期間中に強く批判されたことにあるようです。韓国では「親日」イコール売国奴というレッテルを貼られているからです。

ですから真意はともかくとして、自分が生き延びるためにはこの反日姿勢を貫かなければならないのです。また女性であるがゆえに、慰安婦問題に対しては強い姿勢を打ち出さなければならないように感じます。

このように聞くと少し可哀そうな気もしますが、やはり大統領に不可欠な断固とした強い決断力が不足しているのでしょう。また貿易にしても黒字の出る対中重視で、その額は日韓の倍の数字を示しているそうです。この対日軽視という姿勢が一層、自分自身を追い込む結果となっているのではないでしょうか。レ-ムダックにならなければよいのですが...